第2学年 算数科学習指導案

期 間   平成12年9月12日〜27日
対 象   金ヶ崎町立三ヶ尻小学校平成12年9月12日〜27日
  第2学年 男子6名 女子9名 計15名
授業者   菅原好子(長期研修生)

1 単元名 三角形と四角形(東京書籍「新しい算数2年 下」)

2 単元について

(1) 教材観

 「図形」領域は、算数的活動をとおして、基本的な平面図形や立体図形について理解できるようにし、図形についての豊かな感覚を育てるとともに、問題解決の場面で図形の定義や性質を活用して、適切に判断し的確に表現したり、処理したりできるようにすることを主なねらいとしている。また、図形の学習をとおして、論理的な考えの進め方を知り、用いることができるようにすることも重要なねらいである。第2学年の図形指導では、具体的な操作活動をとおして、身の回りの具体物を基本的な平面図形(三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形)に抽象していくことが中心となる。

(2) 児童観

 児童は、第1学年で、身の回りにある具体物を「さんかく」「しかく」「まる」ととらえている。そのなかで、「さんかく」「しかく」「まる」を全児童が弁別できるようになっている。しかし、与えられた形を模倣してかく活動で、頂点の数はとらえられるが辺の長さや位置関係をとらえられない児童は9人である。このことから、児童は、頂点の数をもとに図形をとらえているといえる。

(3) 指導観

 本単元では、観察、構成、分解などの活動をとおして、三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形の概念を理解することをねらいとする。
このことを次の手順で指導する。
 始めに、図形についての学習課題や学習問題をもたせるために、児童個々の観点の違いに注目させながら、身の回りのものを「さんかく」と「しかく」に分類させる。
 次に、三角形と四角形を定義させるために、様々な三角形や四角形を直線や角の数の関係に着目して弁別する活動と作図をする活動を行う。
 そして、正方形、長方形と直角三角形を定義させるために、ノートや折り紙などの角を重ね合わせる活動と三角定規を用いて直角調べをする活動で直角を理解させ、四角形や三角形を角と辺の長さに注目して分類する活動を行う。
最後に、三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形の概念を深めさせるために、図形の特徴を生かした作図の仕方を用いた色板作りと、色板を用いた絵本作りをさせる

3 単元の目標

  観察、構成、分解などの活動をとおして、三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形の概念を理解する。

(1) 関心・意欲・態度
   身の回りの形を三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形としてとらえようとする。

(2) 数学的な考え方
   三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形は辺の長さやや角の大きさで決まることに気付く。

(3) 表現・処理
   三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形をかいたり、弁別したりすることができる。

(4) 知識・理解
   辺の長さやや角の大きさに着目して、三角形、四角形、長方形、正方形、直角三角形の形が分かる。

4 指導計画(9時間扱い)

ねらい
学習活動と内容 自分の考え方を他と比較して分析する活動
活動の段階 活動の内容

 ・比較する活動内容
 ◎分析する活動でとらえる重点
一人
学び
学び
合い




身の回りのものの形の違いについて学習課題や問題をもつことができる 身の回りのものを「さんか く」と「しかく」に分類する活動をとおして、分類の観点の違いなどに注目させながら、図形についての学習課題や問題をもつ  
 
 






三角形、四角形の概念が分かる 前時に分類した形の概形を線でなぞりがきする
・三角形と四角形の頂点と辺の数について調べる
 
・三角形と四角形の頂点と辺の数の調べ方
◎頂点と辺に着目すれば図形が分類できること
三角形をかくことができる 定規を用いて三角形を作図する

・作図の手順の表現の仕方
◎より明瞭な表現で三角形をとらえること
四角形をかくことができる

定規を用いて四角形を作図する
・作図の手順の表現の仕方
◎より明瞭な表現で四角形をとらえること












長方形の概念が分かる ・四角形を角の大きさや辺の長さの関係に注目して分類する
・角の大きさに注目して長方形を定義する
・三角定規で直角調べをする

・様々な四角形の角の大きさの調べ方
◎三角定規の直角に重なる角は直角であること
正方形の概念が分かる ・折り紙を切って四角形をつくる
・長方形の仲間には4辺が等しい特別な四角形があるこ とに注目して正方形を定義する
・切り取ってできた四角形の 共通点の調べ方
◎正方形は4つの辺が等しいこと
直角三角形の概念が分かる 折り紙を折って三角形をつくる
・長方形や正方形を対角線で切ると特別な三角形になる ことに注目して直角三角形を定義する
・切り取った三角形の調べ方
◎角が一つ直角になる三角形があること



