岩手県立総合教育センター 教育研究
平成18年度 第162号
所員研究発表資料集


  当センターの研究事業は、本県における教育上の重要な課題を取り上げ調査研究し、その成果について教育機関に広く普及を図り、本県の教育の向上に資することを目的としています。
 「平成18年度岩手県立総合教育センター教育研究第162号」は、平成19年1月9日〜10日に開催しました岩手県教育研究発表会で発表した所員の研究、また中間報告としてWebで発表した研究をまとめたものです。それぞれの研究は、各教科や領域、分野の当面する教育課題を直視しながら、その解決の道筋を明らかにするとともに、実態調査等で得られた問題点を整理し、手だての試案等の作成や実践結果の分析を行ってその成果と課題を明確にしました。この「教育研究」を各学校等で活用され、研究についてのご意見、ご感想を当センターにお寄せいただければ幸いです。
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研究発表資料
No 領域 研究主題及び内容 年次 担当室
h18_01a1 教科指導
中学校国語科、数学科、英語科における学力向上を図るための研究
−Gアップシートの作成をとおして−

研究の概要
 この研究は、中学校国語科、数学科、英語科における学力向上を図るために、本県の課題に対応できるように内容を整理した評価規準「いわてスタンダード」とそれに基づいた評価問題で構成した学習シート「Gアップシート」の作成を行ったものである。「いわてスタンダード」は、教師の授業づくりや指導構想を支援するものであり、「Gアップシート」は、生徒の学習を直接支援するものである。このことから、指導と評価の一体化を図るための参考資料として活用できることが明らかになった。
キーワード
学力向上 評価規準 身に付けさせたい力、授業改善 学習支援 評価シート
18 プロジェクト(教科領域教育室・企画調査室)
h18_02a3 社会科指導
中学校社会科における「社会的な思考・判断」についての評価の在り方に関する研究
−評価問題の作成と活用をとおして−

研究の概要
この研究は、「社会的な思考・判断」に関する評価問題の作成と活用をとおして「社会的な思考・判断」の評価の在り方について明らかにし、中学校社会科における学力向上と指導の改善に役立てようとするものである。「社会的な思考・判断」のとらえについて整理し直し、評価問題作成のポイントと手順を示し、それに基づいた授業実践を行うことで、「社会的な思考・判断」の評価の在り方について示すことができた。
キーワード
社会的な思考・判断 評価の在り方 評価問題の作成と活用 学力の向上、評価問題作成の手順
18 教科領域教育室
h18_04a2 理科指導
理科における学習の定着を高めるための観察・実験教材の開発に関する研究
−小・中学校の学習定着度状況調査の分析を通して−

研究の概要
 小・中学校の学習定着度状況調査で定着の低い単元に着目し、より効果的な観察・実験の備えるべき要件についての考え方を明らかにした。これをもとに従来の観察・実験教材の見直しを図り、物理・化学・生物・地学の4領域で新たに12個の観察・実験教材を開発した。開発した教材を用いて授業実践を行い、児童・生徒の学習の定着の高まりを検証し、開発教材の有効性を示すことができた。 
キーワード
小・中学校理科 観察・実験教材 学習の定着 学習定着度状況調査
18 科学産業教育室
h18_04b1 理科指導
中・高等学校における理科の野外観察の指導力向上に関する研究
−教師用露頭指導セットの作製をとおして−
研究の概要
 中高教師5名を対象に花巻市葛丸川流域にて数回の野外観察を実施し指導力向上を図った。指導力向上には一切の露頭資料を提示せずに探究的に野外観察を行わせ観察データや試料を教材化させ、教師同士による模擬授業の実践まで行う過程が有効であることが明らかになった。さらに、研究協力員が開発したそれらの教材・指導案の検討を行い、授業で活用が期待される露頭写真、地質の解説等をまとめた教師用露頭指導セットを作製できた。
キーワード
野外観察、指導力向上、教師用露頭指導セット、花巻市葛丸川流域、楢ノ木大学士の野宿
18 科学産業教育室
h18_08a3 技術・家庭科指導
技術・家庭科における生活を工夫する力を高める教材の開発に関する研究


研究の概要
 この研究は、生徒が習得した基礎的な知識と技術を積極的に活用し、生活を工夫する力を高める教材の開発をし、その教材の活用を通して、教材の有効性を確かめ、学習指導の改善に役立てようとするものである。開発した「基本教材」・「製作完成見本教材」・「製作支援教材」等による授業実践を行い、生徒が将来的にも生活を営む上で生じる問題を解決するために役立ち、自分なりに生活を工夫できる教材であることを示すことができた。
キーワード
技術・家庭科 生活を工夫する力 教材の開発
18 科学産業教育室
h18_16b4 情報教育
体験的な学習活動を取り入れた情報モラルの指導に関する研究
−情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方や態度の育成を目指して−

