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このメールマガジンは、岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校へ、教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。 | |||||||||
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[目次] |
■1〔研修推進〕 平成30年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みのお知らせ |
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[本文] |
■1〔研修推進〕平成30年度に総合教育センターで実施する研修講座の申込みについて 平成30年度研修講座の申込みは、平成30年3月26日(月)から開始します。 ・申込み手続きは、交流ネットをご利用下さい。ログイン用のIDとパスワードは、小・中・高・特別支援学校については平成27年3月に発行されたものを、幼稚園、認定こども園については、平成28年3月に発行されたものをご使用ください。 ・入力フォームは、一人分が1画面です。複数の申込みがある場合には、画面を開き直して一人ずつ入力してください。 ・研修講座の日程、概要を総合教育センターのWebページで閲覧することができますのでご利用ください。(3月下旬に掲載予定) 【基本研修、特別研修について】 ・基本研修、特別研修の申込み締切日は4月13日(金)となっています。申込み手続きをお忘れにならないようにご注意ください。 ・基本研修、特別研修の該当者がいない場合でも「該当者なし」と入力する必要がありますのでご注意ください。 ・年度初めの研修申込みについてまとめた案内「4月ナビ」を、「平成30年度 教職員研修の手引」と併せて送付いたしました(14日)のでご確認ください。 ・幼稚園以外の「中堅教諭等資質向上研修」は、教育センターを会場にした集合研修を行いませんが、交流ネットでの該当者の申込み(報告)が必要です。 ・「5年研」および「中堅教諭等資質向上研修(10年研)」については例年育休等で延期された方の申込み漏れがありますのでご確認願います。 ・授業力向上研修については後日連絡いたします。 【希望研修について】 ・申込み締切日は講座開始日の2週間前に設定していますが、準備の都合上、申込み締切日が通常より早い研修講座がありますのでご注意ください。 ・各学校に配付される「平成30年度 総合教育センター研修講座(希望研修)案内」に講座内容等が記載されています。申込みの際の参考にしてください。 ・詳しくは「平成30年度 教職員研修の手引」をご覧ください。 |
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■2〔研究推進〕平成29年度の研究紹介 本年度、総合教育センターが行いました所員及び長期研修生による主題研究の内容を紹介します。 【所員の主題研究】 ○資質・能力の「三つの柱」を総合的に育む授業の在り方に関する研究 -主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して- 【2年研究2年次】 ※対象校種・教科は、中学校及び高等学校の国語科、数学科、理科、社会科、地理歴史科、公民科、外国語(英語)科新学習指導要領では、「生きる力」を子供たちに育むために、全ての教科等の目標及び内容が「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の「三つの柱」で整理されました。本研究は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善と学習評価の改善に取り組み、資質・能力の「三つの柱」の育成につなげる授業の在り方について提案するものです。1年次の研究を土台に、実践を踏まえながら単元の指導を構想する際の考え方や資質・能力を見取る評価方法の例などをまとめ、1年次に作成した各教科のガイドブックを更新しました。 〇小規模な高等学校における教育の質を確保するための遠隔授業の実証的調査研究(文部科学省「多様な学習を支援する高等学校の推進事業」) 【2年研究・2年次】 岩手県内の高等学校の小規模校では、配置される教員数が限定されることから各教科・科目等の専門知識を有する教員が十分に確保されず、生徒の多様な進路希望等に応えた選択科目を開設できないことが課題となっています。本研究では、1年次の研究の成果・課題の上に、遠隔教育システムを活用した授業(遠隔授業)を実施し、その効果と課題の分析から、遠隔授業の長所と短所及び、実施するための具体的な方法、対面の授業と同等の効果を上げるための条件や留意点をまとめました。 〇高等学校における「通級による指導」の導入に関する研究 -校内教育支援の体制面と運用面の整備を通して-(文部科学省「高等学校における特別支援教育推進のための拠点校整備事業」) インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進という方向性のもと、高等学校における「通級による指導」が制度化されることとなりました。