小学校第6学年 総合的な学習の時間学習指導案 ネットワークの世界へ飛び出そう!!
期 間 | 平成13年9月6日〜10月9日 |
児 童 | 遠野市立遠野北小学校 第6学年59名 |
場 所 | 遠野市立遠野北小学校 コンピュータ室 |
指導者 | 菅 原 智 章 |
T 単元名「ネットワークの世界へ飛び出そう!!」
U 単元設定の理由
今日の急激な情報化社会の進展に伴い、児童が社会の情報化に対応できるような資質や能力を身に付けることが重要視されている。そのためには、情報教育を充実させ、情報活用能力を育てることが大切である。この能力を育成するため小学校では、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ、適切に活用する学習活動を充実させることが求められている。
本単元では、各教科の学習をとおして見付けた児童の興味・関心に基づく課題のなかから、情報通信ネットワークの活用が有効と考えられる課題について、課題解決を行うことにした。それは、この活動をとおして、情報を収集すること、情報を処理すること、情報を交流することを体験させるのに適した内容となるからである。
本校の児童は、コンピュータや情報通信ネットワーク等以外の情報手段、例えば新聞や事典、インタビュー等をとおして情報を収集し処理してまとめ、学級内や学年内で交流してきた。しかし、情報通信ネットワークという情報手段を活用して学習を進めたことはないため、情報手段の活用能力が十分に育っているとはいえない。
本単元では、今年度から整った環境を生かし、情報手段の活用能力を育てることをねらいとしている。具体的には、ホームページで、多くの情報、最新の情報、映像や音声の情報を探したり、電子メールで、具体的に質問して情報を得たりし、見付けた情報が必要かどうか判断しながら情報を収集する力、著作権について理解し、課題に沿って発表する資料を作成する過程で、収集した情報を見直し、その情報のなかの必要な部分だけを取り出して加工したり、自分の感想等を付け加えたりして、情報を処理する力、 ネットワークのエチケットを理解し、情報を収集したり処理したりする過程で、校外の様々な人たちと情報交換をしたり、まとめた情報をもとに校内の友達と情報交換をしたりする力(交流する力)を育てることをねらいにしている。そのため、情報の収集、処理、交流を指導過程に順序立てて組み入れるようにする。
V 単元の目標
課題解決に向けてコンピュータや情報通信ネットワーク等を活用して情報を探し、見付けた情報が必要かどうか判断しながら情報を収集し処理できるようになり、校外の様々な人たちや校内の友達と、情報を交流できるようになる。
W 単元の指導計画(全12時間)
段 階 | 学習活動 | 指導上の留意点 |
つかむ (導入) 2時間 |
○ 学習の見通しをもつ。 ・学習の順序 ・2人組 |
・単元の時間数と学習の流れを知らせ一人一人が学習に見通しをもてるようにする。 ・同じコンピュータで学習するパートナーを決め、教え合いながら学習を進められるようにする。 |
○ 情報通信ネットワークのよさに気付く。 | ・教師が検索事例をいくつか提示し、「情報の多さ」、「新しさ」に気付かせるようにする。 | |
○ 情報通信ネットワークのよさを生かせる課題を設定する。 | ・情報通信ネットワークのよさを意識させ、課題を決定させる。その後、パートナーと課題を知らせ合う時間をとり、そのよさを生かしているか児童が確かめられるようにする。 | |
○ ブラウザの操作に慣れる。 | ・「北小HP」を出発点とし、HP閲覧のための必要最小限の操作のみの指導を行うことにより活動時間を確保し、ブラウザの操作の仕方を体験的に理解できるようにする。 | |
調べる (展開) 6時間 |
○ 情報通信ネットワークを活用して情報を探し、必要かどうか判断しながら情報を収集する。 | ・「北小HP」を利用しながら、各時間ごとに調べ方を限定して指導し、活動時間を確保することで、情報通信ネットワークを活用した調べ方を、体験的に理解できるようにする。 |
○ HP上で分からないことについて、電子メールを利用して情報を得る。 | ・ネチケットの指導でも、「北小HP」を利用して十分に指導し、学級内で練習することで、電子メールの送受信の仕方とともにネチケットについても体験的に理解できるようにする。 ・HP作成者へ、質問だけでなくお礼の電子メールも送信できることを知らせ、積極的に情報通信ネットワーク上で交流できるようにする。 |
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○ 方法を選択して、必要な情報を収集する。 | ・方法を選択して活動できる時間を1単位時間設け、児童が主体的に活動できるようにする。 | |
整理する (まとめ) 3時間 |
○ HPから必要な情報を取り出して使うことの承諾を得る。 | ・取り出し方を短時間で指導し、活動時間を確保することで、情報通信ネットワークを活用したまとめ方を体験的に理解できるようにする。 ・著作権について指導し、著作権を尊重して資料を作成できるようにする。 ・「北小HP」の例文を活用させ、使用承諾願いの電子メール作成を短時間で行えるようにする。 |
○ 集めた情報の中から、必要な部分だけを取り出す。 | ・加工方法は、イメージをもたせるための紹介程度とし、活動時間を確保することで、コンピュータを活用したまとめ方を体験的に理解できるようにする。 | |
○ 資料を加工し、完成させる。 ・感想や考えの記入 |
・学習を振り返らせ、感想や考えをもたせるようにする。 | |
広める (まとめ) 1時間 |
○ お互いの資料を見せ合い、電子メール等の交換をとおして交流する。 | ・ネチケットについて確認し、気持ちよく交流できるようにする。 |
X 各時間の展開案
第1次 導入 つかむ段階 (1/2)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 10分 |
1 単元の目的や進め方を知る。 | ・単元の目的や単元全体の流れについて、資料を提示して説明をする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
2 パートナー及びグループを決める。 | |||
3 本時の学習課題を知る。
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展 開 25分 |
4 情報通信ネットワークのよさに気付く。 ・多い ・新しい |
・様々な分野のHPをみせ、多くの情報を収集できることを実感させるようする。 | 教師 ・検索エンジン (Google) 児童 ・各自のファイルを開き、テーマを書き込み保存 |
5 よさを生かした課題を決める。 |
・パートナーとの対話により、「よさ」を生かせる課題を決められるようにする。 | ||
