化学・粒子領域の教材紹介






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小学校 水溶液の存在を意識させる教材 
 2つの水溶液が,見た目では区別できないことを確認したのち,パンの袋の留め具をそれぞれ入れて観察すると,密度の違いから留め具は水道水に沈み,飽和食塩水には浮きます。この実験結果の違いから,水溶液の存在を意識し,学習意欲を喚起することができます。
【実験手順】
@ 2つの水溶液はどちらも無色透明で,見た目では区別できないことを確認します。
A この2つの水溶液に,パンの袋の留め具をそれぞれ入れて,観察します。
小学校 温度と物の溶け方の関係を調べる教材

 変化させる条件を溶かす固体の質量とし,固体が析出する温度を測る実験です。温度を一定に保つ困難さがなく,溶かしきる時間の節約ができ,条件制御についての意識をより高めることができます。

【実験手順】
@ 班ごとに,水に溶かす塩化アンモニウムの質量を決め,はかり取っておく。
A メスシリンダーで水50mLをはかり,ビーカーに入れる。
B ビーカーの水に,@の塩化アンモニウムをすべて入れる。
C 発泡スチロール容器にお湯を入れ湯浴とします。
D ビーカーを温めながら,ガラス棒でかき混ぜて,塩化アンモニウムをすべて溶かす。
E 塩化アンモニウムが完全に溶けたら,湯浴からビーカーを取り出す。
F 室温で保冷しながら温度計で溶液の温度をはかる。
G 溶液中に塩化アンモニウムの白い結晶が生じ始めたら、そのときの液温を記録します。
H C〜Gの操作を3回繰り返し,平均をとる。
小学校 水蒸気の水上置換実験【詳細】

 三角フラスコ中の水(お湯)を加熱し,気体誘導管を用いて水槽内の水に発生する気体を導く装置です。はじめは,三角フラスコ内の上部にあった空気が加熱され膨張しメスシリンダーに気体がたまります。
 しかし、水が沸騰し,三角フラスコの中ではさかんに気泡が発生し続けるようになると,メスシリンダーには気体がたまらなくなります。
 この現象を観察することで「沸騰する水に生じる気泡が空気ではない」ことに気付かせることができます。
小学校 水蒸気の凝縮観察実験器【詳細】

 プラスチックシリンジに活栓を接着したものと,三角フラスコのゴム栓に,そのプラスチックシリンジを連結できる栓をつけたものを用います。三角フラスコ内のお湯を加熱し,沸騰がさかんに起こったら,活栓を開いた状態のシリンジを三角フラスコの栓に差し込みます。すると,シリンジ内に水蒸気が入ってきてピストンが押し上げられます。そこで,活栓のレバーを閉じてシリンジをはずすと,ピストンはかなりの速さで下がってきて,気体の体積はほんのわずかとなり,シリンジ内には水のような液体がたまっていることが観察できます。
小学校 NaHCOの分解による定比例の法則の実験【詳細】

 炭酸水素ナトリウムをステンレス皿の上で加熱し,加熱前と加熱後の粉末の質量の関係を調べる実験です。班によって加熱前の粉末の質量を変えて実験し,結果を黒板の表に書かせ,各班のデータを共有させます。二つの量にどのような関係があるかは,表の数値を見ただけでははっきりしません。そのため,測定値をグラフに表す意義を見出させるように指導します。
 測定値は原点を通るほぼ一直線上に並び,加熱前の粉末の質量と加熱後の粉末の質量の間に明らかに規則性があることが実感できます。
 このように,生徒自身の実験から信頼できる結果が得られることにより,化学変化における質量変化の規則性について理解の定着を高めることができます。
小学校 簡易酸素測定器T

 使い捨てカイロは,中に含まれている鉄粉が空気中の酸素によって酸化され発熱します。900mLペットボトルの上部を切り取り,下部約13cmを残します。残した下部の容器(約600mL)の中に使い捨てカイロを入れ、水にかぶせると,鉄粉の酸化によってペットボトル内の酸素が減ります。酸素が減った分だけ水面が上昇し,空気中の酸素の割合が1/5であることを確認することができます。
 使い捨てカイロを用いて酸素の割合を測定する方法は,平賀・臼井(1988)や福島県教育センター教科教育チーム(2002)の実践はありますが,身近な素材を用い,簡単に空気中の酸素の割合を測定することができるように工夫しました。
 
小学校 簡易酸素測定器U

 本教材は100mlのプラスチック製シリンジ2本を使用し,空気中の酸素の割合を測定することができます。  100mLのプラスチック製シリンジの一方はそのまま空気採取用とし,もう一方は使い捨てカイロの中身をお茶パック(フィルター)に入れ密封したものをシリンジに入れ,酸素吸収用とします。空気採取用シリンジで100mLの空気を採取した後,2本のシリンジを連結し,採取した空気を酸素吸収用シリンジに送ります。すると,酸素吸収用シリンジ内のカイロの鉄粉が酸素によって酸化される。そこで減少した酸素量により空気中の酸素の割合を測定することができます。
 しかし,プラスチック製シリンジは,ピストンのゴムの部分と筒の内側の摩擦が大きいため,気体の弾性により大きな誤差を生じます。そこで,ピストンのゴムの部分にシリコングリースとシリコンオイルを混合させた潤滑剤を塗布することで摩擦を大きく減らすことができます。
小学校 簡易二酸化炭素測定器【詳細】

