印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−               第1学年 国語科学習指導案                 日 時 平成8年9月11日(水)公開授業1校時                 児 童 1組 男子21名 女子18名 計39名                 指導者 小野寺 清子 1.単元名   こえに だして よもう(教材名「くじらぐも」) 2.単元について (1)教材について    第1学年の「理解」に関する目標は、「粗筋をつかみながら話を聞いたり、書かれ   ている事柄の大体を理解しながら文章を読んだりすることができるようにするととも   に、易しい読み物を楽しんで読もうとする態度を育てる。」である。    本単元は、「場面ごとの様子を思い浮かべながら、はっきりした声で音読したり、   子どもの気持ちを吹き出しに書いたりすることができる。」ことを主目標にしている。    本教材には、くじらぐもと子どもたちとの心暖まる交流を通して、青い空に浮かぶ   真っ白い雲に乗って旅をしてみたいという夢がかなえられていくおもしろさが主題で   ある。この物語は、くじらぐもと出会う子どもたち、くじらと呼びかけ合う子どもた   ち、くじらに飛び乗ろうとする子どもたち、くじらと空の旅をする子どもたち、くじ   らと別れる子どもたちの5つの場面から成り立っている。起・承・転・結がはっきり   した構成になっていてわかりやすい。また、地上から大空へそしてまた大空から地上   へ戻るというダイナミックな場面展開となっていて、読み手である子どもたちにとっ   ては調子がよくとらえやすいように構成されている。    文章表現は、繰り返しが多くまねっこのおもしろさが強調されている。その上、物   語の中では、子どもたちの日常語による会話文が使用されているため親しみやすく、   物語の子どもたちと同化して読み進めることができる。また、会話文の初めあるいは   あとにだれが言った言葉かを説明するのがふつうの書き方であるが、この教材文では   その省略が多い。そのため会話が生き生きとはずんで聞こえ、全体として歯切れのよ   い文章となっている。    このように、本教材は物語の楽しさ・想像の楽しさを味わわせることのできる作品   であり、多様な学習活動を取り入れながら指導することで目標に迫ることができる教   材であると考える。 (2)児童について    子どもたちは、これまでに文章と挿し絵を結びつけ登場人物の行動を読み取ったり   リズミカルで繰り返しのある文章を音読したり、登場人物の気持ちや場面の様子を想   像することを学習してきた。1学期の教材「はなのみち」では、登場人物の行動を追   いながら話の筋や場面の様子を読み取り、動作化をしたり吹き出しを使うことによっ   て、登場人物の気持ちを想像する学習をしてきた。次の教材「だれにあえるかな」で   は、教材「はなのみち」で学習したことに加えて、挿し絵を活用したり、動作化・劇   化や音読の工夫を取り入れながら、登場人物に同化して考える学習をしてきた。また、   学習プリントを使いながらみんなで話し合ったことを元に、学習のまとめを考える活   動を取り入れてきた。    一人読みでは、課題解決に結びつく文にサイドラインを引くことにより、本文中の   視写部分を「、」や「。」に注意しながら文字を正しくていねいに書くことができる   ようになってきた。ただ、視写する速さには個人差がある。吹き出しには、内容や書   く量には差があるものの、ほとんどの子が登場人物の気持ちを考えながら自由に書き   表すことができるようになってきたが、大事な言葉や文をもとにして想像して読み取 っ  っていくまでには至っていない。    学び合いでは、ほとんどの子が自分の考えを進んで発表することができるようにな   ってきた。しかし、それをもとに考えを深めていくまでには至っていない。また、吹   き出しに自分の考えを書いているにもかかわらず、みんなの前で発表することを苦手   とする子も数名いる。    音読については、語のまとまりを意識しながら文章を正しく読むことができるよう   になってきたが、個人差も大きい。また、声の大きさが十分ではない子も数人いる。 (3)指導について    この教材は、「文章の大体を理解すること」と「場面の様子を想像しながら読むこ   と」の指導を通して、豊かに想像を加えて、読む力やはっきりした声で音読する力を   つけるのにふさわしいものであると考える。    子どもたちは、自分の経験を文字や絵と結びつけて読むことができるようになって   きているし、1年生の特性である想像の世界に遊ぶこともできるようになってきてい   る。    この時期に、このようなファンタジー豊かな作品を扱うことは、想像豊かに読む力   や態度を身に付ける上で意義深いことであろう。この作品を繰り返し読む中で、子ど   もたちを想像の世界に遊ばせながら、自分の夢や願いや驚きを自由に話し合わせ、自   分の世界を広げていけるよう支援していきたい。    読み手である子どもたちに、「くじらじも」の様子や子どもたち(本文中)の気持   ちや様子を想像させ、表現させたり動作化させたりしながら物語の世界へ入り込ませ、   確かな言語能力を身に付けさせたいと考える。また、「・・・が」「・・・は」「・   ・・も」の助詞に注意しながら、くじらや子どもたちの行動・会話をしっかり押さえ   させ、互いの結び合いや心の交流をとらえることができるよう支援していきたい。    一人読みでは、学習解決に結びつく文を正しく視写し、場面ごとの様子を思い浮か   べながら人物に同化して吹き出しに気持ちを書くことができるように支援していきた   い。学び合いでは、自分の考えや吹き出しに書いたことをたくさん発表させたい。発   表を進めていく中で、学習のまとめに迫るような話合いができるように支援していき   たい。さらに、音読を通して子供たちの様々な想像を導きだし、喜びや発見を豊かに   表現させていきたい。 3.単元目標 (1)関心・意欲・態度    進んでくじらじもと子どもたちのふれあいを読み取ろうとしたり、音読に表現した   りしようとすることができる。 (2)表現    正しく視写したり、子どもやくじらぐもの気持ちを考えて吹き出しに書くことがで   きるようにする。 (3)理解場面ごとの子供たちやくじらぐもの様子を楽しく想像しながら読み取ることが   できるようにする。 (4)言語事項片仮名を正しく読んだり書いたりできるようにするとともに、語句の意味   を正しくとらえ、その使い方を理解できるようにする。 