75号コラム(2013.10.04)
『通常学級における特別支援教育を考える』
9月17日(火)に岩手県教育研究所連盟研修会(公開講演)を、センター
所員の研修も兼ねて実施しました。講師として、東京都日野市教育委員会特
別支援教育推進チームの宮崎芳子先生をお招きし、日野市全体で取り組んで
いる通常学級における特別支援教育についてお話しいただきました。
宮崎先生からは、日野市での取組をもとに、私たちの日頃の苦労や悩みに
答えてくれるお話をたくさんしていただきました。その中で印象的だったの
が、「授業が始まっても本を読むことをやめない児童・生徒がいた場合、先
生方はどうされますか?」という演習問題でした。会場の先生方から、その
子どもに対する様々な対応の手立てが出されました。その後、宮崎先生が示
してくださった答えはそれらとは少し違ったものでした。それは、まず全体
に活動の指示を出してから、その子に対応することが大切であるということ
でした。それからその子が読書に熱中している場合は、無理に本を取り上げ
たりせずに柔軟に対応することがよい場合が多いということも付け加えられ
ました。一斉授業に慣れてきている私たちは、どちらかと言えば、無理にで
も他の児童・生徒と一緒の行動をとらせがちです。しかし、それが配慮を必
要とする児童・生徒のニーズに合っていないことに担任自身も気づかず、十
分な支援ができていなかったことがわかりました。
すべてのお話をお聞きして感じたことは「配慮を要する児童・生徒に合わ
せた授業を構築していくことは、授業全体の質を高め、児童生徒の学力向上
につながる」ということです。授業改善の1つのポイントとして大事なこと
を教えていただいた研修会でした。(隆)
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