2024.11.28|岩手県立総合教育センターメールマガジン
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岩手県立総合教育センター
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 このメールマガジンは、岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校などへ教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。



[目次]
■1〔お知らせ〕令和6年度(第68回)岩手県教育研究発表会のお知らせ

■2〔コ ラ ム〕児童の発想


[本文]
■1〔お知らせ〕令和6年度(第68回)岩手県教育研究発表会のお知らせ

 教育センターでは、11月下旬から12月下旬にかけて、以下のとおり、研修講座を開催いたします。たくさんの先生方の申込みをお待ちしています。

1 全体テーマ
夢の実現に向けて自ら学び行動する岩手の子ども
-指導と評価の一体化で育成する確かな学力-

◇テーマの設定理由
岩手県教育委員会が策定した「岩手県教育振興計画(2024~2028)」では、基本目標を「学びと絆で 夢と未来を拓き 社会を創造する人づくり ~自分らしい生き方の実現に向けた 新たな時代のいわての教育~」としています。また、学校教育において目指す姿を「岩手の子どもたちが、自分らしくいきいきと学び、夢を育み、希望あるいわてを創造する『生きる力』を身に付けている」としています。この『生きる力』を知の側面から捉えた要素の一つ「確かな学力」は、知識及び技能のみならず、学ぶ意欲や、自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたものを指します。
この「確かな学力」は、子どもたちが日常の学びを通して主体的に資質・能力を磨くことで育成されるものであり、その実現には、子どもたち一人一人の学習状況や変容を細かに観察し、「主体的・対話的で深い学び」の視点から授業改善を継続していくこと、すなわち「指導と評価の一体化」が欠かせません。私たちには、子どもに寄り添い、その成長を確かめながら、指導の質をより高めていくための工夫を不断に行うことが求められています。
上記のテーマは令和5年度に設定され、令和10年度まで共通のテーマと考えているものであります。今年度の発表会でも、本県教育が育成を目指す子どもの姿を共有するとともに、これまで私たちが積み上げてきた教育実践を省察し、より充実した指導改善に向けて踏み出す契機とするため、昨年度同様に上記のテーマを設定しました。
引き続き、各学校、教育機関においては、数年先までの見通しを持った研究、教育実践を行い、本発表会でその成果を広く周知いただきたいと思います。

2 期日、会場、実施形態及び内容
 令和7年2月5日(水)~7日(金)の3日間で実施します。

●第1日 2月5日(水)
 6分科会を対面(注1)、リアルタイム・オンライン(注2)、オンデマンド(注3)で実施
  生涯学習推進センター 午前:教育課程一般
             午後:いわての復興教育「いきる・かかわる・そなえる」
  総合教育センター   午前:外国語活動/外国語 体育/保健体育 国語
             午後:外国語活動/外国語 理科 国語

●第2日 2月6日(木)
 開会行事・講演及び特設4分科会を対面、リアルタイム・オンライン、オンデマンドで実施
  生涯学習推進センター 午前:開会行事・講演
                講師 文部科学省初等中等教育局 主任視学官 田村 学 氏
                演題 「主体的・対話的で深い学び」を改めて考える
                  -「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実- 
             午後:特設1学力向上
  総合教育センター   午後:特設2生徒指導 特設3教育の情報化 特設4ふるさとの学び

●第3日 2月7日(金)
 10分科会を対面、リアルタイム・オンライン、オンデマンドで実施
  生涯学習推進センター 午前:算数/数学
             午後:算数/数学
  総合教育センター   午前:特別支援教育 音楽 図画工作/美術 家庭/技術・家庭 幼児教育/幼小接続 
             午後:教育相談 社会/地理歴史・公民 領域等
  花巻温泉ホテル花巻  午前:実施なし
             午後:特別の教科 道徳

注1 対面:参加者が会場に集合して行う
注2 リアルタイム・オンライン:参加者がYouTubeの同時配信を視聴する
注3 オンデマンド:参加者がYouTubeで随時視聴する
・教育相談分科会は対面に加え、講演のみリアルタイム・オンライン及びオンデマンドで実施します。
・特別の教科道徳分科会は、対面のみで実施します。
・オンデマンドは、ライブ配信直後から令和7年3月6日(木)まで視聴可能です。

3 参加申込
対面の参加を希望する方の申込みは、令和6年12月中旬から開始します。
総合教育センターHPから申込みをお願いします。
詳細は、令和6年12月上旬に総合教育センターHPに掲載します。
総合教育センターHP https://www1.iwate-ed.jp/
リアルタイム・オンライン、オンデマンドの視聴に必要なURLは、県内すべての学校・園・教育関係機関にお知らせしますので、申込みは不要です。
※講演、各分科会の詳細については、今後のメールマガジン及び総合教育センターのHPでお知らせします。



■〔コ ラ ム〕児童の発想
 
 小学校第4学年の理科では、「水は温度によって水蒸気や氷に変わること」を学習します。この授業場面では、実験用ガスコンロを加熱器具として使用し、水を加熱して、水の様子や温度の変化を観察します。結果は、どの班も、水の温度は上昇し、100℃付近になると、それ以上温度は上がらないグラフになりました。また、その時の水は、激しく泡が出ていました。当時の私は、どの班も同じような結果になったことを踏まえ、学習のまとめをしようと考えていました。
 すると、A君が「温度が上がらないのは、火の力が弱いからだよ。火をもっと強くすれば変わるよ。」と、自信をもって発言しました。私は内心「そうきたか…」と思いながら、学級の他の児童に「どう思う?」と投げかけてみました。すると、多くの児童が「そう思う」と言いました。「じゃあ、どうしたい?」と聞き返すと、「火の力を高めたい」とA君が言いました。
 理科で扱う加熱器具で、実験用ガスコンロよりも火力が強いのはガスバーナーしかありません。第4学年の児童がガスバーナーを使用するのは危険と考え、教師による演示実験で行いました。結果は、実験用ガスコンロよりも短い時間で済みましたが、実験結果に違いはありません。この結果を見たA君は「これが水の性質なんだ」とつぶやきました。さらに、「じゃ、他の液体ならどうなるのかな?」と言い、A君はさらなる問題をもつに至りました。私は、そんなA君の姿に感心し、他の物にあてはめて考えようとしたことを大いに称賛しました。
 児童は、私たち教師が教えたいように考えているわけではないことがわかります。もちろん決められた時間の範囲内で授業を行わなくてはなりません。ですから、児童に寄り添い、児童が納得いくまで追究させたいと思っていても、実現が難しいこともあります。しかし、教師の意図通りに児童が捉えているとは限りません。教師は、このことを理解しておかなければならないと考えます。
 児童の発想は、私たち教師を軽々と超えていくのですね。

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