研究の概要
 この研究は、児童生徒に情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方や態度の育成を目指して、体験的な学習活動を取り入れた情報モラルの指導を明らかにしようとするものである。開発した体験的な学習ができる教材システムを活用することにより、各発達段階で身に付けさせたい情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方や態度を育成できることを明らかにできた。
キーワード
情報教育 情報モラル 指導計画 体験学習
18 情報教育室
h18_18a3 保育/幼稚園教育
幼小連携のカリキュラム作りに関する研究
 −発達段階に応じた子どもの学びを軸として−

研究の概要
 この研究は、子どもの発達段階に応じた学びを軸とするカリキュラムを作成し、幼小連携の推進に役立てようとするものである。学びの接続を可能とする活動として、幼稚園年長児後半の協同的な学び、小学生一年生一学期の生活科を核とした合科総合的な活動、幼小交流活動を提案した。収集した実践例から、学びの姿をとらえ、指導と環境構成の工夫や充実によって、なめらかな接続が可能になることが明らかになった。 
キーワード
幼小連携 発達や学びの連続 幼小交流活動 相互理解協同的な学び 生活科を核とした合科総合的な活動
18 教科領域教育室
h18_19b4 特別支援教育
 中学校・高等学校における特別支援教育校内体制の確立に関する研究
−既存の校内体制の活用・発展をとおして−

研究の概要
 この研究は、中学校・高等学校における軽度発達障害のある生徒に対する特別支援教育校内体制の在り方を明らかにしようとするものである。昨年度、県内全ての中学校・高等学校を対象に行った調査結果に基づき、既存の校内体制を活用・発展した校内体制を確立するための「手引き」を作成し、指導実践を行った。その結果、作成した「手引き」は、中学校・高等学校におけるLD、ADHD等の生徒に対する特別支援教育校内体制確立のために役立つことが明らかになった。
キーワード
特別支援教育 既存の校内体制 軽度発達障害 校内協力 二次的な障害
17〜18 特別支援教育室
h18_20d3 教育相談
学校教育相談の在り方に基づく児童生徒への指導・援助に関する研究
―事例に即した手引きの作成―

研究の概要
 この研究は、学校教育相談の在り方(全体像)を示し、それに基づいた分類基準に事例を位置付けるとともに、多様な事例から学び取った小学校、中学校、高等学校における学習面、キャリア面、生活面での指導・援助のポイントを示し、学校教育相談の充実に役立てようとするものである。この手引きの作成によって、指導・援助のポイントを「事例解説」と「キーワード解説」としてまとめ、活用しやすい形で示すことができた。
キーワード
学校教育相談の在り方 指導・援助のポイント 事例解説 キーワード解説
18 教育相談室
中間報告書
No 領域 研究主題 年次 担当室
h18_8901 授業改善
授業改善を図るための校内授業研究の進め方に関する研究
−「校内授業研究の進め方ガイドブック」の作成と活用をとおして−

研究の概要
 本研究は、校内授業研究の進め方について明らかにし、教師の力量向上と授業改善に役立てることを目的としたものである。校内授業研究における視点や、そこで取り上げるべき内容、授業研究会の進め方等を具体的に示した「校内授業研究の進め方ガイドブック」を作成するとともに、研究協力校でのガイドブックを活用した実践をとおして、その有効性を検証するものである。
キーワード
授業研究 授業改善 授業力 ガイドブック 授業力量技術的実践 反省的実践
18〜19 教科領域教育室・情報教育室
h18_8902 小規模・複式指導
小学校複式学級における学年別の学習指導の充実に関する研究
−複数学年で学習するよさを生かした社会科、理科の学習指導案の作成をとおして−

研究の概要
 この研究は、複数学年で学習するよさを生かした社会科と理科の学習指導案を作成することをとおして、小学校複式学級における学年別の学習指導を充実させるものである。複数学年で学ぶよさを追究し、単元配列を組替えた結果、複数学年の学習内容を関連させた社会科、理科の学年別学習指導が一部、可能であることが明らかになった。
キーワード
複式学級 学年別指導 単元配列 異学年 学年別学習指導案
18〜19 教科領域教育室

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