研究の概要
この研究は,目的や意図を明確にもって書く場面を設定し,情報活用の場をとおして自らの考えを深めさせ,さらに表現の工夫をさせることによって書くことの能力を高める指導の在り方を明らかにし,小学校国語科の指導の改善に役立てようとするものである。
そのため,「書くこと」の指導事項をもとに書くことの能力について検討を行い,基本構想を立案した。さらに,表現の工夫を行いながら目的や意図に応じた発表資料を作成できるコンピュータ教材を開発し,指導プログラムに基づく実践をとおして発表設計の支援への有効性を検討した。
研究の結果,コンピュータ教材を用いた授業実践によって児童の相手意識・目的意識と推敲・評価に関する意識を高め,目的や意図に応じた取材,構成,記述を行う能力を高めることができた。このことから,本研究の指導の手だての工夫は,小学校国語科において児童の書くことの能力を高めるうえで効果があることが確かめられた。 |