印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):120   −−以下 指導案本文−−   数学科学習指導案 日 時 平成8年10月17日(木) 1校時 学 級 2学年 (男子14名 女子19名 計33名) 授業者 勝又 美和 1.単元名  平行と合同 〜平行線と角〜    2.単元について  1 単元の指導について    第2学年では、学年の目標に「基本的な平面図形についての理解を深めるとともに、図形の性質の考察における数学的な推論の   意義と方法とを理解し、推論の過程を的確に表現する能力を養う。」と示されているように、論理的に筋道を立てて正しい推論を   行うことができるようにするとともに、その推論の過程を正しく表現できるようにすることが重要なねらいである。    数学的な推論については、帰納、類推、演繹の三つの方法があるが、この章は演繹的な推論をある程度開き直って学習させる最   初の章になる。この章の始めに、それらの推論のもとになる基本的な性質について学び、最後に証明の進め方について学習する。    1節では、推論のもとになる基本の性質としてその知識をまとめるのと同時に、これらの性質の発見や関連をいろいろいと考え   させるように指導したい。また、平行線や多角形の角に関する内容は、実験や実測でなくて求められるということを生徒に実感さ   せたい教材である。  《構成と関連》   <小学校>   <第1学年>      <第2学年>  <第3学年> 4年 | 5章 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−+ | +−−−+ ||+−−−−−−−−−−−−−−−+| | |平行線の意味、書き方、平行線 角と平行・垂直|対頂角と平行線の同位角・錯角の|| | | | | +−−−+|||| || | |と角の関係 | | ||||性質と条件 || | +−−−−−−−+ | |||+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||| | | 2年 | ||| ↓ | | 7章 +−−−−−−−+ | |||+−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−−−+ |対頂角の性質 +−−+−−−−−−++++証明、三角形の内角の和、外角 ++−+−− 円周角の定理 +−−−−−−−+ | ||+−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−−−+ | || | | 5年 | || ↓ | | 7章 +−−−−−−−+ | ||+−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−−−−+ |三角形の内角の和−−+−−−−−−−+|| +多角形の内角と外角 |円に内接する四角形 +−−−−−−−+ | ||+−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ↓ | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | || 2節 合同な図形 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+  2 生徒の実態   明るく意欲的な生徒が多く、その生徒達を中心に授業が進むことが多い。反応もよく、1時間ごとの確認テストでもよい結果が出  るのだが、定着がいま一歩である。男女間の差はほとんどないが、上位の生徒と下位の生徒の能力的な差が非常に大きく、指導する  のに苦慮している。   1学年での図形の領域では、関心・意欲ともに高く、下位の生徒でも興味をもって取り組んだ。2学年でも、数と式、数量関係の  苦手な生徒たちが意欲を持って臨んでいるので、この意欲をそがないような指導を心掛けたい。特に本時は、自分たちの調べたこと  をもとにして、帰納的にn角形の内角の和を導くという、創造的・発見的な考え方につながる大切な内容であるため、関心・意欲を  引き出し、持続させるように指導したい。 3.単元指導目標  1節   1 対頂角の性質を理解し、それを用いることができるようにさせる。       2 平行線の性質と2直線が平行であるための条件について理解し、それを用いることができるようにさせる。       3 三角形の内角の和が180°であること、および、三角形の内角と外角の関係について理解し、それらを用いることがで        きるようにさせる。       4 演繹的な推論のしかたとしての証明の意味について理解させる。       5 角の大きさによる分類や三角形の角による分類について理解させる。 6 多角形の内角の和を求める方法や外角の和が360°であることを理解し、それを用いることができるようにさせる。 2節   1 図形の合同の意味や三角形の合同条件について理解させる。       2 三角形の合同条件を用い、作図の確かめなど簡単な証明ができるようにさせる。 3 仮定、結論の意味を理解させる。 4.単元指導計画  1 平行線と角    1.平行線と角     ・・・3時間    3.多角形の内角と外角 ・・・3.5時間    2.三角形の内角の和  ・・・2時間     多角形の内角と外角                          四角形の内角の和   多角形の内角の和 ・・・本時 外角の和(0.5時間) 4.基本問題      ・・・0.5時間 5.本時の学習  1 主題  「多角形の内角の和」  2 本時の目標   @ 多角形の内角の和の求め方を説明することができる。   A 多角形の内角の和を用いて、問題を解くことができる。  3 具体目標行動  @ 積極的に発表しようとする。  A 多角形の内角の和を求める方法を自分たちで考えようとする。 B 多角形を三角形に分けることができる。 C 多角形の頂点の数と、分けられる三角形の数との関係をいうことができる。 D 多角形の内角の和は 180°×(頂点の数−2) で求められることをいえる。 E n角形の内角の和が 180°×(n−2) であることがいえる。 F 180°×(n−2) の式を使って実際に、多角形の内角の和を求めることができる。  