岩手県立総合教育センター教育研究(1999)


平成11年度 岩手県立総合教育センター 教育研究

 当センターの研究事業は、本県における教育上の重要な課題を取り上げ調査研究し、その成果について教育機関に広く普及を図り、本県の教育の向上に資することを目的としています。
 「教育研究」は、平成12年2月15日〜17日に開催しました岩手県教育研究発表会で公表し、その結果を参考にまとめたものであります。それぞれの研究は、各教科や領域、分野の当面する教育課題を直視しながら、その解決の道筋を明らかにするとともに、実態調査等で得られた問題点を整理し、指導試案の作成や実践結果の分析を行ってその成果と課題を明確にしました。

No 領域 研 究 主 題 及 び 内 容 年次 担当室
11_01 指導法
「総合的な学習の時間」に関する研究
−導入のための要件や手順の検討−

研究の概要
 この研究は、「総合的な学習の時間」導入のための要件や手順を明らかにすることによって、各学校における円滑な導入・実施に役立てようとするものである。
 本年度は、2年次研究の完結年度として、昨年度作成した基本構想に基づき、県の「総合的な学習の時間」調査研究協力校の構想及び推進状況の把握と併せ、「カリキュラムの構想に向けて」「学習活動の創造に向けて」「組織体制・環境整備等に向けて」の三つの推進試案を作成することができた。
 また、その活用を図るため、具体的構想の視点及び観点を作成し、「『総合的な学習の時間』の導入・推進に向けて」としてまとめることができた。
10〜11 プロジェクト
11_02 教育史
岩手県教育史資料に関する調査研究
−昭和3年〜昭和5年−
11〜13 企画調整室
11_03 学校運営
主体的な教育活動の展開を目指した学校運営の改善に関する研究
−先行研究や文献による資料の分析・考察をとおして−


研究の概要
 本研究において、今年度行ったのは、次の内容である。
 \莵垳Φ罎篳幻イら得た資料をもとに学校運営の「定義、内容、在るべき姿」等の基本的考え方について明らかにした。
◆〜換颪繁楔の「教育事情」「児童生徒の実態」及び「学校における具体的教育活動」の推移とそれらのかかわりについての分析・考察や当所が実施した「本県の学校教育推進上の課題に関する調査」の結果の分析・考察等から、本県の学校 運営を進めるうえでの課題を把握した。 主体的な教育活動が展開できるような、「学校運営構想の具体化」「学校運営組織の改善」等の学校運営の改善の進め方の方向性について検討した。
11 教育経営室
11_04 道徳教育
豊かな人間性をはぐくむ道徳教育の在り方に関する研究
−発達段階に即した体験活動の生かし方の工夫をとおして−


研究の概要
 本研究は、発達段階に即した体験活動の生かし方の工夫をとおして豊かな人間性をはぐくむ道徳教育の在り方を明らかにすることをめざしている。
 本年度は、2年次研究の1年次として、次の成果を得た。
 )かな人間性をはぐくむ道徳教育の在り方についての基本的な考え方を明らかにできたこと
◆ヽ導惺擦砲ける体験活動や道徳の時間の指導の実態について調査し、問題点と課題を把握できたこと
 幼稚園におけるモラルゲームの在り方、小・中学校における追体験をとおして共感を深める話し合いの在り方について基本構想にまとめ、推進試案を作成できたこと
平成11年度 岩手県教育研究発表会 道徳分科会
研究授業 学習指導案
中学校 第1学年 道徳 「真の友情」
11〜12 教育経営室
11_05 生徒指導
児童生徒の社会性をはぐくむ生徒指導の在り方に関する研究


研究の概要
 この研究は、児童生徒の社会性をはぐくむ生徒指導上の問題点や課題を把握し、その分析及び検討を基に、児童生徒の社会性をはぐくむ生徒指導の在り方を明らかにし、生徒指導の改善と充実に役立てようとするものである。
 主題にせまるために、実態調査を行い、その結果を基に、社会性の指導体制の見直しと集団のなかで自己を生かす活動の取り入れ方について検討を行った。
 その結果、実態調査に基づく課題を把握し、共通理解を中心とした指導体制を位置づけ、思いやりの態度を中核とする向社会的行動を児童生徒に培う活動を取り入れた基本構想を立案し、推進試案を作成することができた。
11〜12 教育経営室
11_06 複式教育
基礎・基本の習得を図る複式指導の進め方に関する研究
−複式指導手引書の作成をとおして−