4.指導計画(14時間扱い) 第1次 全文を読んで感想をまとめるための読み 3時間  ・全文を読み、おもしろかったところを書く。           (1)  ・場面わけをして、大まかな読みのめあてを持つ。         (1)  ・新出漢字、難語句、片仮名を確かめる。             (1) 第2次 課題を追求するための読み 7時間  ・くじらぐもとこどもたちの出会いの様子や気持ちを読み取る。   (1)  ・なかよくなっていくくじらぐもと、さそわれたときの子どもたちの様子   や気持ちを読み取る。                     (1)本時  ・飛び乗ろうとする子どもたちと、応援するくじらぐもの様子や気持ちを読み取る。(1)  ・くじらぐもに飛び乗ったときの子どもたちの気持ちを読み取る。  (1)  ・空の旅を喜ぶ子どもたちの様子や気持ちを読み取る。       (1)  ・くじらぐもが子どもたちを降ろすまでの様子を読み取る。     (1)  ・別れるくじらぐもと子どもたちの様子や気持ちを読み取る。    (1) 第3次 まとめのための読み−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2時間  ・場面の様子を思い浮かべながら全文を音読する。         (1)  ・「くじらぐも」に手紙を書く。                 (1) 第4次 練習と評価−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間    ・新出漢字や片仮名の練習をする。                (1) 第5次 読書への発展−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間    ・中川李枝子のほかの作品を読み、本の紹介をする。        (1) 5.本時の指導 (1)目 標    くものくじらにさそわれたときの子どもたちの様子を読み取り、気持ちを想像す    ることができる。 (2)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 ○主発問 | 教 師 の 支 援 ☆評 価 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.前時の学習を想起する。 | | | | ○空に現れたくものくじらは、|・くものくじらがみんなのまねをしている様| |導| どんなことをしたのでしょう| 子を想起させる。 | | |2.学習課題を把握する。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | くものくじらにさそわれたとき、子どもたちはどんなことをおもった| | |入| |のでしょう。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |☆本時の学習課題を確認できたか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3.本時の学習場面を音読する。|・一斉読みの後、指名読み。 | | | |・口形や声の大きさに気をつけて、はっきり| | | | 音読させたい。 | | | |☆口を大きく開けて、はっきり音読すること| | | | ができたか。 | |展|4.くものくじらと、子どもたち|・くものくじらと、子どもたちの会話から、| | | は、どんな会話をしたのか読| お互いに友達になりたがっていることに気| | | み取る。 | 付かせたい。 | | | ○くものくじらと子どもたちは|・「くじらも」の「も」(助詞)に着目させ| | | どんなお話をしたのでしょう| 繰り返しのおもしろさを味わわせたい。 | | | |・「おうい。」「−−−おいでよう。」は、| | | | どちらも長音になっていることから、お互| | | | いの距離を意識させたい。(間のとり方)| | | |・想像をふくらませるために、役割読みやペ| | | | ープサートによる動作化を取り入れたい。| |開| |☆くものくじらと子どもたちの会話を通して| | | | 子どもたちの気持ちの高まりをとらえるこ| | | | とができたか。 | | |5.くものくじらにさそわれたと|・「よしきた。くものくじらにとびのろう。| | | きの子どもたちの気持ちを吹| を視写させて、子どもたちの思いを吹き出| | | き出しに書く。(一人読み)| しに書かせたい。 | | | ○くものくじらにさそわれたと|☆くものくじらにさそわれたときの気持ちを| | | き、子どもたちはどんなこと| 自分の言葉で書くことができたか。 | | | を思ったのか書きましょう。| | | |6.くものくじらにさそわれたと|・吹き出しをもとにたくさん発表させたい。| |展| きの子どもたちの気持ちを話|・挿し絵を使いながら、「はりきる」とはど| | | し合う。(学び合い) | ういうことかをとらえさせたい。 | | | ○くものくじらにさそわれたと|・くものくじらにさそわれてたいへんうれし| | | き、子どもたちはどんなこと| い気持ちと、みんながはりきっている様子| | | を思ったのか発表しましょう| をとらえさせたい。 | | | |☆くものくじらにさそわれたときの子どもた| | | | ちの気持ちを話し合うことができたか。 | | |7.学習のまとめをする。 |・話し合ったことをもとにみんなでまとめた| | | ○子どもたちの思ったことをま| い。 | |開| とめて書いてみましょう。 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | || くものくじらにさそわれて、いっしょ|| | | ||にあそびたくなったから、くじらにとび|| | | ||のろうとおもった。 || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |☆課題に対するまとめをみんなで書くことが| | | |できたか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |8.まとめの音読をする。 |・指名読み。 | |終| |☆くじらと子どもたちの気持ち、場面の様子| | | | を思い浮かべながら、音読することができ| | | | たか。 | |末|9.次時の学習について知る。 |・次時の学習内容を確かめ、意欲を持たせた| | | | い。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+