6 グループで課題を交流し、検討を加えた上でテーマを確定する。 | ・「よさ」を生かした課題を決めることができたか。 | ||
ま と め 10分 |
8 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、本時を振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
9 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第1次 導入 つかむ段階 (2/2)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 5分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「調べる段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 35分 |
2 情報を閲覧するためブラウザの操作の仕方を知り、2人組で体験する。 | ・「リンク有の表示」「戻るボタン」「スクロールの仕方」について指導し、情報を見付けることができるようにする。 | 児童 ・「北小HP」を開く ・ブラウザの操作 ・ブラウザの終了 |
3 ブラウザを開き、情報収集する練習をする。 (2人組) |
「北小HP」(公開予定なし)を使わせ、基本の操作ができるようにする。 | ||
ま と め 5分 |
4 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、情報を収集するための方法が分かったか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
5 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第2次 展開 調べる段階 (1/6)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 5分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「調べる段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 35分 |
2 情報を収集するため、「お気に入り」の操作の仕方を知る。 | ・「北小HP」上の「ホームページの利用の仕方」を使い、「お気に入り」の追加の仕方を理解できるようにする。 | 児童 ・「北小HP」を開く ・ブラウザの操作 ・リンク集への行き方 ・お気に入りに登録、開く、削除 ・ブラウザの終了 |
3 「教育センター」等のリンク集を開き、自分の課題に沿ったHPを見付ける。 | ・リンク集を掲載しているホームページを活用させ、課題に関連したページが見付けられるようにする。 ・詰まってしまった児童には、他のリンク集を示す。 |
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4 自分の課題に迫る情報が含まれているHPを「お気に入り」に登録する。 (5分交代) |
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ま と め 5分 |
5 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、必要な情報を収集することができたか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
6 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第2次 展開 調べる段階 (2、3/6)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 5分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「調べる段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 5分 65分 10分 |
2 さらに情報を収集するため、検索の仕方を知る。 ・カテゴリ ・キーワード ・アドレス入力 |
・「北小HP」上の「ホームページの利用の仕方」を使い検索の仕方を理解できるようにする。 | 児童 ・「北小HP」を開く ・ブラウザの操作 ・検索の仕方 ・アドレス ・お気に入りに登録、開く、削除 ・ブラウザの終了 |
3 自分の課題に迫る情報が含まれているHPを「お気に入り」に登録する。 (8分交代:1人4回) |
・見付けることができない児童には、他のリンク集を示す。 ・操作をしていないときは、パートナーをサポートさせる。 |
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4 「お気に入り」のリストやそのHPを見せ合い、学習の成果をグループ内で発表し合うとともに、今後、深めたいことを確認する。 | ・発表の例を示し、課題にどれだけ、迫ってきているかについての発表ができるようにする。 | ||
ま と め 5分 |
5 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、必要な情報をさらに収集できたか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
6 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第2次 展開 調べる段階 (4、5/6)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 5分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「調べる段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 5分 30分 10分 35分 |
2 自分の課題に迫るため、電子メールの仕方を知る。 ・ネチケット ・送受信 |
・「北小HP」上の「電子メールの利用の仕方」を使い、理解できるようにする。 | 児童 ・「北小HP」を開く ・メールソフトの操作 ・メールソフトの終了 |
3 教室内で、ネチケットに気を付けたメールを作成し、電子メールの交換をする。 ・パートナーへ (アドレスは自機) ・向かいの人へ (パートナーと一緒に) ・向かいの人からのメールに返信 ・先生へ ・その他(終わった人) |
・ネチケットに配慮しているか確かめさせながら進めさせ、ネチケットについての理解を深めさせるようにする。 ・操作をしていないときは、パートナーをサポートさせる。 |
