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このメールマガジンは,岩手県内の幼稚園,小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,特別支援学校へ,教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。 | |||||||||
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[目次] |
■1〔研修推進〕 『平成29年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて』 ■2〔研究推進〕 『平成28年度の研究紹介』 ■3〔コ ラ ム〕 『卒啄同時 〜師弟の絆〜 (卒啄の卒は口偏に卒)』 |
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[本文] |
■1〔研修推進〕『平成29年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて』 |
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■2〔研究推進〕『平成28年度の研究紹介』 本年度,総合教育センターが行った所員及び長期研修生による主題研究の内容を紹介 します。 【所員の主題研究】 ○資質・能力の「三つの柱」を総合的に育む授業の在り方に関する研究 【2年研究の1年次】 −「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す「アクティブ・ラーニング」の視点か らの授業改善を通して− ※対象校種・教科は,中学校及び高等学校の国語科,数学科,理科,社会科,地理歴史 科,公民科,外国語(英語)科 次期学習指導要領では,「何を学ぶか」という指導内容の見直しにとどまらず,「ど のように学ぶか」「何ができるようになるか」までを見据えた改訂がなされる見通しで す。本研究では,「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す「アクティブ・ラーニ ング」の視点からの授業改善と学習評価の工夫により,資質・能力の「三つの柱」を育 む授業の在り方について提案を目指すものです。2年研究の1年次にあたる今年度は, 授業実践を往還しながら研究理論を構築し,その内容を教科毎にガイドブックにまとめ ることができました。 ○高等学校理科「物理基礎」における学習指導要領に対応したサポート資料の作成 本研究では,高等学校の物理を専門としない理科教員が,「物理基礎」の授業を展開 できるように支援する内容を盛り込んだサポート資料を作成しました。また,サポート 資料を活用した授業実践がもたらす3つの効果を生徒の行動記録やワークシートの自由 記述から明らかにすることができました。どうぞご活用下さい。 ○小規模な高等学校における教育の質を確保するための遠隔授業の実証的調査研究 (文部科学省「多様な学習を支援する高等学校の推進事業」)【2年研究の1年次】 県内高等学校小規模校では,教員数が限定されるため,生徒の多様な進路希望等に応 えた選択科目を開設できないことが課題となっています。本研究は,今年度からの2年 研究で,効果的な遠隔授業を実現するための具体的な方法,学習評価等の在り方につい て検討しています。また,模擬授業や課外授業および授業検討会を通して教科・科目ご との効果と課題を分析し,遠隔授業が対面による授業と同等の効果を上げるための条件 や留意点などを明らかにすることを目指しています。 ○特別支援教育におけるタブレットPCを活用した効果的な教育実践に関する研究 特別な支援を要する児童生徒に対し,特性に応じた支援を行うためにICT機器活用へ の期待が高まっています。そこで,本研究では,個の特性に応じたタブレットPCの活用 を可能とする手立ての構築と,指導計画にタブレットPCを取り入れた指導を位置付けた 取組を行うことを通して,個の特性に応じたタブレットPCの効果的な活用方法について 明らかにしました。個の特性に応じるためのアセスメントツールと個別の指導計画様式 を「タブレットPCの活用促進パッケージ」としてまとめました。どうぞご活用下さい。 【長期研修生の主題研究】 ○小学校における「考え,議論する」道徳科授業の在り方に関する研究 −親切,思いやりを体系的に育む問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習 を取り入れた指導方法の工夫− 他者と共によりよく生きる基盤となる道徳性を養うため,親切,思いやりの道徳的価 値の指導内容を低・中・高学年ごとに「気付く」「分かる」「生かす」の3つの観点で 具体化し,体系的な指導,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習を取り 入れた学習指導過程例を作成しました。また,それに沿って,授業実践を行い,小学校 における「考え,議論する」道徳科授業の1つの在り方を提示することができました。 ○中学校における「考え,議論する」道徳科授業の在り方に関する研究 −道徳的価値について多面的・多角的に学ぶ問題解決的な学習を取り入れた授業づくり を通して− 他者と共によりよく生きる基盤となる道徳性を養うため,道徳的価値について多面的・ 多角的に学ぶ問題解決的な学習を取り入れた授業における条件,基本となる学習指導過 程を作成しました。また,それに沿って4つの授業実践を行い,中学校における「考え, 議論する」道徳科授業の在り方について提示することができました。 ○高等学校家庭科におけるICT機器を活用した学習指導に関する研究 本県における高等学校家庭科でのICT機器の活用は,一斉学習での「教員から生徒へ の教材提示」,協働学習での「学習成果の発表での活用」にとどまりがちで,授業実践 事例を示した資料も十分とはいえない状況にあります。本研究では,ICT機器を活用し た効果的な学習展開を考え,授業実践を通して効果的なICT機器の活用方法を検証し, その留意点をまとめた学習展開例を作成することができました。 ○重度・重複障がいのある児童生徒の教育内容・指導方法の充実に関する研究 −「人とのつながり」に視点を当てたAT・ICT機器の活用による授業実践を通して− 体調管理が難しく,学習場面の制限が多い訪問学級や重複障がい学級で学ぶ児童生徒 は,他者とつながりをもって学習することが難しい状況にあります。本研究では,個と 他者をつなぐリアルタイムな双方向型の学習や他者とつながる集団学習において,「人 とのつながり」に視点を当てたAT・ICT機器の活用による授業の有効性を明らかにし, 教育内容・指導方法の充実に役立てるためのICT活用授業実践資料を作成しました。ど うぞご活用下さい。 |
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■3〔コラム〕『卒啄同時 〜師弟の絆〜 (卒啄の卒は口偏に卒,以下*印)』 三寒四温の季節が到来し,少しずつではありますが春の足音が聞こえてきました。学 び舎を巣立つ子供たちとの別れの季節でもあります。感謝と希望を胸に学び舎を卒業し ていく子供たちと,たくさんの愛情を注ぎ育ててきた子供たちを見送る先生方の姿は, いつの時代においても感動を呼びます。まさに師弟関係の集大成と言えるのではないで しょうか。 「卒(*)啄同時」という禅の言葉があります。雛鳥が卵から産まれ出ようとするとき, 殻の中から卵の殻をつついて音をたてます。これを「卒(*)」と言います。その機をと らえ,すかさず親鳥が外から殻をついばんで破る,これを「啄」と言います。この 「卒(*)」と「啄」が同時であってはじめて,殻が破れて雛が産まれます。これは,師 弟関係にも通ずる言葉だと言われています。 子供が成長する機を瞬時にとらえ必要な教えを授けるのは容易なことではありません。 子供の内面を理解し,的確に見取り,その子に応じた最適な指導を判断していく力が常 に求められます。何よりも,その土壌となる子供と教師の固い信頼関係が育まれていな ければなりません。それを為し得るのは,きっと子供たちの成長を願う教師の真摯な姿 勢であり,常に子供たちから学び,自分自身を磨き続ける修養にほかならないのだと思 います。 もうすぐ春の到来を迎えます。これから出会う子供たちと,新たな絆を紡いでいく先 生方の「卒(*)啄同時」の営みに心からエールを送りたいと思います。 |
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教育センターニュース 第107号/発行元 岩手県立総合教育センター |