岩手県立総合教育センター研究集録(2001)


平成13年度 岩手県立総合教育センター 研究集録


No 研 究 主 題 及 び 内 容
13_01
互いに認め合う意識を育てる学級経営の進め方に関する研究
−自他のよさを見取る視点を取り入れた評価活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、学級の生活や学習活動に自他のよさを見取る視点を取り入れた評価活動を設定することによって、互いに認め合う意識を育てる学級経営の進め方を明らかにしようとするものである。
 そのために、活動のねらいに即して自他のよさを見取る視点を取り入れた評価活動の指導試案に基づいて、ー他のよさを見取る視点を与える、互いの感じ方や行動の仕方のよさに目を向けさせる、8取ったよさを伝え合わせる手だてを位置付けた指導試案を作成し、社会科「火事をふせぐ」、スピーチ「もしもまほうがつかえたら」、朝の会・帰りの会の三つの指導実践を行い、その妥当性について検討した。
 その結果、児童は自分や他の児童の相違に着目し、他の児童のよさについて喜んで話したり大切にしたりするというように、互いに認め合う意識が高まる傾向を示した。このことから、本研究における手だては、互いに認め合う意識を育てるうえで効果があることが確かめられた。
13_02
自ら追究する意欲を高める総合的な学習の時間に関する研究
−学習活動に見通しをもたせる評価をとおして−

研究の概要
 本研究は、児童自身が学習活動を振り返り、内容や方法を吟味して、こうからの学習活動の方向性を明らかにしていく、児童に見通しをもたせる評価をとおして、自ら追究する意欲を高める指導の在り方を明らかにし、小学校における総合的な学習の指導の改善に役立てようとするものである。
 そのために、学習活動の課題把握、課題追究、学習のまとめの各段階に 峅歛蠅梁電性・解決の方向性」◆嵎法の適切性」「発言や発展の可能性」という視点を設け、評価する活動を位置づけた指導試案を作成し、実践をとおしてその妥当性を検討した。
 研究の結果、自己評価や相互評価などの評価情報を活用し、目的の達成への道筋を明らかにしながら生き生きと活動する児童の姿が見られるようになった。このことから、本研究の学習活動に見通しをもたせる評価は、自ら追究する意欲を高めるうえで効果があることが確かめられた。
13_03
道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の指導の在り方に関する研究
−日常生活における行動とそのときの意識を記録した道徳ノートの活用をとおして−


研究の概要
 この研究は、小学校道徳の時間において、日常生活における行動とそのときの意識を記録した道徳ノートの活用をとおして、児童が道徳的価値の自覚を深めることができる指導の在り方を明らかにし、道徳の時間の指導の充実に役立てようとするものである。
 そのために、道徳の時間の後段に、この道徳ノートを活用した次の三つの活動を設定した。ゝ録してある生活経験と、学んだ道徳的価値を対比させる「自分を振り返る活動」、⊆他の考えを対比させる「聴き合う活動」、授業をふり返り、感じたことや考えたことを書かせる「自分の考えをまとめる活動」である。
 研究の結果、自分の道徳的価値に対する考え方に気づくことができるようになり、その考え方を高めようとする意識が確認された。このことから、本研究の指導の手だてが、児童が道徳的価値の自覚を深めることに効果があることが確かめられた。
13_04
小学校理科「人と動物のからだ」の学習において呼吸の認識を深める教材活用の在り方に関する研究
−身近な動物の呼吸を観察する教材・教具の工夫をとおして−


研究の概要
 この研究は小学校理科「人と動物のからだ」の学習において、人と動物の呼吸の認識を深める教材活用の在り方について授業実践をとおして明らかにし、理科の授業改善に役立てようとするものである。
 そのためには、/佑慮撞曚砲いては、酸素、二酸化炭素、温度、湿度、水分などの観点で容易に調べることのできる実験装置を工夫すること動物の呼吸においては、二酸化炭素を調べる実験装置とともに、従来行われなかった酸素の消費を検出できる実験装置を工夫し、小学校高学年でも実験できるようにすることが必要であり、授業実践をとおして教材活用の在り方を検討した。
 その結果、児童は、人と動物の呼吸を関連して追究したり、視覚的に確かめたりしながら呼吸について実感し、認識を深めることができた。このことから、工夫した教材・教具を授業の中で活用することの有効性が確かめられ、教材活用の在り方について明らかにすることができた。
13_05
小学校理科「水溶液」の学習において自然事象の理解を深める指導の在り方に関する研究
−酸性雨を素材とした実験教材の工夫をとおして−


