昨年12月26日、文部科学省から、中央教育審議会の答申を踏まえ、「小学校、中学校、高等学校等の学習指導要領の一部改正等について」が告示されました。歯止め規定にかかる記述の変更など「基準性の明確化」をねらいとし、児童生徒に対する共通に指導すべき内容の範囲や程度が一層明確になりました。また、教員には、多様な指導方法の中から、児童生徒の学習状況や指導内容に応じた適切な指導方法を選択することが、これまで以上に求められています。
学校では、基礎・基本の確実な習得、心の教育の充実、関心・意欲の育成、少子化への対応、学校裁量の拡大、いじめ・不登校問題など、多岐にわたる課題についての早急な取り組みを迫られており、これらの課題解決に向けて、「どこの場で(対象・領域)、何のために(目的)、何を求めて(目標)、何をなすべきか(手だて・工夫)」を思索し、親は、教師は、地域住民はどうすればよいのか、根底から問い直していく必要があります。
当センターにおきましても、これらの教育課題の解決のために、各教科等における研究をとおして児童生徒の基礎的・基本的な内容の定着の育成や個性の伸長等にかかわる研究を進めてまいりました。教育研究においては、各教科等及び現代的教育課題について、その姿を的確にとらえ、解決のための道筋、指導内容や指導方法等を明らかにすることが大切であると考えております。
この度発刊の「教育研究159」は、過日開催いたしました第47回岩手県教育研究発表会で発表した27主題の研究を教育関係者からの要望もあり、「教科編」「領域・分野編」「教育相談・特別支援教育編」「情報教育編」の4分冊にし、利便性を図りました。それぞれの研究は、各教科等の当面する教育課題を直視しながら、その解決の道筋を明らかにするとともに、実態調査等で得られた問題点を整理し、手だてにかかわる試案等の作成や実践結果の分析を行って、その成果と課題を明確にしたものです。この「教育研究159」を各学校で活用され、研究についてのご意見を当センターにお寄せいただければ幸いです。
終わりに、研究を進めるに当たって調査にご協力を賜りました県内の学校の校長先生をはじめ先生方、そして、授業実践等のご協力を賜りました研究協力校や研究協力員の校長先生、先生方に対し、心からお礼申し上げます。
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