第6学年総合的な学習の時間学習指導案
日 時 平成13年9月12日(水) 10:45〜12:15 児 童 西根町立平舘小学校 第6学年 1学級 指導者 高 橋 邦 彦
※指導計画および学習指導案は、平成13年度岩手県教育研究大会で発表された資料の一部です。 |
1 指導計画 |
指導実践で取り扱う題材は「草木染めをしよう」であり、学習過程の三つの各段階でいろいろな技法の染 め方を体験したり追究したりする学習活動である。 私たちの身の回りには、多くの草木があり、その形や色によって様々な感じを抱かせてくれる。草木染めは、そのなかでも特に色の美しさや変化に焦点をあてた学習活動である。染色にあたっては、染色の回数や時間、媒染の種類や濃さによって染めあがりが変わってくる。植物本来の色だけでなく、化学反応によって発色するからである。染めあがるまでは、どのように染まるかはっきりと分からず、想像もしない色合いに染まることがある。これらをふまえ子どもたちの技能に合わせて活動ができるように素材を設定したのが今回の活動である。さらに、板染めや絞り染めなどをすることにより、子どもたちの学習活動に一人一人の工夫が生かされ、学習活動に工夫する喜びと造形活動という条件も加えられる。また、自分たちが追究し分かったことやできるようになったことを他の人に伝え、共に活動をすることも予定している。「草木染め」は、自然に親しむことから環境や伝統に目を向けていくことをねらいとした学習活動である。秋は、もみじ・いちょう・つたなど秋に色づく草木で染めるのが楽しい。草木染めをしていると四季の変化を目で、鼻で、手で敏感に感じることができる。その季節季節を感じることができるような学習活動につながるようにしたい。また、この学習活動の発展として地域の伝統工芸であるむらさき染め地熱染めにも目を向けさせたい。 本題材は、体験活動から自らが計画した追究活動、そして情報の発信を通して受け手との交流活動と広が りのある学習活動が予想される。さらに、西根町の花であるむらさきの花を栽培して染色をするなどの活動 の発展も考えられる。また、学習活動の過程で〈活動→まとめ→計画・修正・改善→活動→まとめ〉が繰り 返させることによって、児童の学習活動に対する見通しがより確かなものになると考えられる。 |
(1) 指導試案に基づく指導計画 指導試案に基づき、予想される学習活動と評価活動を想定するとともに教師の果たすべき役割を明確に し、指導計画を以下のように作成した。 |
段 階 | 基本的な学習の流れ | ( ) は時数 |
学習活動 評価活動 |
指導上の留意点 ☆学習活動にかかわること ★評価活動にかかわること |
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課 題 把 握 |
1 課題発見のための体験 2 課題設定 3 追究計画作成 |
(2) | ○オリエンテーションと題材との出会い ・学習の流れと進め方の確認をする ・題材との出会い
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☆自分で課題を設定し、追究する意義を教える ★学習活動を振り返り、学習活動を改善・修正していく意義を教える ☆課題発見の体験活動は、短時間で児童の興味・関心が高まるように工夫する ★作品は学習の成果をまとめるときに追究活動@・Aと比較するために記録として残しておく |
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(1) (1) |
○全体テーマから自分の課題を検討・決定する ・いろいろな草木染めについて知り、自己課題を考え、視点@にそって検討・決定する
○自己課題に基づいて学習活動の計画書を作成する ・学習活動の計画を立て、視点Aにそって検討する
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★自分の目標を設定させ、記録表に記録するときの自分の評価規準の一つとする ☆視点にそって検討する場合は、個人・グループ・学級全体と段階を重ねながら、一 人一人の考えを深めさせて いく ☆自分が使う材料を、いつ・どこ で・どのくらい集めるか の計画も立てさせる ★計画書は、たえず振り返り ができるように工夫する |
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課題追究 | 4 追究活動@ 5 中間発表 (資料−10参照) 6 追究活動A |
(2) (1) |
○自分の計画書をもとに追究活動@をする ・小グループをつくり、いろいろな染め物をして干す 〈予想される追究活動〉
・活動記録表の欄にある活動記録・自己評価・次時の予定については、適時考え、記入する ・活動内容を交流し、相互評価をする |
☆自己課題を追究する場合は、自分が染めている物で比較したり、他の人が染めている物と比較をしたりしながら追究の見通しをもたせる ☆追究方法が類似している児童ごとに小グループをつくり、協力をしながら追究活動をさせる ☆染め直しができるように、多くの布を用意する ☆児童が自ら支援を求められるように記録表の工夫と補助カードを作成する ★計画書はたえず振り返りができ、修正・改善ができるように工夫する |
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○染め物にアイロンをかけ、作品の交流をし、まとめる
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★交流は自由にさせ、相互評価をさせる ★作品は学習の成果をまとめるときに体験活動・追究活動Aと比較するために記録として残しておく |
