29号コラム(2008.06.19)
『教え子との再会』
 「先生、お久しぶりです」先月行われた小学校初任者研修の2日目、帰り際にセンターの体育館で、すれ違った女性の先生から声をかけられた。教え子で、勿論顔は覚えていたが、不覚にも名前を思い出せなかった。名乗られた瞬間、大人びた顔はみるみる高校生の頃の顔と重なり、彼らと過ごした昔日の思い出が髣髴としてよみがえってきた。
 この研修では、もう一人別の高校の教え子との再会もできた。実に9年ぶりである。彼女は5回目の挑戦で、念願の教員採用を果たしたという。高校生の時から努力家の彼女は、その後も目標達成に真摯に取り組んできたのであろう。
 二人の輝くような表情には、自分の可能性を信じ、夢や理想に向かって歩み続けてきた強さと誇りが感じられた。短い時間の会話ながら、爽やかな喜びを味わえた、心楽しい瞬間であった。
 暦も早6月。センターの講座にいらっしゃる先生方をお迎えするべく、周囲の山の樹々も、日ごとにその緑の濃さを増している。
  六月の樹々の光に歩むかな  石井露月 (『露月句集』1931) (言)
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