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4 自分の課題に迫るための質問や必要な情報を見付けることができたお礼の電子メールを発信する。 ・質問 ☆ページへ ☆掲示板へ ☆質問のページ ・お礼 |
・外部へのメールに目を通し、ネチケットに配慮しているものを送信する。 | ||
5 リンク集を使ったり検索したりしながら、さらに情報の収集を行う。 (パートナーと、交代のルールを決める) |
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ま と め 5分 |
6 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、電子メールを使って情報を収集できたか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
7 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第2次 展開 調べる段階 (6/6)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 2分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「調べる段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 40分 |
2 さらに課題に迫るため、HPを閲覧したり、質問メールを送ったりする。 (10分交代:1人2回) |
・外部へのメールに目を通し、ネチケットに配慮しているかチェックしてから送信させる。 | 児童 ・方法の選択 ・その操作 |
ま と め 3分 |
3 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、必要な情報をさらに収集できたか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
4 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第3次 まとめ 整理する段階 (1、2/3)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 5分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「整理する段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 40分 40分 |
2 著作権について知る。 ・著作権の意味 |
・第6時で使った「北小HP」のページを使い、課題についてまとめるときに著作権を尊重する必要があることを理解させる。 | 児童 ・メールソフトの操作 ・メールソフトの終了 ・「お気に入り」のページを開く ・自分のワープロファイルを開く ・コピー&ペースト ・ソフトの切り替え ・ファイルの保存 ・ソフトの終了 |
3 承諾をとるための方法を知る。 | ・使用承諾のための電子メールを例示し、自分が使用承諾をとるための参考となるようにする。 | ||
4 まとめの資料を作成するため、情報を取り出して、整理する方法を知る。 ・コピー&ペースト |
・「北小HP」上の「情報の保存の仕方」を使い、理解できるようにする。 | ||
5 情報の整理をする。 (5分交代:1人4回) |
・操作をしていないときは、パートナーをサポートさせる。 | ||
ま と め 5分 |
6 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、課題について収集したことを整理するため、使用承諾をとる電子メールを作成できたか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
7 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第3次 まとめ 整理する段階 (3/3)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 2分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「整理する段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 40分 |
2 課題について調べた情報を見やすくまとめるときの工夫の仕方について知る。 ・画像の大きさ ・フォント ・内容 |
・加工できる方法を画面で紹介し、工夫できるようにする。 | 児童 ・自分のワープロファイルを開く ・ドラッグ ・フォントの調整 ・ファイルの保存 ・ソフトの終了 |
3 情報の整理をする。 (10分交代:1人2回) |
・操作をしていないときは、パートナーをサポートさせる。 ・感想をまとめさせておく。 |
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ま と め 3分 |
4 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、必要な情報をまとめることができたか振り返れるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの終了 |
5 次時に学習することを確かめる。 | ・導入での資料を再度提示し、確認できるようにする。 |
第3次 まとめ 広める段階 (1/1)
段階 | 学習活動 | 教師の支援 | 情報手段の活用 |
導 入 2分 |
1 本時の学習課題を知る。 | ・導入での資料を提示し、「広める段階」の内容を確認し、今日の課題を知らせ、学習のイメージをもたせるようにする。 | 教師 ・資料提示 児童 ・コンピュータの起動 |
展 開 40分 |
2 友達の資料を見る。 | 児童 ・学校のページを開く ・友達のページを開く ・感想を送る ・感想を受ける ・感想に対して返信する |
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3 友達に感想を送る。 ・向かいの人に (パートナーと一緒で2人へ) ・もう一人 (個人で感想を送りたい人へ) ・来たメールに感想を返信する。 |
・感想の観点を提示し、まとを絞った感想を送れるようにする。 | ||
ま と め 3分 |
4 本時のまとめをする。 | ・簡単な学習シートを用意し、友達の資料を閲覧したり、感想を伝えたりすることができたか振り返れるようにする。 | 児童 ・コンピュータの終了 |