 本教材は,100mLのプラスチック製シリンジ2本を使用します。一方はそのまま空気採取用とし,もう一方は,脱臭剤用等の活性炭をお茶パック(フィルター)に入れ密封したものをシリンジ内に入れ,二酸化炭素吸収用シリンジとします。空気採取用シリンジで燃焼後の空気を100mL採取した後,2本のシリンジをシリコンチューブで連結し,採取した空気を空気採取用シリンジと二酸化炭素吸収用シリンジの間を往復させます。これによって,二酸化炭素が活性炭に吸着し,減少した体積分を二酸化炭素の割合として計測します。しかし、物の燃焼後の二酸化炭素の割合は3〜4%と少ないため、確実な操作が必要です。
 また,プラスチック製シリンジは、ピストンのゴムの部分と筒の内側の摩擦が大きいため,気体の弾性により大きな誤差を生じます。そこで、ピストンのゴムの部分にシリコングリースとシリコンオイルを混合させた潤滑剤を塗布することで摩擦を大きく減らすことができます。 
小学校 欲しいときに即、気体を取り出せるペットボトルを用いたキップの装置【詳細】

 ガラス製のキップの装置に代わるペットボトルを用いたキップの装置の開発を行いました(写真)。ペットボトルはペットボトルロケット等に代表されるようにさまざまな工作や自作実験器具の材料に用いられており,入手しやすいとともに耐圧耐蝕性にも優れています。考案した装置の原理はキップの装置と同じです。本体にペットボトルを用いているため安全性が高く,しかも純粋な気体が容易に得られます。また,ピンチコックでゴム管を閉じるだけで反応を自由にコントロールすることができます。ペットボトルとゴム栓,ガラス管等を接合させただけの簡単な装置で,接着剤を用いることもなく比較的短時間でかつ安価に製作することができます。

※「理科の教育」2001年11月号掲載教材
 
小学校
中学校
5分でできるフィルムケースと弁当用たれビンを用いた気体発生装置【詳細】

 自作の気体発生装置として乳酸菌飲料のビンやフィルムケースを用いたものは様々紹介され,活用されています。しかしそのほとんどが,接着剤を使用したり,ポリ管を加熱し加工したりするなど、手間が伴う場合が多いです。
 そこで,より,手間をかけずに短時間で身近にあるもので製作可能な気体発生装置の開発を行いました。本装置はフィルムケースと弁当用タレビン,そしてゴム管で構成され,穴を開けるだけの加工で容易に製作することができるのが大きな特徴です。
中学校 浮き沈みを通して密度を意識させる教材
ガラス製容器に入れた水の量の違いによって,水に浮かぶか沈むかを予想させます。異なる体積のガラス製容器を用いると,浮き沈みが質量と体積の両者に関係することを意識させることができます。また,容器の体積は,沈んだときの水の体積増加量に等しいことなどもあわせて学習することができます。密度の導入段階で,教師による演示実験用の教材です。
【実験手順】
@ 1000mLメスシリンダーに,約700mLの水を入れ,水面の高さにビニールテープで印を付ける。
A 教師用のガラス製容器を用いて,次の2つの演示実験を行う。
(a) 水を満たし密閉したガラス製容器をメスシリンダー内の水に静かに入れ,容器が水に沈むことを確認させ,上昇した水面の高さにビニールテープで印を付けておく。
(b) 水をまったく入れず空気だけを密封したガラス製容器をメスシリンダー内の水に静かに入れ,容器が水に浮くことを確認させます。また,浮いた容器をガラス棒などで押し,ちょうど全体が沈んだ状態にすると,(a)で付けた印と一致することを確認させて,質量は異なっていても体積は同じであることを確認させます。
B 班ごとにガラス製容器に入れる水の質量を変えて,Aと同様にして容器がメスシリンダー内の水に浮かぶか,沈むかを予想させます。
C 水の入った容器を,質量の小さい順にメスシリンダー内の水に静かに入れ,浮き沈みの様子を観察し,記録します。
中学校 質量と体積を測定し,密度が物質に固有な値であること理解する教材
同質量で,材質の異なる3種類の物質の体積をメスシリンダーに入れ,浮き沈みの違いを観察するとともに,体積を測定させて質量/体積を計算させます。実験結果から,物質によって質量/体積の値が一定していること,それが密度であることを理解させ,水の密度1g/cm3との大小関係によって,浮き沈みが決まることを学習し,密度の概念の理解をより深めることができます。
【実験手順】
@ 100mLメスシリンダーに約70mLの水を入れ,水面の高さの目盛りを読み,記録します。
A 班ごとに,アルミニウム,アクリル樹脂及び木の質量をそれぞれ測定し,同じであることを確認して記録します。
B @のメスシリンダー内の水に,静かにアルミニウム,アクリル樹脂及び木をそれぞれ入れ,浮き沈みの様子を観察します。
C Bで,水に物質が沈んだ場合は,その状態で水面の高さの目盛りを読み,記録します。
 一方,水に物質が浮かんだ場合には,浮いた容器をガラス棒などで押し,ちょうど全体が沈んだ状態にして水面の高さの目盛りを読み,記録します。
D @とCの目盛りの差から,物質の体積を計算します。
E Aの質量と,Dの体積から,それぞれの質量/体積を計算します。
中学校 状態変化による質量と体積の変化を測定する教材
あらかじめ体積のわかっている液体のロウが入ったビーカー全体の質量を測定し,氷水でビーカーを冷やして固体に変化させ,再び全体の質量を測定します。固体のロウの体積は,固体になりへこんだ部分に水を入れ,その体積をメスシリンダーで測定することにより求めさせます。それぞれの密度を計算させて,液体のロウへの固体のロウの浮き沈みを予想させるなどして,密度の概念や状態変化に伴う質量・体積・密度の変化について理解を深めることができます。
【実験手順】
@ 液体のロウが入ったビーカーは,液面の高さに事前に印をつけておきます。
A ビーカーに入った液体のロウの質量をビーカーごと電子天秤ではかります。
B ビーカーを氷水等で冷やして,ロウを固体にします。
C 固体のロウの質量をビーカーごと電子天秤ではかります。
D @の印の位置まで水を入れ,その水の体積をメスシリンダーではかります。
E 固体のロウをビーカーから取り出し,ビーカーの質量を電子天秤ではかります。
F Eの空のビーカーに@の印の位置まで水を入れ,その水の体積をメスシリンダーではかります。
G 液体・固体のロウの質量と体積を求め,密度を計算します。
中学校 化学変化における質量変化を調べる天秤【詳細】