研究の概要
 複式学級における指導上の問題点と課題の分析・検討をもとに、五つの視点「^枅齢構成の集団を生かした社会性の育成、地域の文化を取り入れた学習指導の進め方、J式学級を活性化させる道筋、ぞ況に応じた学習指導計画の選択と立案の考え方、ツ樟椹愼海抜崟椹愼海凌覆疂」にそって作成した複式指導手引書に基づく指導実践計画の立案と指導実践及びその実践結果の分析・考察をとおして、複式指導手引書の有効性について検討を行った。その結果、複式指導手引書が、複式学級担任の複式学級指導への理解を深めるうえで有効に働くという見通しをもつことができた。
9〜11 教育経営室
11_07 教育相談
学校における教育相談の在り方に関する研究


研究の概要
 学校において、教師は児童生徒の気持ちを敏感に受けとめ共感的に理解し、児童生徒の自己実現を促すように、教育相談に対する資質向上を図っていく必要があると考える。
 本年度は、2年次研究の第2年次として、次の成果を得た。
 〆鯒度作成した、学校における教育相談の在り方に関する基本構想をもとに、学校における教育相談の在り方に関する指導・援助試案について検討し、学校における教育相談の望ましい在り方についての考え方を明らかにしたこと
◆ヽ惺擦砲ける教育相談の在り方に関する指導・援助試案を 「解説(理論)編」、「実践 平篆福α反ァ吠圈廖◆崋汰◆併例編)」の三部構成でまとめたこと
10〜11 教育相談室
11_08 特殊教育
特殊教育における教育相談活動の教員支援システムに関する基礎研究
−相談担当教員の研修資料の作成と研修の在り方についての検討−


研究の概要
 特殊教育における早期からの教育相談活動の必要性が指摘され、障害のある子供の多様な相談に応じる具体的な相談活動の実践・充実が求められている。本年度は2年次研究の1年次として本県の盲・聾・養護学校及び大船渡・久慈地区の特殊学級、市町村教育委員会に実態調査を行い次の成果を得ることができた。
 ヽ導惺察Χ軌薜儖会において多くの相談件数があること。
◆,匹陵佑冒蠱務萋阿鮃圓┐个茲い戸惑いがあること。
 相談活動を行うために担当者は援助を必要としていること。
ぁヽ惺餐澗里濃抉腓垢訛寮が必要なこと。
 これら調査結果を基に、支援試案の構想を明らかにして研修資料を作成した。
11〜12 特殊教育室
11_09 国語科指導
文章表現力の育成を図る国語科における学習指導の在り方に関する研究
−筆者の表現意図に着目した説明文指導をとおして−


研究の概要
 この研究は、説明文の読解学習指導過程に、文章の展開と表現意図の関連に着目させた学習を位置づけることによって、文章表現力を育成する指導の在り方を明らかにし、国語科の学習指導の改善に役立てようとするものである。そのため、書き手の表現の意図に着目し、相手や場などに応じた表現の工夫を読み手の立場から検討し、児童生徒が意図の明確さと展開の論理性から説明文を記述したり読んだりする学習を取り入れた授業実践を行い、その有効性を確かめることにした。本年度は、実態調査によって児童生徒の文章表現学習に対する意識や傾向などを把握し、その結果をもとに、相手や場に応じて適切かつ分かりやすく伝えるための文章表現力を育てる国語科の学習指導に関する指導試案を作成することができた。
11〜12 一般教科室
11_10 社会科指導
考える力を育てる社会科の学習指導に関する研究
−社会的事象の多面的・多角的な追究をとおして−


