期 間 | 平成11年8月25日〜9月30日 |
児 童 | 西根町立渋川小学校5年 |
男子2名 女子6名 計8名 | |
指導者 | 川越 浩子 |
大豆は、栽培の仕方、栄養性や原材料となる加工食品、日本の食糧事情など、実に様々な観点から追求活動ができる題材である。
本単元では、自分たちの育てている大豆で何かを作りたいという児童の思いを大切にしながら、これらの追求活動から疑問にもったことを本だけでなく、いろいろな方法で追求活動を繰り返すなかで、豆腐に着目させ、実際に作ったり、歴史を調べたりするなかで、日本の代表的食品として発展してきた特徴に気づかせたい。
また、本校のある渋川学区は、戦後血のにじむような開拓によって築きあげられたところであり、「子どもたちに学校を」という強い願いのもと地区民自ら木を切り学校を作ったという歴史がある。入植当時、荒れ地に育ったのは、豆類だけだったという。買い物をするにも店まで遠く、自給自足の生活で近所で協力し合って、豆腐や味噌などを作っていたそうである。そこで、昔の人は豆腐をどうやって作っていたのか関心をもたせ、家族や地域の人から調べたり、実際に昔の豆腐作りを体験したりする活動を行うことは、そうした歴史を知り、先人の知恵に学ぶことができると考える。また、この学習をとおして、ふるさとを知り、伝統を見直す心、自分たちのふるさとを見つめる目を育てたいと考える。
子どもたちは、これまで、理科の発芽実験をきっかけに農園で栽培している大豆について、「大豆博士になろう」と栽培の仕方や歴史、調理方法などについて本で調べる追求活動を行い、大豆についての知識を深めたり、日本の食糧事情を考えたりするようになった。しかし、興味関心をもって追求活動に取り組むものの、その方法が単一的であったり、積極的な児童に頼ったりしがちなところもみられた。
そこで、本単元の指導にあたっては、1学期の活動を想起して課題をみつけ、子どもの願いを大切にしながら様々な方法で主体的に追求活動を行い、自ら資料の収集・分析を行ったり、お互いの考えを交流したりする活動をとおして、総合的な学習におけるよりよい課題解決の能力を育てていくようにしていきたい。
大豆食品を作ったり特徴を調べたりする活動をとおして、大豆のもつたくさんの魅力や 先人たちの知恵のすばらしさに気づき、自分のふるさとを見つめようとする態度を育てる。
(ア) 自分の課題をみつけることができる
(イ) 学習計画を立てることができる
(ウ) ふり返る活動について方法がわかる
時間 | 児 童 の 活 動 | 支援・留意点 | |
|
|||
20分 |
・発表を思い出す ・感想を各自書く |
・発表で使ったまとめなどを掲示し、自分のグループだけでなく、他のグループの発表も思い出させる ・感想を書く視点 どんなことがよかったか わかったことは何か |
|
・内容を整理する ・整理した感想を参考にしながら、これからやってみたいこと調べたいことを各自考える |
・進行は教師が行う ・子どもの発想を大事にする |
||
30分 |
・やってみたいこと調べたいことについて、似ているものをまとめる ・小課題別のグループを作る |
・進行は教師が行う | |
20分 |
|
・カードに記入させる ・報告会の期日を知らせる ・無理のないように計画を立てるよう助言する |
|
場面の設定の仕方 方法 カードの使い方 ノートの使い方 |
・実際にカードを提示しながら説明する |
(ア) 自分なりの方法で調べたり実習したりすることができる
(イ) ふり返り活動ができる
時間 | 児 童 の 活 動 | 支援・留意点 | |
1h |
|
||
・材料の準備をする ・わからないことがでてきたとき調べる方法を考える |
・四つのグループに分かれ、それぞれ活動をさせる どうしたらいいかわからないグループには相談にのりながら支援する |
||
|
・まとめるために何を残すかを記述させる | ||
2h |
・大豆の料理と大豆から食品を作る それぞれのグループに分かれ、実習する 大豆の料理 ・・・炊き込みご飯 フレッシュビーンズ 大豆から食品・・・豆腐 油揚げ ・試食をする ・班ごとに紹介をする |
・安全に留意して実習させる 活動の様子を観察し、言動について記録しておく 体験する喜びを大切にする |
|
・ふり返りの観点6項目のうち記入できるものを選び記入する ・何を残すかについては、グループ二人で話し合い、記入することとする |
