52号コラム(2011.02.15)
『中一ギャップと県立中学校』
一昨年、宮崎県の中学校を訪問した際に、中一ギャプについて尋ねてみまし
た。すると、校長先生から、
「4月の指導は、中学生としての生活習慣の確立と家庭学習の習慣化に重点を
置いています。新入生の本格的な部活動は5月以降なので、新入生の下校時間
が遅くなることはありませんし、運動会は秋なので、運動会にかかわる練習や
応援歌練習で新入生が緊張する、疲れるという心配はありません。小学校から
中学校への移行は比較的うまくいっていると思います」
といった説明が返ってきました。中学生の家庭学習の時間に大きな差が見られ
る宮崎県と岩手県。両県には、中学校生活のスタート地点から違いがあると感
じました。
ところで、校長先生の話を聞いて、県立中学校一期生の娘のことが思い浮か
びました。娘の中学校生活のスタートは、宮崎県の中学生と様子がよく似てい
ました。新設ということもあり、本格的な部活動は5月以降だったので、4月
の帰宅は早く、さらに、運動会は6月末で高校と一緒ということから、4月、
5月に新入生を待ち構える“きつい”応援歌練習も、運動会練習もなかったよ
うです。親には、娘が小学生のまま中学校に通っているように見えました。唯
一、悩みの種は、小学校より多い宿題でしたが、帰宅時間が早いので、家庭学
習の時間は十分保証されていました。
宮崎県の中学校と県立中学校、どちらも中学校生活が学習指導、生活指導を
中心にゆるやかにスタートしていました。このあたりに、中一ギャプや不登校
の解消、学力向上の“鍵”が潜んでいるような気がします。(利)
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