研究の概要
 現代のような急速に変化する社会においては、児童生徒は単に知識を記憶するだけではなく、獲得した知識をもとにして、筋道を立てて考えたり、新しい問題を解決したりするなど、考える力を身につける必要がある。
 本年度の研究では、社会科の問題解決の過程で、社会的事象を多面的・多角的に追究する次のような活動を位置づけた学習指導試案を作成した。
ー匆馘事象を様々な側面からとらえ学習課題をつかむ
課題解決の計画を相互に交流し、追究の幅を広げる
D瓦戮新覯未鯣表する前に、結果の要点を知らせ合う
つ瓦戮新覯未鯣表し合い、課題についての考えを深める
11〜12 一般教科室
11_11 算数・数学指導
創造的に考える力を育てる算数・数学科の学習指導に関する研究
−自らの課題を追究する活動をとおして−


研究の概要
 自ら学び自ら考える力の育成が求められている今、算数・数学科の学習指導では、児童生徒が自分の課題を見つけ、既得の知識や経験をもとにしながら解決法を見いだしたり、それをさらに発展させて考えたりすることができる創造的に考える力を育てることが必要であると考える。
 本年度は、2年次研究の第1年次として、創造的に考える力を育てる学習指導についての基本的な考え方を検討し、基本構想を立案した。さらに、児童生徒が抱く算数・数学の「考えること」についての関心・意欲、学習時の困難点などを把握する実態調査を行い、その結果を踏まえて、「創造的に考える力を育てる算数・数学科の学習指導試案」を作成した。
平成11年度 岩手県教育研究発表会 算数・数学分科会
研究授業 学習指導案
小学校 第4学年 算数 「直方体と立方体」
11〜12 一般教科室
11_12 英語科指導
コミュニケーションの技能を高める英語科の指導に関する研究
−技能面と情意面からの学習方略を生かして−


研究の概要
 この研究は、技能面と情意面の学習方略を生かしてコミュニケーションの技能を高める英語科の学習指導法を明らかにしよ うとしたものである。
 具体的には、学習事項の記憶と再現、練習と応用、不足する技能の補完、活動の計画・集中・評価、不安の軽減、相手とのかかわりなどを扱う学習方略を、生徒が必要に応じて活用できるように指導する。その際、生徒個々の学習スタイルを調べ、それに応じて学習方略を勧めることとする。
 また、授業における導入、理解、練習、応用の各段階に、個人と集団、感覚と思考の要素を組み合わせて指導を行う。
 さらに、今年度は学習スタイルの調査を実施した。
11〜12 一般教科室
11_13 音楽指導
幼稚園と小学校低学年における音楽的発達を促す指導・援助の在り方に関する研究
−楽曲のもつよさや楽しさを感じ取らせる活動の工夫をとおして−


研究の概要
 幼児期に音楽的発達を促すことは、その後の音楽活動の土台となるとともに、感受性の育成や人間形成に大きくかかわっていく。そのために幼稚園と小学校低学年における音楽的環境づくりや音楽活動の在り方を工夫することが必要である。
 本年度は2年次研究の第1年次として、次の成果を得ることができた。
 _山敕発達について基本的な考えを明らかにしたこと
◆〕鎮娜爐半学校低学年の幼児・児童及び担当教師の実態を調査し、意識や表現行動などを把握したこと
 音楽的発達を促す指導・援助について基本構想をまとめ、指導試案を作成したこと
11〜12 一般教科室
11_14 美術指導
造形活動の意味や価値を探る美術科の学習指導の在り方に関する研究
−共同で行う創造活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、美術科の学習において共同で行う創造活動をとおして造形活動の意味や価値を探る学習指導の在り方を明らかにし、美術科の学習指導の改善に役立てようとするものである。そのため、指導の手だてとして、生徒の学びへの期待や欲求を中心に据え、人やもの・場所との相互作用によって造形活動の自由な展開が広がっていくような学びを構想しました。
 研究の結果、対象に心を響かせる感性と想像力、対象に主体的に関わる創造性と批評力が活性化され、学習をとおして自己を確認し、他者と相互に交流していこうとする意欲に向上が見られた。
11 一般教科室
11_15 理科指導
理科におけるマルチメディアとネットワークを活用した教材の開発に関する研究


研究の概要
 この研究は、理科において、従来時間的、空間的に観察、実験が困難と思われる事象について、マルチメディアとネットワークを活用した教材を開発、提供することにより、理科の学習指導の改善に役立てようとするものである。
 本年度は、2年次研究の第1年次として、次の2つの成果を 得た。
 (理領域では、ネットワーク(インターネット)を活用した計測教材を開発することができた。
◆\己領域では、多目的にメダカを活用したマルチメディア教材を開発し、岩手県内の生き物調査のホームページを作成することができた。
11〜12 理科教育室
11_16 理科指導
身近な自然に科学的関心を高める探究活動の在り方に関する研究
−七時雨火山地質図の作製とその教材開発を中心に−


