教科書 東京書籍 新編高等学校物理IB
水波投影装置、ウエーブマシン、パソコン、プロジェクター等の投影機一式、
はんだごて等電子工作の道具一式、製作教材用電子部品、アマチュア無線機、
八木アンテナ
水面波の観察、実験により、干渉や定常波などの波動の性質を理解する。また、その原理として「波の重ね合わせの原理」や「波の独立性」をウエーブマシンやコンピュータシミュレーションにより理解する。
段 階 |
時間 配分 |
学習内容 | 生徒の活動 | 教師の指導 | 教材 |
導 入 |
15 分 |
<事前調査および本時の内容確認> 波動の性質と原理について |
<事前アンケート、テスト> 波動の性質や原理、電波について 日常生活とのかかわりなどについて |
波動や電波は未学習であるので、わからないことも気にせず、思ったことを解答させる | プリント |
展 開 |
30 分 |
<波動の性質の観察、実験> |
<水面波の観察> 水波投影装置を用いた演示実験 により、波動の性質として、干渉 や定常波を知る |
身近な水面波の観察、実験から 行い興味や関心を持てるようにす る 定常波については、弦にできる 定常波など見やすいものも使う |
水波投影装 置 |
<波動の原理の理解> | <パソコンによるシミュレーション> ウエーブマシンやパソコンを用いた観察、実験により、波動の原理として「波の重ね合わせの原理」、「波の独立性」を理解する |
今後の基礎となる事項なので時間をかけ十分に理解させる | ウエーブマシン パソコン一式 プロジェクター等の投影機一式 |
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終 末 |
5 分 |
<本時のまとめ> 波動の性質や原理 について |
<確認テスト> 波動の性質として干渉と定常波、波動の原理として「重ね合わせの原理」と「独立性」を復習し理解する |
本時で学習した内容のポイントを確認させる | プリント |
視覚的にとらえられない音波の波形を観察し、波動であることを認識する。さらに開発した製作教材を用いて音波の干渉や定常波を視覚的に観察、実験することで、音波も水面波同様の波動の性質をもつことを理解する。
段 階 |
時間 配分 |
学習内容 | 生徒の活動 | 教師の指導 | 教材 |
導 入 |
10 分 |
<前時の内容確認> 波動の性質や原理 について |
波動の性質や原理についての確認 | ||
<本時の内容確認> 波動の原理や性質を音波に適用 |
<音波の復習> 音波について中学での学習内容を思い起こさせる |
事前アンケートを参考にしながら、視覚的な水面波から視覚的にとらえることができない音波へ話題を進める | 音波についての事前アンケート | ||
展 開 |
35 分 |
<音波の波形> | <音波の波形観察> パソコンを用いた演示実験により音波の波形を観察し、音波も波動であることを認識する |
音波の波形をパソコンで観察させ、見えない音も波動であることを実感させる | おんさ マイク パソコン プロジェクター等の投影機一式 |
<音波での干渉、定常波> |
<製作教材による観察、実験> 下図のような音波の干渉の観察、実験を行い、音波の干渉を確かめる 図(音波による干渉縞の実験) |
左右のスピーカの真ん中付近を中心にして、左や右に円を描くようにゆっくりとマイクを動かし、節線や腹線上で製作教材のレベル表示が変化することを確認させることで、音の大きさが変化していることを認識し、音波が水面波と同様に干渉していることを理解させる なお、スピーカー間には半波長につき1つの節線があるので、スピーカー間の長さと節線の数を数えることでおおよその波長がわかる |
スピーカー マイク 演示用製作教材 パイプ |
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下図のような音波の定常波の観 察、実験を行い、音波の定常波を 確かめる 図(定常波の実験) |
マイクをパイプの中に出し入れすると音波の定常波の節、腹により製作教材のレベル表示が変化することを確認させ、パイプの中に干渉により音波でも定常波が発生していることを理解させる | ||||
以上の観察、実験により音波が水面波と共通する波動の性質をもつことを理解する | |||||
