平成16年度 岩手県立総合教育センター長期研修生(2年) 研究発表資料集

 「平成16年度岩手県立総合教育センター長期研修生(2年)研究発表資料集」は、平成17年2月8日〜10日に開催しました岩手県教育研究発表会で発表した長期研修生(2年)の研究8主題とWebページで公開した中間報告書7主題をまとめたものです。それぞれの研究は、各教科や領域、分野における教育課題を直視しながら、その解決の道筋を明らかにするとともに、実態調査等で得られた問題点を整理し、手だての試案等の作成や実践結果の分析を行ってその成果と課題を明確にしました。この「研究発表資料集」を各学校等で活用され、研究についてのご意見、ご感想を当センターにお寄せいただければ幸いです。
研究主題をクリックすると、ファイル(PDF形式)が開きます。
なお、いわて教育情報ネットワークの教育研究データベース(http://www1.iwate-ed.jp/db/db1/index.html)にも掲載しておりますのでご覧ください。
研究発表資料
No 領域 研究主題及び内容 年次
10c06 道徳
心に響く道徳の時間の指導に関する研究
−生徒の価値意識や生活の実態に応じた指導過程と指導法の工夫をとおして−


研究の概要
 この研究は、中学校の道徳の時間において、生徒の価値意識や生活の実態に応じた指導過程と指導法の工夫することにより、生徒の心に響く道徳の時間の指導について明らかにし、道徳の時間の指導の充実に役立てようとするものである。
今年度中学校で行った実践では、昨年度作成した手だての試案を基に、生徒の価値意識や生活の実態を把握し、その実態に応じた豊かな表現活動を位置付けた指導過程を作成し、作成した指導過程に基づき、資料の選択や提示の仕方を工夫した指導を行った。
指導実践の結果を、道徳の時間において、生徒が自分の心に道徳的価値を受け止め、これからの生き方をつくりあげようとする思いをもつことが確かめられた。また、本研究の指導の手だてが、中学校の道徳の時間において、生徒の心に響く道徳の時間を展開する上で有効であることが確かめられた。
15〜16
11b03 特別活動
学校生活への適応と主体的な選択を促す中学校学級活動の進め方に関する研究
−ガイダンスの機能を生かした指導計画の作成をとおして−


研究の概要
 この研究は、ガイダンスの機能を生かした指導計画の作成をとおして、学校生活への適応と主体的な選択を促す中学校学級活動の進め方を明らかにし、中学校における学級活動の指導の改善に役立てようとするものである。
 2年次研究の2年目である本年度は、ガイダンスの機能を生かした単位時間の指導計画案の作成並びに昨年度提案した3年間の指導計画案と各学年の指導計画案の修正を行った。そして、その計画案に基づいた指導実践を行い、その結果の分析と考察をとおして、学校生活への適応と主体的な選択を促す中学校学級活動の進め方に関する妥当性の検討を行った。
 研究の結果、本研究で作成したガイダンスの機能を生かした学級活動の指導計画案は、学校生活への適応と主体的な選択を促す上で効果があり、中学校学級活動の指導の改善に役立つという見通しをもつことができた。
15〜16
12a02 学年・学級経営
児童相互の好ましい人間関係を育てる学級経営の在り方に関する研究
−学級経営プログラムの作成と活用をとおして−


研究の概要
 この研究は、各教育活動を関連付け、児童相互の人間関係を年間を見通して段階的に育てる指導を進める学級経営プログラムの作成と活用をとおして、児童相互の好ましい人間関係を育てる学級経営の在り方を明らかにし、小学校学級経営の充実に役立てようとするものである。
 2年次研究の2年目にあたる本年度は、昨年度作成した学級経営プログラムを活用した指導実践と実践結果の分析・考察を行った。さらに、その分析・考察から明らかになった学級経営プログラムの改善・修正の視点に基づき、活用の手引きを付記した学級経営プログラムを作成した。
 その結果、「年間を見通した段階的な指導」「教育活動全体による組織的な指導」の視点から作成した学級経営プログラムは、児童相互の好ましい人間関係を育てる学級経営を意図的、計画的に進める上で有効であることが確かめられ、その活用が小学校学級経営の充実に役立つという見通しをもつことができた。
15〜16
13c09 総合的な学習の時間
教科との関連を図る小・中学校総合的な学習の時間の改善に関する研究
−総合的な学習単元カリキュラムのリフォームをとおして−


研究の概要
 この研究は、総合的な学習の時間の単元カリキュラムのリフォームをとおして、小・中学校における教科との関連を図る総合的な学習の時間の指導の改善に役立てようとするものである。
本年度は、昨年度作成した教科との関連を図る総合的な学習の時間のリフォーム試案に基づき、「今までの実践の蓄積の中から、望ましい総合的な学習の時間の姿をイメージする」といった視点から、リフォームの手順・方法を具体化した総合的な学習単元カリキュラムを立案した。そして、このカリキュラムの一部について研究協力校で実施し、教師の理解や意識の状況、児童生徒の様子をとらえ、リフォーム試案に基づく総合的な学習単元カリキュラムの妥当性について検討した。
その結果を受けて、総合的な学習単元カリキュラムのリフォームの具体的な手順や方法の一端を「総合的な学習単元カリキュラム・リフォームの手引き」にまとめることができた。教師の理解を深め意識化を図り、学校における積極的な活用に資するものと考える。
15〜16
15b01 情報教育
小・中学校における情報モラルの指導の在り方に関する研究