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(2) | ○学習活動を振り返り、発表をして相互に交流する ・発表をし、次の追究活動について話し合う ・計画書の修正・改善をし、視点BCにそって検討する
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★追究方法が類似している児童の小グループごとに計画書を修正・改善させ、個別・グループ別・全体の交流を通して追究活動Aの見通しをもたせる | ||||||
(2) | ○自分の計画書をもとに追究活動Aをする ・小グループをつくり、いろいろな染め物をして干す 〈予想される追究活動〉
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☆追究活動@の成果を展示し、自ら追究する意欲を図るように工夫する ☆活動日に材料がそろうように前日に個々の材料を確認する ☆当日の活動で終わらない児童は前日から準備させる ☆どんな色に染まるか、何度も調べられるように小さな四角い布を用意する ★記録表には、意欲を喚起するようなコメントを書く |
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(1) | ○染め物にアイロンをかけ、作品の交流をし、まとめる
活動内容を交流し、学習活動の記録をする |
★交流は自由にさせ、相互評価をさせる ★作品は学習の成果をまとめるときに体験活動・追究活動@と比較するために記録として残しておく |
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学 習 の ま め |
7 成果のまとめ 8 発信 9 発展 |
(3) | ○これまでの集積した成果を整理し、まとめ、活動を振り返る ・成果を整理し、掲示用と発表用にまとめる
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☆まとめ方については、掲示用と発表用にまとめ、新たな追究の見通しがもてるように工夫する | ||||
(2) | ○これまでの成果を発表し、発信の可能性について話し合う ・発表して、意見交流をする ・発信の可能性を視点Dにそって検討する 〈予想される発信先〉
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☆発信先については、事前に可能と思われるところを調べておき、把握しておく ★発信の可能性について話し合い、学習活動の意欲を高める ★いくつかの発信先に作品の展示と、感想の記入を依頼する |
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(3) | ○発信の結果から、新たな課題について検討をする ・発展の可能性を視点Eにそって検討をする ○学習活動を振り返り、まとめ、新たな課題を見付ける
・新たな課題を発見し、まとめる |
★感想を発表し、自他のよさを認め合う ☆個々の新たな課題は、学級全体で集約し、次に取り組む個人研究の手がかりにする |
課題追究「中間発表」の活動場面の指導案 |
1 本時の活動
(1) 活動場面
課題追究の段階−中間発表(2時間)
(2) 活動のねらい
・ これまでの学習活動について学習記録表や作品などを通して振り返り、自己やお互いのよさに気づく。
(本時)
・ これまでの学習活動から自己の新たな課題をみつけ、追究の方法を考え、計画書の修正・改善をして新たな追究の計画を進んで立てようとする。
(3) 研究とのかかわり
・ 本研究では、追究する意欲が高まった児童の姿を「自らの学習活動を振り返り、自ら課題解決の方法を考え、自己の目的を達成するまで追究しようとする児童」ととらえいる。そこで、本時は自己評価や相互評価などを活用して、自己やお互いのよさに気づかせ、児童自らが学習活動の内容や方法を吟味し、これからの学習活動の方向性を明らかにすることにより、自ら追究する意欲が高まるのではないかと考えた。
(4) 本時の学習活動
学習活動 予想される児童の反応 |
指導上の留意点 主発問 |
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1 前時までの活動を振り返る (1) 活動記録表、作品を活用し振り返る
(2) 交流カード、作品を活用し相互評価をする
(3) 困ったこと、気がついたことを発表する
(4) 改善方法を考える
2 新たな課題について考える (1) 追究活動の方法について知る (2) やってみたいことをまとめる
(3) 学習計画書を書く (4) グループ分けをし、計画書を検討する
(5) 次時の活動のついて知る (6) 活動記録表をまとめる |
○評価情報として、活動記録表・作品・相互評価資料を活用する
○活動の過程で子ども同士が互いによいところを認め合ったり、うまくできないところを助言しあったりできることは、学習活動の意欲を高めることになると考えられるので、教師も積極的にかかわり相互評価・相互支援の雰囲気作りを大切にする
○発表されたことは、板書をして改善方法を考える観点とする
○改善方法は、新たな課題や追究方法を考えるときの手がかりとする
○前時までの活動の他にどんな活動が考えられる貸料をもとに紹介する
○児童一人一人の考えを大切にし、やってみたいことをまとめさせる
○評価情報をもとに個別に支援をする
○視点B・視点Cをもとに計画書の検討をさせる ○終った児童から個々に確認し、課題を決定させる
○日程や当日までにやることを説明し、記録させる
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