平泉観光協会の方の話

「平泉のいいところはどんなところですか?」

 平泉は「前九年合戦」「後三年合戦」という,本当に悲惨(ひさん)な戦いを生き残った藤原の清衡公が「二度とこんな悲惨な戦争は起こさない。」という「恒久平和(こうきゅうへいわ)」を願ってつくった町が「平泉」です。敵(てき),味方(みかた)関わらず,全て「浄土(じょうど)」にみちびきたいという願いのこもったところが平泉の一番すてきなところだと思います。


「イベントやお祭はどれくらい行われているのですか?


 イベント・まつりはほぼ毎月,月によってはいくつも行われています。法要(ほうよう)とか「大文字の送り火」のように供養(くよう)や法要を目的にしたもの,それから「藤原まつり」などたくさんの人に来ていただくためのお祭り,それから町民自身が自分たちが楽しむために行うお祭りなど,さまざまな目的で,ほぼ毎月のように行っています。


「有名な「藤原まつり」について教えて下さい。


 「藤原まつり」は秋と春,年に2回行われています。「春の藤原まつり」は5月の1日から5日,「秋の藤原まつり」は紅葉のきれいな11月1日から3日まで行っています。その「藤原まつり」の中でも一番のもよおしは源義経公の「東下り行列」で,これは5月3日に行われます。毎年,有名な俳優(はいゆう)さんに来ていただいて,20万人ぐらい来ていただく,とても大きなイベントになっています。


「年間,何人くらいの人が観光に来ていますか?また,どこから来ているのですか?


 年間,平均すると200万人前後のお客様が日本全国,あるいは世界中から来ていただいています。その1%の約2万人が外国人のお客様です。国内で言うと首都圏(しゅとけん)が一番多くて,次に宮城県,現在は名古屋からも大変多くのお客様に来ていただいています。外国に関しては台湾(たいわん)のお客さんが一番多いです。ヨーロッパのお客さんも個人で大きな荷物をかついで町内を歩かれているようなお客さんも大変多いです。


「世界遺産に登録されてから町の様子はかわりましたか?


 「世界遺産」になってから,震災直後に閑散(かんさん)としましたが,大変多くのお客様に来ていただいています。大体,例年の二倍くらいの方に来ていただいています。


「これから平泉をどのようにしていきたいですか?


 平泉にはたくさんのお客様に来ていただいているんですけれども,なかなかそれが地域の豊かさにつながっていない部分があります。この地域を精神的(せいしんてき)にも経済的(けいざいてき)にも観光という恵まれた環境を(かんきょう)をいかして,ぜひ豊かな地域づくりにつなげていけたらと思っています。


「平泉のことを学んでいるみなさんへ


 平泉が「世界遺産」に登録(とうろく)されたわけですけれども,この「世界遺産」に登録された意味をみなさんに考えていただきたいと思います。
 「世界遺産」に登録された意味というのは,どちらかというと東北は文化的にひくく見られていたところがあるんですけれども,今回,「世界遺産」に登録されたということは,東北の文化がはじめて世界にみとめられたということだと考えられると思います。
 毛越寺の方がよくおっしゃるんですけれども,そのみとめられた「平泉の世界遺産」は「平泉」という小さな市町村だけではない,つまり青森の外ヶ浜から福島の白河まで,全てが実は当時の平泉だったと,つまり東北の全体,東北の一人一人もしくは岩手の一人一人が今回の「世界遺産登録」によってみとめられたと,それが今回の平泉の世界遺産登録だと私は思っています。
 ですから,ぜひみなさんもこの東北,岩手に生まれたことにほこりをもって,この地域を豊かにするために,みなさんにこれからいっぱい勉強して社会の役に立つ人になってほしいと思っています。