一関市指定有形文化財 鎮護殿額と原書
室根神社本宮社殿正面には、明治20年8月に村上耕三郎(こうさぶろう)が、神社の神威の高揚と万民の加護を願って奉納した総ケヤキ作りの横額が掲げられています。
書は明治の書家長ひかる(廿に火と書く)が揮毫(きごう)し、旧八瀬村(やっせむら・現在の気仙沼市字角地)の大工佐藤留蔵(とめぞう)が制作、彫刻は同八瀬村の尾形文治郎(ぶんじろう)の作です。
大きさは縦145センチ、横271センチ、中央には「鎮護殿」と力強く陽刻(ようこく)され、周縁(しゅうえん)に見事な2体の龍が刻まれています。
長ひかる(廿に火と書く)は豊後国(ぶんごのくに・大分県)に生まれ、幕末から明治に活躍した漢学者・書家。村上耕三郎は矢越村初代村長で、初期の地方自治に貢献した人物です。
この2人の接点に関しては、現存する史資料がないため不明ですが「鎮護殿」の原書も大切に保管され、昭和55年に室根村の有形文化財として指定されました。
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