教育センターニュース第124号 2019.03.20|岩手県立総合教育センターメールマガジン
教育センターニュース
124
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2019.03.20 お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]
■1〔研修推進〕平成31年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて

■2〔研究推進〕平成30年度研究紹介

■3〔コラム〕きっかけ

[本文]
■1〔研修推進〕平成31年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて

 平成31年度研修講座の申込みは,平成31年3月15日(金)から開始します。
・申込み手続きは,交流ネットをご利用下さい。ログイン用のIDとパスワードは,小・
中・高・特別支援学校については平成27年3月に発行されたものを,幼稚園,認定こども
園については,平成28年3月に発行されたものをご使用ください。
・入力フォームは,一人分が1画面です。複数の申込みがある場合には,画面を開き直し
て一人ずつ入力してください。
・研修講座の日程,概要を総合教育センターのWebページで閲覧することができますので
ご利用ください。(3月下旬に掲載予定)

【基本研修,特別研修について】
・基本研修,特別研修の申込み締切日は4月12日(金)となっています。申込み手続きを
お忘れにならないようにご注意ください。
・基本研修,特別研修の該当者がいない場合でも「該当者なし」と入力する必要がありま
すのでご注意ください。
・年度初めの研修申込みについてまとめた案内「4月ナビ」を,「平成31年度 教職員研
修の手引」と併せて送付いたしました(14日)のでご確認ください。
・幼稚園以外の「中堅教諭等資質向上研修」は,教育センターを会場にした集合研修を行
いませんが,交流ネットでの該当者の申込み(報告)が必要です。
・「5年研」および「中堅教諭等資質向上研修(旧10年研)」については例年育休等で延
期された方の申込み漏れがありますのでご確認願います。
・中堅教諭等資質向上研修対象者の変更について
 これまで,教職経験11年目を対象に実施していた中堅教諭等資質向上研修(以下,中堅
 研)の対象者が,平成31年度より以下のとおり変更されます。変更される校種は小学校,
 中学校,高等学校,特別支援学校です。
 ・5年研修修了後の,最初の授業力向上研修の対象者
 ・都合により平成30年度にすべての中堅研が修了せず,平成31年度に修了を予定してい
  る者
 ※平成31年度のみの特例が適応される者
 ・平成31年度に教職経験11年目の者で,平成30年度に授業力向上研修を修了した者
 ・平成31年度に教職経験11年目の者で,平成30年度から平成31年度にかけて授業力向上
  研修を修了予定の者
・授業力向上研修については後日連絡いたします。

【希望研修について】
・申込み締切日は講座開始日の2週間前に設定していますが,準備の都合上,申込み締切
日が通常より早い研修講座がありますのでご注意ください。
・各学校に配付される「平成31年度 総合教育センター研修講座(希望研修)案内」に講
座内容等が記載されています。申込みの際の参考にしてください。
・詳しくは「平成31年度 教職員研修の手引」をご覧ください。

【教育センター「明窓館」の昼食の注文方法の変更について】
 4月より,教育センターが実施する研修の,明窓館での昼食の注文方法が変更となりま
す。
・明窓館での昼食を希望する場合,事前に「岩手教育情報交流ネット」による申込みが必
要になります(研修当日の注文受付は行いません)。
・明窓館に宿泊する場合,宿泊代金に宿泊日の夕食から翌日の朝食と昼食まで含まれるの
で,昼食の注文は不要です。ただし,研修初日の昼食を希望する場合は,「岩手教育情報
交流ネット」から注文してください。
・詳しくは「平成31年度 教職員研修の手引」をご覧ください。
 

■2〔研究推進〕平成30年度研究紹介

【所員の調査・研究】
○コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成を目指す小学校外国語科指導の
 在り方に関する研究
 -WE-CANシートの開発・活用を通して-【平成30年度からの2年研究】
(担当:教科領域教育)
 平成29年3月に告示された小学校学習指導要領において,中学年に外国語活動,高学年
に教科としての外国語科が導入されました。
 本研究では,小学校教員の小学校外国語科における基本的な指導についての理解が深ま
るよう,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力及び五つの領域別の目標を正確
に捉えるとともに,資質・能力を単元など内容や時間のまとまりにおいて育成する指導の
在り方について実践を通してまとめ,基本的な考え方を示しました。


○小・中・高等学校理科における資質・能力の育成を目指した科学的に探究する授業の在
 り方に関する研究
 -学習内容と日常生活や社会との関連を図る教材開発を通して-
(担当:理科教育)
 中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編では,探究の過程を通じた学習活動
を行い,資質・能力が育成されるよう指導の改善を図ることが示されました。
 本研究では,科学的に探究する学習活動の充実を図るために,日常生活や社会との関連
を図る教材を開発しました。また,小学校・中学校・高等学校の開発教材を活用した授業
実践において,生徒の主体的に探究しようとする意欲を喚起させ,理科を学ぶ意義や有用
性を実感することに効果的であることを明らかにしました。


○論理的思考力を育むプログラミングの体験の在り方に関する研究
 -小学校における総合的な学習の時間の指導を通して-
(担当:情報・産業教育)
 本研究は,新小学校学習指導要領から導入される小学校プログラミング教育について,
総合的な学習の時間でプログラミングを体験しながら,論理的思考力を身に付けるための
学習活動として,情報の収集,整理・分析,まとめ・表現といった学習活動の中にプログ
ラミングを位置付け,授業計画や授業展開例を作成して実践し,その効果を分析・検証し
たものです。このことで児童に論理的思考力を育む探究的な学習課題の定め方と,総合的
な学習の時間が目指している資質・能力を育む方法についてまとめました。


