小学校第5学年特別活動指導プログラム

学 校 名 盛岡市立北厨川小学校
対象学級 5年1組(男子17名女子18名計35名)
対象年月日 平成11年9月6日第2校時
指 導 者 金 沢 卓 司
作 成 者 金 沢 卓 司

T 主題名 「思い出に残る野外活動にしよう」

U 主題について

1 主題について


  遠足・集団宿泊的行事は、校外の豊かな自然や文化に触れる体験を与え、学校における学習活動を充実発展させる。また、校外における集団活動を通して、教師と児童、児童相互の触れ合いや自然との触れ合いを深め、基本的な生活習慣や公衆道徳などについての体験を積むことによって、児童の望ましい成長を図ることをねらいとしている。
  集団宿泊は、児童が家庭や学校を離れ、寝食ををともにする集団宿泊生活を通して、日ごろ学校生活では味わえない体験をする活動であり、次の5点をねらいとしている。

(1)学校と異なる施設や自然での生活を通して、生活経験の拡大を図ることができる。
(2)寝食をともにする生活を通して、教師と児童及び児童相互の触れ合いを一層深める場にすることができる。
(3)集団宿泊を通して、自ら規律を守ろうとする自立的態度の育成を図る機会となる。
(4)集団活動の中で役割をもたせ、実践させることにより、集団の一員としての自覚と責任をもって行動しようとする態度を養うことができる。
(5)施設における実施計画の作成に積極的に参加させることにより、自主的態度を身につけることができる。

2 児童観

児童の日常生活は、自然豊かな環境から離れ、自然の営みを直接見たり、観察したりする機会が減少している。このため、自然界の生命の誕生や死という最も大事な自然現象を直接学ぶ機会が欠如し、児童の生命を尊重する心や死を厳粛に受け止めるという心の成長を伸長させることが難しくなっている。
   一方、児童を取り巻く家庭環境は、核家族化、少子化及びゲーム等による一人でいること、一人でいることが気楽という気持ちを助長し、集団の中で、互いの存在を意識したり、自分が我慢するという気持ちを養う場面が少ない。よって、集団は集団であり、自分は自分という集団の中に存在しながらも、一人孤立しているという構造の結果、集団の一員としての自覚の欠如及び人間関係の希薄化が見受けられる。
   また学校においては、自分が考えていることをみんなの前で発表したり、発表のための準備を計画的に行うことが少なくなってきている。このため、「自分は分かっている」という自己中心的な考えが先にたち、自分の考えや思いについての第三者から見た意見等を聞く機会が減少し、結果自己中心的な学習や行動が多くなってきている。

3 指導観

  この主題は、実際の野外活動を中心とした指導と、野外活動後のまとめを中心とした指導の大きく2つの指導に分類できる。この指導プログラムでは特に後半の野外活動後のまとめの集団の一員としての所属感を深めることを中心とした指導である。
   まず、各児童に構成原稿の構想をもたせ、次の集団における構想段階に進ませる。各自に個人構想をもたせ、集団の構成を考える過程において各自の構成原稿の構想を生かしたアイディアを積極的に提案させることで、集団内において児童相互の関わりを多くしたい。
   次に、集団における構成原稿について検討する機会を多くもたせたい。ここでは、集団内の意見交換、葛藤、承認等の過程が繰り返し行われる。この繰り返し行われる過程によって、集団の一員としての自覚を促すために必要な児童間の相互理解を深め、人間関係の深化を図りたい。
   そして、児童が集団の一員であるという自覚がもてるように、前回の反省を生かすことができ、次回の発表をさらによくしようという向上心を育むことができる表現の機会を多くもたせたい。

V 指導目標

1 友達と協力しながら行動しようとする積極的な態度を身につける。
2 児童が自ら考え、判断し、自らの生活をつくり出していく。
3 友達と活動する過程において、自分の考えを的確に発言したり、友達の考えをしっかり聞き、協力して生活を向上させることができる。
4 集団生活上の約束事に関する理解を深めるとともに、集団生活の進め方に関わる基本的な社会的技術を身につける。

W 指導の構造図

X 指導計画(全4時間)

第1時 思い出に残る野外活動にしよう
第2時 野外活動のまとめ(1)(本時)
第3時 野外活動のまとめ(2)
第4時 野外活動のまとめ(3)

Y 本時の学習(第2時)

1 主  題 「野外活動の思い出を発表する素材を選択し、全体構成を考えよう」
2 指導目標
     野外活動の思い出を発表するための素材を選択し、表現意図が十分に表れるように全体構成を考えることができる。
3 目標行動
     表現意図に合った全体構成を完成させることができる。
4 下位目標行動

G 表現意図に合った全体構成を完成させることができる
@ 表現意図と素材の全体構成が一致しているかどうか検討し、決定できる
A 素材の各グループの構成が表現意図の構成と一致しているかどうか検討し、決定できる
B 各グループ内の写真・映像素材の内容及び構成が表現意図に一致しているか検討し、決定できる
RC 表現意図に一致する映像素材を選択できる
D 各グループ内の写真素材の内容及び構成が表現意図に一致しているかどうか検討し、決定できる
E 第2ブロック内の写真素材の構成を検討できる
F 第3ブロック内の写真素材の構成を検討できる
RG 第2、第3ブロックへ写真素材を分割できる
H タイトル画面を作成する写真素材の第1ブロック内での構成を検討できる
RI 第1ブロックの中からタイトル画面を作成する写真素材を決定できる
RJ 所属班に関係する写真素材の中から実際に使う写真素材を選択し、2つのブロックに分割できる
RK 写真素材の中から所属班に関係する写真素材を選択できる

5 形成関係図とグルーピング

6 本時の展開(第2時)

時間 主な学習内容 展 開 の 流 れ 教材・教具・教育機器と留意事項
10分 <導入>

1 写真素材の確認
〔コンピュータ教材〕
・コンピュータで写真素材を提示し自分たちの班に関する写真へ意識を向けさせる。
2 学習課題を把握する ・表現意図に合った写真構成ができるように、課題をつかませる。
30分 <展開>
3 第1第2第3の3つのブロックに写真を3分割する

 
4 3つのブロックそれぞれの構成を考える
〔コンピュータ教材〕
〔ワークシート〕
・第1第2第3ブロックのそれぞれに写真を割り当て、各ブロックの構成が表現意図に合うように考えさせる。
5 全体の構成が表現意図に合っているか検討し、決定する
〔コンピュータ教材〕
〔ワークシート〕
・構成原稿をもとに、各ブロック及び全体の構成が発表意図に合っているかどうかワークシートで確かめながら進めさせる。
5分 <まとめ>
6 表現意図に合った素材の構成を確認

〔コンピュータ教材〕
〔ワークシート〕
・完成した写真構成が表現意図に合っているかどうか確認させる
7 次時の学習内容を確認する ・次時はタイトル画面作成であることを確認させる。