長方形、正方形、直角三角形をかくことができる ・図形の特徴を生かして色板作りをする
・色板で絵本作りをする
 
・互いの色板作りの工夫を見付ける
◎正確ではやい作り方を工夫すること




学習内容をふりかえり、学習課題や問題が解決したことを確かめることができる 図形についての学習課題や問題をふりかえり、単元をとおして、分かったことやできるようになったことを確認する
 

5 本時の指導

(1) 本時のねらい
・四角形をかくことができる。
<関心・意欲・態度> 四角形の作図の仕方を工夫しようとする。
<表現・処理> 四角形の特徴をとらえて四角形を作図することができる。

(2) 本時の展開

過程 学習内容 学習活動 指導上の留意点
つかむ 1問題を把握する
単元導入時に各児童がフリーハンドでかいた四角形
2課題をつかむ
(1)内容課題
  四角形をかこう
(2)方法課題
  じょうずにはやくかくさくせんをかんがえよう

・提示された「単元導入時に各児童がフリーハンドでかいた四角形」 についての感想を発表する

・直線で囲まれた四角形をかくこと を確認する
・曲線や角が閉じていないことに注目させながら、四角形を 上手くかこうとする意識を高 める
・前時に学習した四角形の定義から、自分が作図する四角形 を想像させる
・「じょうず」と「はやい」の 観点を与え作図方法を焦点化させる













(1)方法課題解決の見通し
 ・三角定規の利用
 ・観点の確認 「じょうず・はやい」
・三角定規の使い方を練習する
・「じょうずにはやくかく」意味を 自分なりの言葉で発表する
・三角定規の縦線横線のひき方を練習させ、作図の手順の手がかりとさせる
・「じょうず」は四角形の特徴をとらえていること、「はやく」は定規を無駄なくつかっ ていることととらえさせる
(2)内容課題の解決結果の見通し
 ・直線で角が閉じた四角形
・四角形の特徴を確認する
・手がかりとして、数名の児童にかき方を指で示しながら発表させる
たしかめる 4問題を解決する (1)
一人学び
ア問題の解決
  ・四角形をかく
・白紙に三角定規を用いて、自由 な大きさの四角形をかく ・何度も作図させながら、より よいかき方を見つけさせる
(2)
学び合い
ア解決結果の妥当性 の検討
 ・4本の直線で囲 み作図している
・作図した四角形を見合う
・四角形は直線で囲まれていることを確かめる
・筆圧が弱い等で作図が十分できない児童には、添削を加え ながら、直線や角にかき表そうとしたことを認める
イ解決結果の交流
 ・作図の手順の発表
・それぞれの作図の方法を発表する ・児童の発言に「始めに〜最後 に」等の接続言葉を加えてや りながら、順序よく作図すること意識させる
ウ解決結果の一般化
 ・4本の直線で囲 み作図する
・作図の方法を文章で表す ・学び合いのまとめに向け、解き方が似ている相手を見付けさせる
エ学び合いのまとめ
 自分の考え方を他と比較して分析する活動
・比較する活動
 他の作図の方法の理解
・分析する活動
 作図の方法の修正

・解き方が似ている相手とペアを組む
・相手の指示で作図する
・作図の方法手順を示した文章を見比べ合う
・作図の手順として表現が適切なところを自分の文章に書き加える



・作図が難しい児童は教師とペ アを組み、作図させる
・机間巡視で作図の方法の観点 「じょうずとはやい」を声が けにより意識させる
・個の活動に戻し、一人で手順 を修正できるようにさせる
・文章を修正した児童を数名紹介し表現と作図の意味が一致 していることを価値付ける



















5価値付けをする (1)
ふりかえり
・ 学習内容の理解
・ 学習意欲
・学習の取り組みについて挙手により自己評価する ・四角形のかき方を発表させることで、作図できるようになったことを意識させる
・他の図形も正確にかこうとする意欲をもたせる