終 末 |
5 分 |
<本時のまとめ> 音波の波動性について |
<確認テスト> 音波の波動の性質として干渉と定常波を復習し理解する |
本時で学習した内容のポイントを確認させる | プリント |
知覚的にとらえられない電波を観察、実験するために必要な製作教材を作る。
段 階 |
時間 配分 |
学習内容 | 生徒の活動 | 教師の指導 | 教材 |
導 入 |
5分 | <前時の内容確認> 水面波、音波の波動としての共通性 |
水面波、音波の波動としての共通性の確認 | ||
<本時の内容確認> 製作教材の製作 |
<生徒の電波のイメージ> 電波について事前アンケートをもとに電波のイメージをいくつか話をさせ、電波の性質を調べようとさせる |
知覚的な水面波や音波から知覚的にとらえることができない電波へ話題を進め、電波での波動性を確認するために、電波をとらえる装置を作る意欲を高めさせる | 電波についての事前アンケート | ||
展 開 |
40 分 |
<電波を測定する装 置を作る> | <開発した製作教材の製作> 一人一人があらかじめ用意されたプリント基板に、電子部品を半田付けする |
全員が時間内に完成できるよう、プリント基板を用意し、あらかじめ電子部品の幾つかをはんだ付けしておく 電子回路の説明は、概略程度にとどめる |
はんだごて等電子工作の道具一式 |
終 末 |
5分 | <本時のまとめ> 製作教材の動作確認 |
<製作教材の動作確認> 無線機から電波を送信し、表示用のLEDレベルメーターが点灯することを確認する |
動作しないものは次の時間までに完成できるよう回路の点検をさせる | 無線機 |
電波における波の干渉などの性質を観察、実験で理解し、その性質が用いられた八木アンテナにおいて素子の数や間隔を変化させることによって、電波の受信感度の変化を確認し、日常生活のなかに物理法則が用いられていることを認識させる。
段 階 |
時間 配分 |
学習内容 | 生徒の活動 | 教師の指導 | 教材 |
導 入 |
5分 | <前時の内容確認> 波動の性質 |
前時までの学習内容を確認する | ||
<本時の内容確認> 電波の波動の性質と八木アンテナのしくみ |
<本時の内容確認> 本時の観察、実験内容を確認する |
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展 開 |
35 分 |
<電波の性質の観察、実験> |
下図のような装置で電波の波動性を予想し、さらに確認のための別の実験を考えさせる 図(電波の波動性) |
製作教材のアンテナを左右に動かし、製作教材のレベル表示が変化することで、電波の強さが変化することを観察させる。このことから、電波が波動性のため干渉していることを予想させる | 製作教材 金属板 アマチュア無線機 |
<電波の干渉の実験> 下図のようにダイポールアンテナ2本から電波を送信し、干渉によって電波の強さが受信する場所で変化することを確認する 図(電波の干渉) |
電波が干渉することから、電波は波動であることを理解させる | 製作教材 アマチュア無線機 |
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<日常生活とのかか わりを認識> |
<八木アンテナの実験> 下図のように製作教材のアンテナを八木アンテナの素子と平行にしたまま前後にゆっくり動かす 図(八木アンテナ) |
八木アンテナの素子のうちフィーダー線につながっているのは一本だけで、残りはつながっていな いことを確認し、理由を考えさせてから実験する 放射器の近くでは電波が強く、そこから離れるにつれ、電波の強さが強弱を繰り返しながら変化することから、電波が干渉していることを理解させる さらに八木アンテナの素子数を変えたり、素子の間隔を変えることで電波の受信感度の変化を観察させる |
製作教材 アマチュア無線機 八木アンテナ |
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終 末 |
10 分 |
<まとめおよび事後 調査> |
日常生活のなかに巧みに物理法則が取り入れられていることをまとめる 波動や電波についての事後アン ケート、テスト |
八木アンテナには電波の干渉が応用されていることを認識させる | プリント |