・よかったところ、困難だったところ、疑問点を明らかにさせる ・二人で話し合うとき、めあてを意識させるようにする ・カードについては、必ず目をとおし意欲を喚起するようにコメントをする |
||
|
・報告会に向けて簡単にわかりやすくまとめるように助言する ・実習して特に思ったことや実習に至るまでに調べてわかったことなどをまとめるようにさせる |
||
1h |
|
||
1h |
・次の課題についても考える ・話し合いを行い、全体の課題を設定する |
・記入する時間はゆとりをもつ ・新たな課題をみつけるように働きかける ・これまで記入してきたカードも見直しながら、全体的にふり返りができるようにする ・クラスのテーマ「大豆博士のアドベンチャー」ということを常に頭に入れて、実習をしてでてきた疑問やこんなことをやりたいという意欲を大事にしながら、学級の課題を設定させる ・個人の課題については、次の時間に設定させる |
(ア) 自分なりの方法で調べたり実習したりすることができる
(イ) ふり返り活動ができる
(ウ) 必要な情報の収集選択をすることができる
時間 | 児 童 の 活 動 | 支 援・留 意 点 | |
4h |
|
||
・一人ずつ発表した後、課題別のグループを編成する ・学習の計画を立てる めあて、調べる方法など考える |
・学級の課題『 豆腐博士になろう』から大 きくずれていないか確かめ、助言する ・発表会の期日を決めて、それまでに自分達で進めていくようにさせる ・昔の豆腐作りについてがほとんどだと思うのでその中でも聞きたいことは何か、 一人一人はっきりさせる |
||
・工藤さんの家に電話をして訪問する 計画を立てる ・インタビューする内容を考える ・記録のさせ方を工夫する |
・訪問のお願いの仕方を練習させる ・工藤さんには事前にお願いをしておく |
||
・ノートにまとめる |
・計画にない疑問についてもその場で聞いて明らかにするように事前に助言する ・写真やビデオなど記録の取り方を子ども達と考えながら決め、教師の方で行う |
||
|
・次の課題を明らかにさせて、自分で活動を進めることができるように助言する | ||
5h |
・豆腐作りの準備をして、工藤さんに教えてもらいながら、豆腐を作る ・ノートにまとめる |
・記録は子どもたちにさせる ・実際に作ってみての感想を詳しく記入させる |
|
|
・次の課題を明らかにさせて、自分で活動を進めさせるようにする | ||
5h |
|
・ふり返りをもとに学級の課題『豆腐博士になろう』についての課題を考えさせる | |
・課題別のグループを編成する |
|||
めあて、調べる方法などを考える ・各自の計画に基づいて追求する |
・各グループに分かれての活動となるので何を調べるのか把握すると共に学校外での活動では安全面に留意させる
・自分たちで活動を進めさせるようにする |
||
|
・わからないことをはっきりさせるように追求活動を進めていくようにさせる | ||
3h |
|
・まとめているときのつぶやきや、グループごとの話し合いを記録しておく |
(ア) 工夫して発表することができる
(イ) 相互評価することができる
(ウ) 新たな課題をもつことができる
時間 | 児 童 の 活 動 | 支 援・留 意 点 | |
1h |
|
||
・自分の課題についても一緒に発表する ・1つのグループの発表が終わるごとに質問や感想を言うようにする |
・ともだちカードには、発表を聞いている間メモ程度に書くようにさせる ・事前にまとめたものは教室内に掲示しておき、目をとおしておくようにさせる ・進行は児童が行う 会の進め方を事前に指導する |
||
1h |
観点 〇わかったことは何か 〇もっと調べてみたいことはないか 〇次の課題を何にしたらいいか 〇感想 |
・『これからやりたいこと』の項目については、自分だったら、こんなことをやってみたいということについて記入させる
・自分の発表したことだけでなく、全部の発表についてわかったことを記入させる |
|
1h |
・感想を発表する ・次の新しい課題について話し合い、新たな課題を設定する |
・自分の考えを出し合わせながらまとめさせる ・感想について足りないところや調べ方など教師の方で言葉を補うようにする |
|
|