研究の概要
 この研究は小学校理科「水溶液」の学習において、酸性雨を素材とした実験教材を工夫し、自然事象についての理解を深める指導の在り方を明らかにすることによって、「水溶液」の指導改善に役立てようとするものである。
 そのために、「水溶液の性質チェッカー」「酸性雨チェッカー」「酸性雨発生モデル装置」など、児童の興味・関心が高いと思われる酸性雨を素材とした実験教材を工夫した。さらに、それらを活用しながら、身の回りで起きている現象と関連付けた学習活動を進めていく指導試案を作成し、実践を行った。
 その結果、工夫した教材は、児童の主体的な学習を促し、十分な体験を通した学習活動を展開できることがわかった。また、児童は、実験の結果と身の回りの自然事象とを結びつけて考えることができるようになり、自然事象の理解を深めることが確かめられた。
13_06
課題追究の意欲を高める自己評価活動の在り方に関する研究
−小学校社会科における発展的な学習の構想に生かすポートフォリオの活用−


研究の概要
 この研究は、小学校社会科の学習において、発展的な学習の構想に生かすポートフォリオの活用を取り入れた指導により、課題追究の意欲を高める自己評価活動の在り方を明らかにすることを目的としている。
 そのために、児童一人一人が、それぞれの学習活動で積み上げた成果をポートフォリオとしてまとめ、それをもとに、今までの学習を振り返り、見通しをもって発展的な学習を構想することができるような自己評価活動を取り入れた指導試案を作成し、授業実践をとおしてその妥当性を検討した。
 研究の結果、授業においてポートフォリオを取り入れることは、児童にとって、発展的な学習を構想し、追究しようとする意欲を高めるうえでの重要な自己評価の手助けとなることが確認できた。このことから、本研究の指導の手だてが、課題追究の意欲を高める自己評価活動を行ううえで効果があることが確かめられた。
13_07
小学校社会科において調べて考える力を育てる学習指導の在り方に関する研究
−「ロール・プレイング」を活用した話し合い活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、小学校社会科において、「ロール・プレイング」を活用した話し合いをとおして、調べて考える力を育てる学習指導の在り方を明らかにすることを目的としている。
 そのために、.哀襦璽廚瓦箸膨瓦戮覲萋阿鮃圓Αその後、調べたことをシナリオにまとめ、「ロール・プレイング」(調べたことの劇化)で演じたり、見合ったりする活動を行う。さらに、自他の調べた内容の共通点や相違点を見いだし、その原因をとらえさせるような話し合いを行うという手だてを取り入れた指導試案を作成し、授業実践をとおしてその妥当性を検討した。
 その結果、児童は、自分たちの学習問題について調べてまとめたことをもとにして、社会的事象の意味や働きなどについて考えることができるようになってきた。このことから、小学校社会科において、「ロール・プレイング」を活用した話し合いは、調べて考える力を育てるうえで、効果があるという見通しをもつことができた。
13_08
総合的な学習の時間における情報手段の活用能力を育てる指導の在り方に関する研究

−情報通信ネットワークを活用した課題解決に取り組む単元の設定をとおして−


研究の概要
 この研究は、総合的な学習の時間において、情報通信ネットワークを活用した課題解決に取り組む単元の設定をとおして、情報手段の活用能力を育てる指導の在り方を明らかにし、小学校情報教育の充実に役立てようとするものである。
 そのために、総合的な学習の時間に、各教科の学習をとおして見つけた児童の興味・関心に基づく課題の中から、情報通信ネットワークの活用が有効と考えられるものを選択して課題解決に取り組める単元を設定し、実践をとおしてその有効性を検討した。
 研究の結果、情報を収集する力、情報を処理する力、情報を交流する力を高めることができた。また、情報手段の活用に関する意識を高めることができた。このことから、本研究の指導の手立ての工夫が、総合的な学習の時間における情報手段の活用能力を育てるうえで、効果があることが確かめられた。
13_09
総合的な学習の時間における情報活用の実践力を高める指導の在り方に関する研究
−情報通信ネットワーク等の活用をとおして−