研究の概要
 この研究は、児童生徒の活動場面に応じ、情報モラルの指導内容を位置づけた学習指導計画の作成と授業実践をとおして、小・中学校における情報モラルの指導の在り方を明らかにし、情報教育の充実に役立てようとするものである。
そのために、小・中学校それぞれで最優先に指導しなければならない事項を全て含んだ指導プログラムとそこで用いる教材を作成した。指導プログラム等は小・中学校の研究協力校における授業実践を通してその有効性を検討し、次の成果をあげることができた。
 (1)授業に活用できるテキストやWeb教材を作成することができた。(2)作成した資料を用いて小・中学校で授業実践を行い、以後の活動に関連する内容については有効な指導ができるが、体験が予定されていない内容では有効性が出ないことを確認することができた。(3)(2)の結果をもとに調べ学習を前提とした1単位時間の情報モラル指導プログラムを提案することができた。
15〜16
15c05 情報教育
小学校における校内イントラネット等の活用に関する実践的研究
−協調学習における活用場面を中心として−

研究の概要
 この研究は、平成17年度を目標に「教育の情報化プロジェクト」が進む状況の中で、小学校における協調学習場面を中心に校内イントラネット等の効果的な活用の在り方について明らかにし、教科指導等の充実に役立てようとするものである。
そのために、本年度の研究では、教室等の学習場所における機器配置、学習の中で活用を行う場面、校内イントラネット等のページ、学習に用いる教育用コンテンツ等について検討し、手だての試案を作成した。作成した手だての試案を基に5年生算数「小数のわり算」と6年生社会「新しい日本の国づくり」の単元において、授業実践及び結果の 分析と考察を行った。
 その結果、校内イントラネット等を活用することで、児童がより興味・関心をもって主体的に学習に参加することが確かめられ、協調学習における活用場面を中心に、小学校における校内イントラネット等を活用した学習の在り方について明らかにすることができた。
15〜16
19c05 特別支援教育
特殊学級における自閉症児への指導の在り方に関する研究

−認知特性と発達段階に応じた指導の最適化を図る手だての構築をとおして−

研究の概要
 この研究は、特殊学級における自閉症児の認知特性と発達段階に応じた指導の最適化を図る手だてを構築し、実践をとおして、障害に応じた指導の充実に役立てようとするものである。
 そのために、(1)主に指導方法にかかわる「認知特性に応じた指導の手だて」と、(2)主に指導内容にかかわる「発達段階に応じた指導の手だて」の二つの手だてに基づいた指導実践を行い、実践結果の分析と考察を行った。
 その結果、認知特性と発達段階の視点から、関連性を考慮に入れて、指導方法と指導内容を設定したり見直ししたりすることが可能となり、自閉症児の変容を見出すことができた。このことから、本研究の手だてが、特殊学級における自閉症児への指導の最適化を図るために有効であることが確認できた。
15〜16
20c06 教育相談
小学校における児童の人間関係能力を育てることに関する研究

研究の概要
 この研究は、小学校中学年において、集団体験活動をとおして、互いにはたらきかけ、自他の違いやよさに気付き、自分も相手も大切にしようとする人間関係能力を育てる教育相談の在り方を明らかにし、学校教育相談の充実に役立てようとするものである。
 本年度は、「はたらきかけること」「認め合うこと」を要素とした指導・援助試案に基づいた実践プログラムを作成し、研究協力校において実践し、その結果について分析と考察を行った。
 研究の結果、「他者との基本的なかかわり方を身に付けること」 「かかわる楽しさを味わうこと」 「関係を広げること」「肯定的な相互評価で自己理解や他者理解を深めること」をねらいとした集団体験活動に、意図的・計画的に取り組むことは、小学校中学年の児童の人間関係能力を育てる上で、効果があることが確かめられた。
15〜16
中間報告書
No 領域 研究主題 年次
01 小規模・複式指導
小規模校における主体的に学ぶ力を育成する学習指導に関する研究
−学びの場を学級・学校外へと広げた学級活動モデルプランの作成をとおして−

16〜17
02 生徒指導
中学校における積極的な生徒指導の在り方に関する研究
−日常の授業に生徒指導の機能を生かす手引きの作成をとおして−

16〜17
03 教育相談
中学校における予防的・開発的教育相談の在り方に関する研究
−ソーシャルスキルトレーニングを中心として−

16〜17
04 特別支援教育
地域の小・中学校と盲・聾・養護学校の連携の在り方に関する研究
−相互の特別支援教育コーディネーターの交流ファイルの活用をとおして−

16〜17
05 理科
小学校理科における基礎・基本の定着を図る学習指導に関する研究
−B 物質とエネルギー「物の燃え方」の指導過程と教材の工夫をとおして−

16〜17
06 技術・家庭科
技術・家庭科における基礎的な知識と技術を習得させる学習指導に関する研究
−食生活の学習手引書の作成とその活用をとおして−

16〜17
07 情報教育
小学校における学習コンテンツを活用した授業に関する研究
−各教科の指導内容に即した教材の開発とカリキュラムへの位置づけをとおして−

16〜17

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