技術・家庭科学習指導案
日 時 | 平成12年9月18日(月) |
場 所 | 矢巾北中学校 金工室 |
対 象 | 3年3組(男子14名 女子21名 計35名) |
授業者 | 教諭 眞島 繁明 |
1 題材名 力の伝達の仕組み
2 主題について
技術・家庭科では、実践的・体験的な学習活動を重視しながら、ものづくりの楽しさや完成の喜びを大切にしてきた。加えて、平成14年度から実施される新指導要領では「ゆとりの中で生きる力をはぐくむ教育」を唱え、刻々と変化する生活に適切に対応していくため、生活を営む上で生じる課題に対して、思考を深め、自分なりの判断や適切な情報収集能力をもって表現していく意欲と能力の育成を重視する必要があると明示されている。
そこで、3年生の技術では17.5時間という限られた時数の中で、「技術とものづくり」(2)〜(4)の基礎・基本を発展させた「技術とものづくり」(5)を選択し、ものづくりの総合的な学習として『アイディア対決ロボットコンテスト』を行うこととする。この題材は、提示された条件や課題を克服するために、生徒たちが独自に課題を設定し、学習の基礎・基本をとおして、新たな発想に昇華させながら、課題を解決・表現していく問題解決的な学習が実践できると考える。
また、生徒たちの発想が試行錯誤をとおしてどんどん形づくられてくるため「ものをつくる喜び」を十分に網羅しており、生徒一人一人の個性をグループ゚活動という共同作業の中で発揮するだけにとどまらず、今日、希薄になってきている人間関係や連帯意識を取り戻す要素を十分に備えていると考えている。教師指導で行われてきた一方通行的な授業から、生徒が課題の解決に意欲的に取り組む生徒主導の授業としていきたい。
3 題材の目標
(1) 目的の仕事や動作をさせるための課題を生徒自ら考えさせ、構想をまとめること。
(2) 力の伝達仕組みについて理解させ、製作に適した仕組みを選択できること。
(3) 製作品の組み立てや原因を生徒自らに考えさせ、解決できること。
4 生徒の実態
生徒は明るく素直で、他者を思いやる優しさと協調性を大切にする雰囲気がある。ものづくりに対しては意欲的で、興味・関心を示している生徒がほとんどである。積極的に授業を引っ張るリーダーが多く、実習活動も真剣で協力して解決しようとする態度が見られる。
しかし、協力しながら共同作業をすることはあっても、独自のアイディアを必要とする場面や自分で疑問点を見つけて課題に取り組む場面では消極的になってしまう傾向が見られる。また、ものづくり自体が好きではない女子生徒も数名おり、作業がめんどくさい、作品を上手に作れない等の理由が挙げられた。
5 題材の指導計画
力の伝達の仕組み (17.5時間)
オリエンテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 時間
力の伝達の仕組みを知る(個人作業)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8 時間(本時3/8)
力の伝達の仕組みを利用した作品の製作(グループ作業)・・・・・・・・・・・・
8 時間
発表・反省・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
0.5時間
6 本時について
(1) 本時の目標
@ 学習テーマの提示により、学習への興味・関心が高まる。
A 生徒一人一人が課題を設定できる。
B 課題解決の見通しがつき、意欲的に取り組める。
(2) 授業の構想
生徒は、自分の考えに基づいて自ら学習を進めるとき、意欲的に取り組むものである。そこで、生徒一人一人が課題を見つけ、自ら学ぶことの喜びを実感させる学習指導を意識した授業の展開が必要である。
本時の授業の中で、生徒が技術で最低限学ばなければならない基礎・基本の観点を、事前に学習した回転数やトルク、摩擦の関係とし、多くの生徒が具体的に課題を発見できるように機構・機能が容易に比較できるロボットの対戦を教師実験として提示し、意欲づけの段階とする。
また、グループごとに課題発表・意見交流を行い、自己の課題を振り返る時間を設け、より具体的な課題に迫れるように課題修正につなげる。漠然とした課題設定から、情報の収集、課題の吟味をとおして、より明確に作業内容を理解させる段階とする。
技術の授業に消極的な生徒にも授業に対する目的意識を高めてもらうために、個人ごとのロボット製作とした。試行の段階で生徒たちの達成感を減退させないように、性能の違う4種類のロボットを選択して対戦ができるようにし、課題修正を行いながら試行を繰り返す機会を設ける。
7 本時の展開
8 本時の評価
@ 学習テーマの提示により、学習への興味・関心が高まったか。
A 生徒一人一人が課題を設定できたか。
B 課題解決の見通しがつき、意欲的に取り組むことができたか。