55号コラム(2011.07.12)
『安全と安心の確保』
「先生方は、児童生徒の安全と安心の確保に全力で努めてください。」  沿岸の学校に勤務していたとき、当時の市の教育長が、よく口にされた言葉 です。呼応するように、登下校中の地震・津波に備えた避難訓練や、通学路の 安全点検を行いました。宮城県沖地震が必ず来ると言われていたので、どの学 校も真剣でした。  ところで、当時、私は、語彙の響きから「安心と安全」と表現していました が、今は、努めて「安全と安心」と、「安全」から書くようにしています。身 の安全が保障されなければ、心の安心は保障されないという順序性に気づかさ れたためです。当然ですが、震災から時間が経過し、衣食住が落ち着くにつれ、 心のケアがより重要になってきます。  防災教育の目的が「安全の確保」であれば、心のケアは「安心の確保」です。 地震や津波のように周期性を持った災害に立ち向かうためには、未来を担う子 ども達への防災教育は欠かせません。今回の震災では、児童生徒のみならず職 員も地域の方も心に深い傷を負いました。長期的な展望にたった心のケアが求 められています。児童生徒の安全と安心の確保は、本県教育にとって不易の課 題となったように思います。(利)
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