20号コラム(2007.10.12)
『寄り添い歩くことで』
大学時代に、特別支援学校に通うA君の遊び相手をしたことがありました。A君は、最初私の問いかけに無反応で、「これだけやってあげているのに・・・。」と帰り道に何度も自問自答したものでした。
ある日、特別支援学校の教育実習の時に担当してくださったB先生に思い切って相談すると「子供を自分に向かせよう、自分の思うようにしようとだけしていませんか?A君をよく見て、A君の話を聴き、寄り添い一緒に歩こうとしていますか?」と聞かれ、愕然としました。
それからの私は、A君の心を受け止め、A君と一緒に歩こうと夢中になりました。卒業のため、A君と心をつなぐことはできませんでしたが、つたない私にA君のお母さんがくださった感謝のお手紙は、今でも忘れることができません。
年々子供への対応は多様化をきわめており、教師の全人格的な力量が問われているように思えてなりません。そんな今だからこそ、まずは、日々の活動の中で目の前の子供一人一人と徹底的に向き合い、寄り添い歩くことを大切にしていきたい。それが、子供との絆を強くし、教師自身を人間的にも磨き高めることにつながる。学生の時の体験から、私はそう信じています。(桑)
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