4 本時の展開 ++−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−+ 段 学習内容 | 学 習 活 動 具体|教 師 の |資 料 | || +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | 階| | 教師のはたらきかけ | 予想される生徒の活動 目標| 支 援 |教 材 等 | ++−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−+ |1.四角形の内角の和◎前の時間の復習をしましょう。 | | | | 導 とその求め方の復習 ○四角形の内角の和は何度ですか。・360°。 @ | | | || ○それをどうやって求めましたか。・発表しようとする生徒が少ない。・前の時間の学習シートを見させる。・前の時間の学習シート 入| (三角形の内角の和は何度かも質問する)・対角線をひいて三角形が2つできるから、180°×2。・質問の仕方をかみくだいて質問する。 |2.他の多角形の対角 ○四、五、六、七角形の頂点の数と1つの頂点から出る対・対角線の数は頂点の数より3つ少ない。・紙板書 | 線、できる三角形の 角線の数との間にはどんな関係がありましたか。 | | | | 5 数の復習 ○頂点の数とできる三角形の数との間にはどんな関係があ・三角形の数は頂点の数より2つ少ない。 | 分| |りましたか。 | | | | | |3.課題の把握◎前の時間の内容などを参考にしながら、多角形全てについ A| | | || て内角の求め方を考え、実際に和をもとめてみましょう。 | | ・紙板書 | || |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | | ++−−−−++ 多角形の内角の和の求め方を考え、利用しよう +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−+ || |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | | |4.九角形の三角形へ◎九角形はいくつの三角形に分けることができますか。実際・7つ。 B・机間巡視をして状況を把握する。・学習シート ||の分割と、できる にいろいろな方法で分けてみましょう。・1つの頂点から対角線を6本ひいてわける。・九角形の図| ||三角形の数との関・いろんなひき方の生徒を指名し、線をひかせる。・頂点を選ばずにとにかく対角線を6本ひいて分ける。・この方法でも正解だが、1つの頂点から対 ||係 | | | 角線をひいた方が考えやすいことから、1 || | | | つの頂点からの方法で考えていくことにす 展| | | | ることをつげる。(複数の頂点から対角線 || ◎九角形の頂点の数とできる三角形の数にはどんな関係があ・頂点の数より2少ない数の三角形ができる。 @ をひくときの説明は求めない。) || あるでしょうか。 | | | | | |5.多角形の頂点の数◎前の時間の結果では、それぞれの多角形の頂点の数とでき・頂点の数より2少ない数の三角形ができた。 C・前時の学習シート | とできる三角形の関 る三角形の数の間にどんな関係がありましたか。 | | | | | 形 ◎どうして三角形は頂点の数より2少ない数できるのだろう・答えられない。・九角形を例にとり、対角線を1本ずつひく・九角形の図 || か。 ・対角線より1つ多い三角形ができるから。 ごとに三角形が何個できるかを考えさせる || | | | ・ケーキを分けるときの話。・ケーキの図 | |6.多角形の内角の和◎多角形の内角の和はどのようにしたら求めることができる・答えられない。 D・机間巡視をし、四角形内角の和の求め方を | の求め方 のでしょうか。プリントに自分の考えを書いてみましょう・180°×(頂点の数-2) A ヒントに出しながら個別指導。 || | | | | | | || ◎その説明をみんなでまとめてみましょう。・多角形は、(頂点の数-3)本の対角線をひくことにより @・ポイントを生徒に発言させるようなかたち || | |(頂点の数-2)本の三角形に分けることができる。 でまとめていく。 | || | |これらの三角形の内角をすべてたせば多角形の内角の和に | || | |なる。三角形の内角の和は180°だから。 | | |7.n角形の内角の和◎多角形をn角形として、求める式を作ったらどうなるだろ | | 開 を求める式 うか。シートに書いてみよう。 ・すぐに 180°×(n-2) を書ける。 E・ほとんどの生徒が式を導きだせるように、 || ・全体に問いかける。 ・なかなか出ない。 | 具体的な数値を使って考えさせる。 | || | | | | | | || ・多角形の内角の和を求める式としてまとめる。・「n角形の内角の和は 180°×(n-2)である。」・紙板書 | |8.式を利用して内角◎七角形の内角の和をつくった式を利用して求めてみましょ・180°×(7-2)=900° | | の和を求める う。みんなでやってみましょう。・なかなか反応が返ってこない。・求め方の式と比べながら考えさせる。 || ◎十二角形ではどうでしょう。・180°×(12-2)=1800° | | | | |9.定着・発展問題◎練習問題をやってみましょう。・すらすら解く。 F | ・学習プリント | 38| ○早く終わった人はチャレンジ問題に挑戦してみましょう。・なかなか解けない。・机間巡視で個別指導。 | 分| | | | ・教え合い学習。 | | || | ・チャレンジ問題に苦労する。 | ・チャレンジ問題は話し合ってもよいことに || | | | する。 | | || ・黒板に解答を書かせ、発表させる。・答え合わせをする。 | | | | ++−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−+ 終10.学習のまとめ ・今日の学習を振り返る。 ・話を聞きながら振り返る。 | | | | 末11.確認テストと自・確認テストと自己評価カードに取り組ませる。・問題を解き、授業での自分を振り返る。・机間巡視で個別指導。・確認テスト ||己評価 | | | | ・自己評価カード | 711.次時の予告・次時は外角の和について考えることを知らせる。・次時への意欲を持つ。・知りたいという気持ちを持たせられるよう 分| | | | に予告する。 | | ++−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−+  5 評価   @ 多角形の内角の和の求め方を説明することができたか。 A 多角形の内角の和を用いて、問題を解くことができたか。