研究の概要
 この研究は、総合的な学習の時間で情報通信ネットワーク等を活用し、情報活用の実践力を位置づけた学習活動を展開する中で情報の発信と自己評価をし、課題追究するという活動をとおして情報活用の実践力を高める指導の在り方を明らかにし、情報教育に役立てようとするものである。
 そのために、情報活用の実践力の構成要素を明らかにし、それらを課題解決型の学習過程に位置づけるとともに、指導の手だてとして児童には情報活用の実践力という観点で自己評価させ、まためでは情報通信ネットワークで広く発信し他からの評価を受ける場を設け、それをもとにさらに課題追究させる設定にした。作成した指導試案は実践をとおしてその有効性を検討した。
 研究の結果、指導試案に基づく授業実践によって、情報活用の実践力が高まり積極的に課題追究する姿勢が見られるようになったことが確認された。このことから、本研究における指導の手だての工夫が情報活用の実践力を高めるうえで効果があることが確かめられた。
13_10
学んだことを生活に生かそうとする態度を育てる算数科の学習指導に関する研究
−算数のよさに気づくことのできる算数的活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、小学校算数科において、算数のよさに気づくことのできる算数的活動を単元の指導過程に位置付けることによって、学んだことを生活に生かそうとする態度を育てる指導の在り方を明らかにし、算数科の指導に役立てようとするものである。
 そのために、単元の指導過程を三段階とし、それぞれに算数のよさに気づくことのできる算数的活動を位置付けた。課題を把握する「つかむ段階」に既習の内容と未習の内容の同意弁別、課題を追究する「わかる・できる段階」に既習事項を用いた外的な活動を主とする活動、学んだことを広げて用いる「つかう段階」に問題づくりや体験的な活動、発展問題の解決を行う算数的活動である。
 指導試案に基づく授業実践によって、進んで問題をとらえる力、見通しをもって解決する力、よりよいものを求めようとする力、学んだことをつかってみようとする力の育成が確認された。このことから、算数のよさに気づくことのできる算数的活動を取り入れた指導の有効性が確かめられた。
13_12
中学校国際理解教育におけるコミュニケーション能力の育成に関する研究
−参加型学習を用いた交流活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、参加型学習を用いた交流活動をとおして、中学校国際理解教育におけるコミュニケーション能力を育成する指導について明らかにし、中学校国際理解教育の指導の改善に役立てようとするものである。
 そのために、異なる文化や価値観をもつ人々と「文化を紹介し合う活動」「身体表現活動」「話し合い活動」の三つの交流活動を参加型学習を用いて行った。そして、それぞれの交流活動の後に行った自分が気づいたことや考えたことについてのふりかえりをとおして、コミュニケーション能力の基盤となるコミュニケーションを図ろうとする意欲の高まりについて検証した。
 その結果、異なる文化や価値観をもつ人々の考え方を受け止めたり、自分の考えを身体表現やことばを用いて表したりしながらコミュニケーションを図ろうとする姿が見られ、中学校国際理解教育におけるコミュニケーション能力の育成を図るうえで、本研究の手だての有効性が確かめられた。
13_13
自主的に活動しようとする意識を高める学級活動の在り方についての研究
−「For my school」活動の企画・実践をとおして−


研究の概要
 この研究は、中学校の学級活動において、学校全体の向上のための「For my school活動」を企画・実践することにより、自主的に活動しようとする意識を高める指導の在り方を明らかにし、学級活動の充実に役立てようとするものである。
 そのために、学校生活の状況についてのアンケートの集約から、自分たちができる活動を企画・実践し、活動後に自己及び相互評価を行い、お互いのよさを認め合うという手だてを取り入れた指導試案を作成し、実践をとおしてその妥当性を検討した。
 研究の結果、指導試案に基づく指導実践によって、他の立場に立って物事を考え、クラスの仲間とともに課題に取り組もうとする生徒の姿が認められた。このことから、本研究の指導の手だてが、自主的に活動しようとする意識を高めることに効果があることが確かめられた。
13_14
中学校国語科において話す・聞く能力を高める学習指導に関する研究
−話し手と聞き手の立場に立った言語活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、中学校国語科において、話し手と聞き手の立場に立って行う言語活動をとおして、話す・聞く能力を高める学習指導の進め方について明らかにし、国語の学習指導の改善に役立てようとするものである。
 そのために、ーらの話し方や聞き方を振り返り、効果的な話し方や聞き方を出し合う言語活動、⊃兇衒屬辰討錣ったことを生かし、相互評価し合う言語活動、B真与瑤料阿如∀辰靴燭衒垢い燭蠅傾腓ぁ∪果と課題を確認する言語活動を取り入れた指導試案を作成し、授業実践をとおして、その妥当性を検討した。
 その結果、生徒は、目標をもって言語活動に取り組み、アドバイスを参考にしながら、言語意識を明確にして話したり聞いたりするようになった。このことから、本研究の手だてが、話す・聞く能力を高めるうえで効果があることが確かめられた。
13_15
中学校社会科公民的分野「企業と生産」における課題解決に対する意欲を高める指導の在り方に関する研究
−教室内LANを活用したシミュレーション教材の開発をとおして−


