『礼記』*に「二十曰弱、冠」とあって、成人式を挙げ冠を着けるのだと言います。18歳で成人・選挙権の国も多いようですが、我が国が20歳を成人としているのは、遠くこのあたりに発するのだろうかと思います。 |
成人は一人前と言うことですが、何を以て一人前と認定するのかは時代や民族によります。 |
嘗ての「元服」は12歳前後でした。 |
当センターが、花巻に移転して20年になりました。 |
「成人」を迎えたわけですが、子には親が、道には先達が在るように、全てに経緯があります。昭和23年の「岩手県教育研究所」の伝統を引き継いでからの歴史は60年を重ねます。 |
成人の基準は各国各地様々ですが、本来は、年齢や成長ではなく、「集団に貢献できる能力の如何」にあったそうです。 |
当センターにおけるそれぞれの仕事が、諸先輩の赫々たる成果を引き継ぎ、更に、岩手の教育界に資する、貢献できるものになっているか否か。日頃自らの課題については、目標を定め、努力し、評価し、次の営為を重ねているところではありますが、こうした機会に改めて自省したいものです。 |
弱冠には、「若い・未熟」の意もあります。 |
「弱冠二十歳」は、青年が軒昂たる内心を抱いて、失敗をおそれず挑戦していく姿を謙遜した自称としては許されます。 |
「能力を成人の基準にすれば、生涯成人できない者が現れるし、年齢を基準にすれば成人待遇してはならない者まで包含される・・・」という長上の嘆きも聞こえてきそうな昨今、60歳・耳順は、既に功成り名遂げた完成の境地であるとしても、翻って、現在の当センターはいかがか。「成人し、二十歳にもなって・・・」と囁かれることのないようにしたいと願います。 |
*五経、易・詩・書・礼・春秋 の一つ |