 フラットバー(ステンレス製)は,厚さ2mm×幅10mm×長さ1000mmのもので,ホームセンターで購入できます。また,アルミ缶は,350mL の空き缶を底が上になるようにフラットバーに固定してあります。この教材は,アルミ缶Aに約1gの脱脂綿またはマグネシウムリボンを載せ,アルミ缶B側のフラットバーに小さな磁石をのせ、水平になるように釣り合わせた後に,脱脂綿またはマグネシウムリボンに点火し,燃焼後フラットバーがどちらに傾くかを観察させ,化学変化と質量の変化に興味・関心を持たせることができます。
中学校
高 校
茶こしを用いた低コスト燃料電池

 燃料電池は,気体の水素と酸素の化学反応から,直接電気エネルギーを取り出すことができるもので,環境に優しいエネルギー源として注目されています。その燃料電池を是非,間近で生徒に観察させ,その効果を実感させたいと考え開発したものがこの教材です。
 考案した装置はステンレス金網に100円ショップで購入した茶こしを用い,その上部にガス抜き用の管を取り付けたものです。その管にはゴム管を用いているので、使用時には,ピンチコックで閉じることができます。
 また,茶こしからはステンレス線が伸びており,電池の端子として機能します。触媒として白金黒メッキが施された茶こしの内部には,表面張力により、水素や酸素の各気体を漏らすことなく貯めることができます。
 そのおかげで電解液と白金黒メッキを施したステンレス金網との接触面が増え,より多くの電流を取り出すことが可能となっています。
高 校 「浄水モデル」を用いたコロイド溶液の学習【詳細】

 コロイド溶液の特性を決定付ける要因は二つあり,一つはコロイド粒子の大きさ、もう一つはコロイド粒子の帯電です。チンダル現象は前者の要因による特性の一つであり,凝析は後者の要因による特性の一つです。この凝析について,教科書などでは,「浄水場では、河川から取り入れた濁水に硫酸アルミニウムを添加して,コロイド粒子となっている粘土を凝析によって除去している」ことが話題として取り上げられることが多いのですが,実際に実験がなされることは少ないです。生徒にとって,水道水は最も身近な物質の一つです。自然の河川水などが浄水場において浄化され個々の家庭に配水されていることは,小学校の社会科などを通して学習しており,浄水場を見学している生徒も多いようです。したがって,コロイド溶液の性質を用いて,実際に浄水の過程を実験できる教材を開発し授業に取り入れれば,生徒の興味・関心を引き出し,学習意欲を高めることができると考えました。また,コロイド粒子とその凝析について,実感を伴った理解ができるものと期待できます。

                                      岩手県立総合教育センター理科教育担当 2016