語り部の方の話

 「語り部をしていてうれしかったことは何ですか?」


 うれしかったことは山ほどあります。数え切れないほどです。お客さんが話を聞きに来ると,私も一つ二つの話ではなく,時間いっぱい聞かせたいなと思います。だから,思いつめたように語ります。そうするとお客さんが「本当に元気をもらった。ありがとう。」と話してくれます。私こそお客さんから元気をもらっています。このお客さんはまだ話を聞きたいのだと分かってくると,私がおぼえているぶんは話そうという気持ちになり,がんばっています。これからも,このようにがんばっていきます。

 「これからの昔話にたいする思いを教えて下さい。」

 昔話は遠野の文化です。遠野の町の中には「語り部」ではなくとも昔話を語れる人はいると思います。でも,その人がどこにいるかははっきりとしていません。そのような人たちをさがしていけば,もっと話の数がふえていくのではないでしょうか?