研究の概要
この研究は、音楽的な感受の能力を高める指導について、表現領域での批評文の活用をとおして明らかにし、音楽科の指導の改善に役立てようとするものである。
そのため、指導の手だてとして、指導目標・指導内容を明確にし、知覚した音楽の構造的側面と感じ取った感性的側面を批評文(1)によって関連付けさせた。そして、音楽からイメージしたことを具体化させる批評文(2)を活用して、生徒一人一人が感受したことを表出させ、表現の工夫につなげていくようにした。
授業実践の結果、思い思いに批評文を書き、表現の工夫をし、生徒相互のよさや個性的な表現を受け入れながら音楽的な感受の幅を広げる生徒の様子を見取ることができた。また、批評文の生徒の記述から、音楽的な感受の能力の高まりを捉えることができた。このことから、表現領域での批評文の活用は、音楽的な感受の能力を高める指導において有効であることが確かめられた。 |