ここがポイント!
「ヒゲナガカワトビケラ類」と「ナガレトビケラ類」の区別が大切なのは次の理由によります。
「岩手の河川には「ヒゲナガカワトビケラ類」が優占種と呼べるほどたくさん棲んでいます。したがって、水質調査の表では、「ヒゲナガカワトビケラ類」を含む8番目の「5以外のトビケラ類」の出現の欄は必ずといってよいほど埋まります。
すると、水質調査のためのトビケラ類の分類で、次に判定しなければならないのは、5番目の「ナガレトビケラ類・ヤマトビケラ類」がいるかどうかということになり、そのために「ヒゲナガカワトビケラ類」と「ナガレトビケラ類」を見分ける必要が生じてくるのです。
ただし、「ヒゲナガカワトビケラ類」と「ナガレトビケラ類」の区別はすこし難しいですが、「ナガレトビケラ類」が棲んでいるような川には、次のように、小石でドーム状の巣をつくる「ヤマトビケラ類」が棲んでいるので、この「ヤマトビケラ類」のを見つければ、5番目の「ナガレトビケラ類・ヤマトビケラ類」の出現を確認したことになり、水質判定をすることができるのです。
小石でドーム状の巣をつくるヤマトビケラ類 | ![]() |
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水生生物による水質調査では、トビケラ類をきめこまかく分類する必要はありません。
5番目と8番目の表の出現の欄が埋まるかどうかが判定できればよいのです。
指標生物 | 水質階級 | 水質 | 出現 | |
1 | ウズムシ類 | T | きれいな水 | |
2 | サワガニ類 | T | きれいな水 | |
3 | ブユ類 | T | きれいな水 | |
4 | カワゲラ類 | T | きれいな水 | |
5 | ナガレトビケラ類・ヤマトビケラ類 | T | きれいな水 | ヤマトビケラ類が見つかれば○ |
6 | ヒラタカゲロウ類 | T | きれいな水 | |
7 | ヘビトンボ類 | T | きれいな水 | |
8 | 5以外のトビケラ類 | T・U | きれいな水・少しよごれた水 | ヒゲナガが見つかれば○ |
9 | 6,11以外のカゲロウ類 | T・U | きれいな水・少しよごれた水 | |
10 | ヒラタドロムシ類 | U | 少しよごれた水 | |
11 | サホコカゲロウ類 | V | きたない水 | |
12 | ヒル類 | V | きたない水 | |
13 | ミズムシ類 | V | きたない水 | |
14 | サカマキガイ | V・W | きたない水・大変きたない水 | |
15 | セスジユスリカ | W | 大変きたない水 | |
16 | イトミミズ類 | W | 大変きたない水 | |
指標生物以外の水生生物 |
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