大槌町 福興きらり商店街会長 山崎繁さん
    
平成23年12月17日に大槌北小学校グランドにプレハブ二階建ての仮説商店街「福幸きらり商店街」を開きました。(「福興きらり商店街」の名前は地元の小学生がつけたそうです。)
 
その会長さんにお話を聞きました。
 
 質問「震災後に,どのような気持ちから商店街を開いたのですか?」
 
 津波で何もかもなくなってしまい当時はなにもやる気がしませんでした。私の家族もまだ行方不明でした。しかし,避難所生活を送る中で子どもたちの着ている服を見た時に「何とかしてやらなければ・・・。」と強く思いました。それから,古着を探して盛岡へ出かけ,問屋の人に協力してもらい,子どもたちの服を提供してもらったのがはじまりです。
 
 質問「どのようにして商店街を開いたのですか?」
 
 子どもたちが学校で使う体操着や制服,かばんもみんな流されてしまったため,何とかしてあげたいという思いがありました。しかし,私の店をふくめて全ての店が被災したため売ることができませんでした。
 そこで何度も話し合いをし,大槌北小学校の場所に商店街を作ることに決めました。商店街の場所を決めたあと,どの店をどの場所に開くかの話し合いもくりかえしました。お年寄りのお客さんが多い店では1階に店を開きたいという希望が多かったからです。
 みんなで考えた結果,お客さんに便利なように同じ種類の店を一つのブロックにまとめました。そして,力を合わせて23年12月7日に商店街を開きました。
 お客さんが店に来て,笑顔を見せてくれた時は本当にうれしかったです。
 今は,たくさんお客さんに来てもらえるように,毎月一回イベントを行っています。遠野市のボランティア団体(まごころネット)にお願いして,商店街に遠野市からお客さんを乗せたバスを回してもらうなどの工夫をしています。
 
 
 質問「これから,どのようにして商店街を盛り上げていきたいですか?」
 
 たくさんの人が集まる「お祭り」をしたいと考えています。それは,祭が人の心をつなぎ,はげますからです。どんなに元気がなくても,みんなで盛り上げて声をかけ合うようにしたいです。祭を通して前を向いて生きていきたいです。
 
 質問「今,子どもたちへ伝えたいことは何ですか?」
 
 どんなにつらくても前を向いて生きていくことです。みんなで力を合わせて元気に生きていくこと,それが残されたわたしたちの使命だと思っています。これからも笑顔でがんばりたいと思います。