研究の概要
 この研究は、身近な自然に科学的関心を高める野外における探究活動の進め方について、その手法を提案し、実践的に確かめることによって、理科教育の改善に役立てようとするものです。本年度の研究の成果として次のことがあげられます。
 |亀羈萋阿砲弔い討寮莵垳Φ罎亡悗垢詈幻ジΦ罎鮃圓ぁ探究活動の進め方の手法についての基本構想を立案した。
◆ー兄雨火山地域の地質調査を実施し、噴火史と火山砕屑物の分布を確認し地質図としてまとめた。
 調査資料を基に教材として形成史を視覚的に分かる図に示すとともに教師用の地質説明書を作成した。
11〜12 理科教育室
11_17 理科指導
高等学校化学「酸化還元反応」の電気分野の学習において現象や法則の理解を深める教材の開発に関する研究

研究の概要
 この研究は、高等学校化学「酸化還元反応」の電気分野の学習において、電池や電気分解といった実用的な反応をこれからの技術社会を生きていくために必要な科学的概念の基礎として定着させるために、現象や法則の理解を深める効果的な実験教材を開発し、高等学校化学の学習指導の改善に役立てようとするものである。本年度は、2年次研究の1年次目にあたり、研究成果として次の2点があげられる。
  峪晴輯垳吉娠」の電気分野の学習指導についての基本構想を立案した。
◆‥澱咾篥典な解の現象や法則の理解を深めることができる実験教材を開発した。
11〜12 理科教育室
11_18 技術・家庭科指導
技術・家庭科における生活を工夫する意欲を育てる教材の開発に関する研究


研究の概要
 この研究は、生徒に学習した内容を生活に生かしたいという意識をもたせ、生活を工夫する意欲が高まるよう、生活場面を想起させる教材を開発し、その活用の在り方を授業実践をとおして明らかにすることである。その結果、次のことが成果としてあげられる。
 。確琉茵別攤牴湛・栽培・家庭生活)において、教材を開発し、指導試案に基づく授業実践を行うことができた。
◆ヽ発した教材の有効性について確認することができた。
 課題解決的な指導試案により、生活にかかわる課題意識をもたせながら意欲的に学習させることができた。
11 産業教育室
11_19 教育工学
学習指導におけるコンピュータネットワークの活用に関する研究
−学習情報を共有するコンピュータ教材の開発をとおして−


研究の概要
 研究1年次の本年度は、学習指導におけるコンピュータネットワークの活用に関する基本構想を立案し、基本構想に基づいて学習情報を共有するコンピュータ教材の開発を行い、研究協力校における調査をとおして開発した教材の検討を行った。
 その結果、児童生徒が学習情報を交流する際にコンピュータネットワークを利用することの利点や、校内LANやインターネット等を活用した学習情報の共有形態を具体的に明らかにするとともに、「学習情報を共有するコンピュータ教材」として、主にインターネットを利用する教材「親水活動支援システム」と、主に校内LANを利用する教材「水生生物を見つけて川の水質を調べよう」を開発することができた。
11〜12 教育工学室
11_20 情報教育
インターネットを利用した教育情報データベースシステムの構築に関する研究


研究の概要
 本研究は、教育情報をマルチメディアデータベース化し、インターネットを使って検索できるシステムを構築し、学校教育に役立つ情報を提供しようとするものである。
 本年度は、2年次研究の第1年次として次の成果を得た。
 ゞ軌蘊霾鵐如璽織戞璽好轡好謄爐旅獣曚亡悗垢覺靄楾汁曚鯲案したこと。
◆ゞ軌蘊霾鵐如璽織戞璽垢鬟ぅ鵐拭璽優奪箸ら利用できるよ うにし、さらにマルチメディアデータを扱うことができるようにしたこと。
 児童生徒にとって親しみやすく、わかりやすいインターフェースを工夫したこと。
11〜12 情報処理教育室
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