○漆かき職人 鈴木さんの話
Q1: この仕事を始めたきっかけは?
A1:  私が漆器(しっき)の塗り職人だったことがきっかけで,国産うるしを使いたいと思ったことがきっかで自分でうるしかきを始めました。
Q2: うるしを採る木はどのようにきめているのですか?
A2:  その年に漆かきをした所の地主さんから紹介をいただいたり,自分で山に入って良さそうな木を見つけたりして買っています。
Q3: 漆かきをするのは何月から何月までですか?
A3: 6月から10月の上旬までです。木の伐採まで入れると12月ぐらいまでかかります
Q4: 1年間でどれくらいの木を使うのですか?
A4: 1箇所約100本で,4箇所くらい回るので,年間400本くらいの木からうるしを採っています。
Q5: うるしのとりかたに特徴はありますか?
A5:  浄法寺では「ころしがき」という方法で漆を採っています。「ころしがき」というのは,一本の木から根こそぎ漆をとるということです。新しい木の芽を出すために最後には伐採します。難しい言葉で言うと「萌芽更新」といいます。
Q6: 他の方法もあるのですか?
A5:  昔は,「養生がき」といって数シーズンかけてかき取る方法もありました。それは漆の「ろう」を採るためです。今はろうは採らないので,一本の木から根こそぎすべての漆をいただくという方法でやっています。
Q7: 伐採した木は,何かにつかうのですか?
A7: 昔はうきに使うこともあったようですが,今は薪(まき)に使っています。<BR>
Q8: 仕事をしていて大変なことやうれしいことは?
A8:  大変なことは,夏の暑さです。気温が35℃を超える日もあります。体力的に大変です。
 うれしいことは,少しずつ一かき一かき苦労して採った漆を家に帰って大きなタルにあけたとき,たくさんとれたなと思うとうれしいです。
 それと,漆かきのシーズンが終わった後漆塗りの作業をしているときに採ってきた時のことを思い出していいなあと思います。
Q9: 漆かきについて心配なことはありますか?
A9:  漆かきの後継者が少ないことです。今,二戸で漆かきの仕事をしている人は,30歳代の人が1人,40歳代の人が数名,50歳代の人が2〜3人と少ないです。これから漆かきという文化を残していくためにも後継者を育ていくことに協力していかなければならないと思っています。
<みなさんへのメッセージ>
 ぜひ,おうちにある漆で塗られた漆器,お椀やお箸を使ってみてください。