67号コラム(2012.10.09)
「生徒の心に響く指導」
教育センターで小、中の初任者研修の道徳の講座を担当しています。現場に
いたときには、道徳の時間に特別に力を入れていたとは言えない自分なのです
が、逆に言えば初任者の先生方と目線が近い利点があると自分を納得させて務
めています。
小学校、中学校には、週1時間の道徳の時間がありますが、高等学校にはあ
りません。私にとって、高校時代、人間とは何か、生きるとは何かを考えさせ
られたのは、倫理社会の授業でした。当時の倫社担当O先生は、その独特の語
り口でソクラテスやプラトン等の哲学者について語りながら、「無知の知」、
「アガペー」、「アウフヘーベン」等を教えて下さいました。知的興奮を感じ
る授業で、授業のあった日は、ラグビー部の部室で今日の倫社の授業内容を仲
間と語り合ったものでした。近年話題になったハーバード大学のサンデル教授
の授業にも、当時と同じ雰囲気を感じたものです。
さて、新しい指導要領では、高等学校における道徳教育の充実を掲げ、道徳
の時間は設けないものの、全体計画の作成とともに人間としての在り方生き方
に関する学習の充実を改善点に挙げています。
どの教科であっても、授業の内容を語り合いたくなるような生徒の心に響く
指導を行っていきたいものです。(茂)
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