74号コラム(2013.08.30)
『日本人の美徳』
 平成25年7月23日、南浦和駅で事件は起こりました。30代の女性が、普通電 車の4両目から降りようとした際、足を踏み外し、電車とホームの間の約10セ ンチの隙間にお腹のあたりまで入ってしまいました。2人の駅員が女性を引っ 張り出そうとしたが、うまくいかず、周囲の乗客や別の駅員、合わせて約40人 が電車を押したところ、重さ約32トンの車両が傾き、ホームとの隙間が広がり、 無事救出することができたという話です。  この事件は、世界でも報じられ、米CNNテレビは「日本から素晴らしいニ ュースです」と前置きし、キャスターは「おそらく、日本だけで起こりうるこ と」と、英国でも、「(駅員や乗客が)集団で、英雄的な行動を示した」と伝 えられました。  この話について、センターを訪れた中学校初任者研修の研修者に質問してみました。 「このような状況で、あなたは一緒に電車を押しますか?」  予想通り、研修者のほとんどが手を挙げました。たぶん、その時の研修者に 限らず、その場に居合わせれば、多くの日本人は同様の行動を取るのではない かと思われます。  東日本大震災津波でもみせた、日本人の危機の際の冷静な行動は、世界の賞 賛を浴びました。このようなエピソードを子どもたちに伝えていきたいもので す。(茂)
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