研究の概要
 この研究は、教室内LANを活用したシミュレーション教材の開発をとおして、中学校社会科公民的分野「企業と生産」における課題解決に対する意欲を高める指導の在り方を明らかにしようとするものである。
 そのために、会社の経営を疑似体験し課題の追究段階で生徒に条件判断や意思決定を迫るような教室内LANの機能を活用したシミュレーション教材を開発した。さらに、開発した教材をもとに授業実践を行いその有効性を検討した。
 研究の結果、シミュレーション教材を用いた指導によって、生徒は経済的事象として会社の経営を実感的にとらえることができ、進んで学習に取り組もうとする姿勢が見られるようになったことが確認された。このことから、開発した教材は、課題解決に対する意欲を高めるうえで有効な手段の一つであるという見通しをもつことができた。
13_17
高等学校生物において科学的な自然観を育てる生物教材の開発に関する研究
−ダイズの生物現象を総合的にとらえさせる観察、実験を中心に−


研究の概要
 この研究は、高等学校生物の学習において、一つの生物が多様な生物現象を行っていることに対する関心や探究心を高め、その仕組みやはたらきを生物学的に探究できる教材を開発し、観察や実験に活用することで生徒の科学的な自然観の育成に役立てようとするものである。
 そのため、生徒に身近であり、酵素、同化、共生などの各種の観察や実験を可能とする生物の例として、ダイズを用いた教材を開発して系統的に活用することとし、授業実践をとおしてその有効性を検討した。
 その結果、生徒はダイズを生物教材とする複数の探究活動を行うことで、一つの生物が多様な生物現象に支えられながら生きていることへの理解を深め、生物現象を総合的にとらえることができるようになった。このことから、本研究で開発した教材を系統的に活用して授業をすることが、生徒の科学的な自然観を育てるうえで効果があることが確かめられた。
13_18
高等学校「数学基礎」における数学への興味・関心を高める指導の在り方に関する研究
−社会生活を数理的に考察するコンピュータ教材の開発をとおして−


研究の概要
 この研究は、高等学校「数学基礎」において、社会生活を数理的に考察するコンピュータ教材を開発し、授業実践をとおして、数学への興味・関心を高める指導の在り方を明らかにし、高等学校における数学教育の指導の改善に役立てようとするものである。
 そのために、人口増加の様子や元利合計の仕組みなどの社会生活に現れる事象を、数列や関数の考えを活用しながら、視覚的に認識したり結果を予想したりすることができるコンピュータ教材を開発した。さらに、この教材を授業実践に用いて、その有効性を検討した。
 研究の結果、生徒の意識の変容として、数学を身近なものととらえ面白さや楽しさを感じながら学習する意識が高まりつつあること、数学の考えを活用することのよさに対する意識や数学の有用性に対する意識が高まっていることが確認された。このことから、開発したコンピュータ教材は、数学への興味・関心を高めることに有効な手段の一つという見通しをもつことができた。
13_19
高等学校数学科における数学的な思考力を高める学習指導に関する研究
−作成した問題を班で検討する活動をとおして−


研究の概要
 この研究は、数学科の学習指導において、作成した問題を班で検討する活動を取り入れた授業実践をとおして、数学的な思考力を高める学習指導の在り方を明らかにし、高等学校数学科の学習指導の改善に役立てようとするものである。
 そのために、生徒が作成した問題を班で分類し、その分類した観点をまとめ、分類した問題と解決方法の対応を検討するという手だてを取り入れた指導試案を作成し、授業実践をとおしてその妥当性を検討した。
 その結果、問題の構造を把握し、自分たちの考えや話し合いをもとに、問題にはいろいろな考え方があることを理解しながら、問題解決の方向をとらえ、解決に必要な既習事項を選択し、考えを進めていくことができるようになってきたことが確認された。このことから、本研究の指導の手だてが、数学的な思考力を高める上で効果があることが確かめられた。

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