65号コラム(2012.06.25)
『4,986名の想い』
教育センターには、研修に来る先生方はもちろんのこと、毎年たくさんの方
がやってきます。先日、米国のホットスプリング市の4名の女性教員がセンタ
ーを訪れました。所長によるプレゼンテーションの後、設備と研修の様子を見
てもらうため、所内を案内しました。見学の途中、一人の方の顔色が優れない
様子でしたので、控え室に戻って休息してもらうことにしました。しばらくし
て案内を終え控え室に戻ると、先ほど顔色の優れなかった先生もすっかり元気
になっており、和やかな雰囲気の中で懇談し見送ることができました。直後に、
付き添った所員に様子を尋ねたところ、本人の体調が悪かったわけではなく、
体調を崩し検査を受けている本国の父親を心配していたためで、検査結果を確
認し、安心したということでした。事前に送付された4人の自己紹介には、そ
れぞれ微笑ましく家族一人一人が紹介されてあっただけに、あらためて家族へ
の想いを感じさせられました。
翻って、センターに来る本県の先生方はどんな気持ちで研修に参加している
のかと思い巡らせたとき、米国の先生方のように率直にその気持ちを表には出
さずとも、同様に家族への想い、さらには学校に残してきた児童・生徒への想
いを抱きながら研修に参加していると思わずにはいられません。
昨年度、センターでの研修に参加した方は、のべ4,986名に上ります。その中
には、震災の影響からか、研修中に感極まって涙を流す先生もいました。多く
の辛い経験や悲しみ、そして想いを抱きつつ、自己の資質を高めようと研修に
参加している先生方がたくさんいます。一人一人の想いをくみとるつもりで、
日々よりよい研修環境と充実した研修内容にしていかなければならないと気持
ちを新たにさせられました。(正)
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