○高等学校における特別支援教育推進に関する研究
 -校内研修プログラムの作成及び各校のニーズに応じた活用を通して-
(担当:教育支援相談)
 発達障がいを含めた障がいのある子供たちが,全ての学校や学級に在籍する可能性があ
ることを前提に,インクルーシブ教育システムの構築のために,特別支援教育をより推進
していくことが求められています。
 本研究では,高等学校に焦点をあて,校内研修プログラムを作成し,各校のニーズに応
じて,校内研修会における活用及び指導・支援の実践を通して,特別支援教育の推進を図
る方策を示しました。


【長期研修生の研究】
○幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の具現化に関する研究  
 -子供の発達や学びをつなぐ生活科を中心としたカリキュラムの作成と実施を通して-
(担当:教科領域教育)
 新学習指導要領では,幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の重要性や,低学年教育
全体における生活科の役割の重要性が一層詳しく示されました。
 本研究では,保育参観・校内研修会の実施による幼児の発達や学びの連続性への理解を
土台として,小学校第1学年における生活科を中心とした単元配列表の作成と見直し,幼
保小教職員による子供の姿(10の姿)の共有を生かした授業実践を通して,幼児期の教育
と小学校教育の円滑な接続の具現化の在り方の一例を示しました。


○高等学校生物「遺伝子とその働き」における観察・実験に関する研究
 -遺伝子を扱う教材・教具の開発と活用方法の構築を通して-
(担当:理科教育)
 次代の科学技術イノベーションにつながる遺伝子分野の実験を生徒に体験させるために
は様々な課題を解決するとともに,現状の実験の在り方を検討し,授業の充実を図ること
が必要です。
 そこで本研究では,本県のPCR法を中心とした遺伝子分野の実験の実施状況を調査し,
それを踏まえて,教員の要望に対応した教材・教具を開発しました。そして,その効果的
な活用方法を検討し,教員が観察・実験を行いやすい環境を整えました。


○高等学校における通級による指導の充実に関する研究
 -キャリア発達を支援する自立活動を通して-
(担当:教育支援相談)
 2018年4月より,高等学校における通級による指導が制度化されました。高等学校を最
後の出口とする生徒がいる中で,高等学校段階におけるキャリア発達を支援する教育は特
に重要であり,個に応じた支援の必要性が求められています。
 そこで本研究では,キャリア発達を支援する視点に基づいた,通級による指導である自
立活動を通して,生徒が自己の特性を理解し,困難を改善・克服するための方法を提示
し,高等学校における通級による指導の充実に役立てる方向性を示しました。


○特別支援教育コーディネーター業務の推進に関する研究
 -多様なニーズをもつ一人一人の子供の育ちを支える関係機関連携を目指して-
(担当:教育支援相談)
 幼稚園,小・中学校,高等学校における子供たちの抱える課題は複雑化・多様化してお
り自校(園)内では解決が難しく,対応に苦慮する様子が見られます。
 本研究は,特別支援教育コーディネーター業務の中でも関係機関との連携に焦点を当
て,相談実践を検証し,連携を組織的,継続的に実施する取組やその進め方を提示するこ
とを通して,多様なニーズをもつ子供の育ちを支える関係機関連携の在り方について明ら
かにし,各校(園)の相談支援機能の強化及び地域としての専門性の担保となることを目
指しました。


■3〔コラム〕きっかけ

 「ぼうさい甲子園」を知ったのは今から約13年前のこと。毎日新聞社からの1本の電話
がきっかけでした。その電話でぼうさい甲子園とは,阪神・淡路大震災の経験と教訓を未
来に継承する目的で始まり,学校や地域で防災教育・防災活動をしている子供たちを顕彰
する事業であることを知りました。平成18年度からこの事業に応募し,のちに最優秀にあ
たる「ぼうさい大賞」を受賞して,報道機関でも何度か紹介された,宮古工業高校の「津
波模型」といえばご存知の方もいらっしゃるでしょうか。
 この津波模型は,縦横1,800mm程の大きさで,等高線や等深線のデータを基に忠実に作
られており,そこに実際の水を使って津波を発生させることができるのが大きな特徴で
す。他学科とも連携し,それぞれの専門性を生かしたものづくりと,小中学校への出前授
業などで,工業教育のみならず,地域の津波防災活動にも大きく貢献してきました。東日
本大震災の発生前,ある小学校への出前授業で模型に津波を発生させたときの,「僕んち
まで波が来たー!」と目を丸くした児童のリアクションは今でも忘れられません。その数
年後,模型が“予言”した通りに津波が来ようとは…。震災から8年,当時の出前授業を
含めた津波防災活動が,子供たちの未来を繋いでくれたはずと信じてやみません。
 実は製作当初は,模型に津波を発生させるという構想はありませんでした。製作を進め
る中で色々な意見やアイデアが出され,それがきっかけとなって津波防災へと舵を切り,
模型は津波模型へと変化していったのです。もしもそれがなければ,今頃はただの模型の
ままで,小中学校へ出前授業に行くことも,生徒と一緒に津波防災活動をすることもな
く,「ぼうさい甲子園って何?」の状態だったかも知れません。これまでの得がたい経験
を振り返るとき,人との出会いを含めた素晴らしいきっかけに恵まれた幸運を想うのでし
た。
 学校生活は,そのすべてが子供たちに何らかのきっかけを与える場になるのではないで
しょうか。授業や部活動はもちろんのこと,子供たちとの何気ない会話やしぐさ,教師自
身の生き様もそうなのかもしれません。教師として人として,子供たちに成長の糧とな
る,いいきっかけを与えられる存在でありたいものです。


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