「通級による指導」は、学びの連続性を担保し、生徒が学習上又は生活上の困難を克服し、主体的な取組を実現していくことにつながるものと期待されます。本研究は、高等学校における「通級による指導」の導入に当たり、特別の教育課程を編成・実施するための要件を、校内教育支援の体制面と運用面の整備を通し、明らかにすることを目指したものです。 【長期研修生の主題研究】 ○小学校道徳科における評価の在り方に関する研究 -児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を見取り、評価する方法の充実を目指して- 道徳教育の充実を目指した小学校における「特別の教科道徳」(以下「道徳科」)が平成30年度から全面実施されることに伴い、道徳科における評価の重要性が示されました。本研究では、小学校道徳科における、一人一人のよさを伸ばし、成長を促すための評価の在り方について提案しています。児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子をどのように見取り、どのように評価するかについて、見取りの視点や見取りの方法、またそれらを生かした評価の方法を明らかにしながら、授業実践を通して研究を進めたものです。 ○中学校道徳科における評価の在り方に関する研究 -認め、励ます評価に生かす自己評価の分析を通して- 道徳教育の充実を目指した中学校における「特別の教科道徳」(以下「道徳科」)が平成31年度から全面実施されることに伴い、道徳科における評価の重要性が示されました。そこで、本研究では、認め、励ます評価に生かす自己評価の分析方法について研究し、自己評価を道徳科の評価全般に効果的に活用する方法を明らかにすることで、中学校道徳科における評価の方法を提示することができました。 ○物理法則の有用性を実感させ、興味・関心を高める高等学校「物理」の研究 -日常生活とのつながりを重視した教材の開発と活用を通して- 高等学校「物理」において生徒に物理法則の有用性を実感させ、「物理」に対する興味・関心を高めることを目的として、物理法則と日常生活とのつながりを生徒が実感しやすくなるよう、STEMの要素を盛り込んだ教材を開発しました。また、その教材を課題解決型の授業で活用したところ、生徒が物理法則の有用性を実感し、「物理」に対する興味が高まることが示唆されました。 ※ここでSTEMは、科学、技術、工学、数学の4つの科目を統合し、関連性を持たせて学ぶ新しい教育分野を表します。 ○論理的思考力を育むプログラミングの体験の在り方に関する研究 -小学校算数科・理科の指導を通して- 新学習指導要領から導入される小学校プログラミング教育について、4年生の算数科と6年生の理科の授業実践を通して教科への導入の仕方を考察しました。プログラミング的思考のとらえ方を「コンピュテーショナル・シンキング」の観点から見直し、使用教材の選定、児童の論理的思考力の育成の見取り方などを工夫し、指導案を作成し、今後のプログラミング教育の一助となるような方向性を示すことができました。 〇中学校における通級による指導の充実に関する研究 -通常の学級とのつながりを重視した自立活動を通して- 通級による指導の対象となる児童生徒数は、平成5年度の制度化から年々増加しており、中学校においても通級による指導のニーズは高まってきています。本研究は、通級による指導と通常の学級とのつながりを重視した自立活動を通して、通級による指導の対象生徒が自分の特性を理解し、学習上又は生活上の困難を改善・克服するための方法を提案するものです。 〇特別支援学校におけるセンター的機能の充実に関する研究 -多様なニーズへの対応を可能にする校内体制の確立を通して- 特別支援学校のセンター的機能には、様々な障がいのある児童生徒並びに対象年齢の幅、在籍している集団の大きさなど、多様なニーズへの対応が求められています。そこで、本研究では、共通理解のもとチームで取り組む相談の実践を通して、多様なニーズへの対応を可能にする校内体制の在り方を探りました。特別支援学校におけるセンター的機能の充実につながる体制の提案です。 |
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■3〔コラム〕「積み木遊び」 |
3月は旅立ちの季節。県内でも各校で卒園式・卒業式が行われました。逞しく成長した子どもたちが巣立っていく姿を見るのは、何度経験しても感慨深いものがあります。保護者の皆様もこれまでの様々な出来事が思い出され、我が子の成長に喜びを感じていることと思います。4月からの新生活に不安を感じている児童、生徒もいることと思いますが、良いスタートが切れるように温かく見守っていきたいものです。 さて、私にも1歳になる子どもがおりますが、日々成長する姿は嬉しいものです。そして時には考えさせられる出来事にも出会います。生後9ケ月位の頃、遊びのおもちゃとして積木を買ってきました。私は、積み木をニコニコ楽しそうに積んで遊ぶ姿をイメージし、お手本として積み木を積んで見せたりしたのですが実際は、掴んで舐めたり、投げてみたり、私が積んだ積み木を崩して喜んだり……。その時ふと思い出したのが今年度の県教育研究所連盟研修会で講演をしていただいた国立教育政策研究所の猿田祐嗣氏のことばでした。思考力を引き出す授業の在り方について、「子どもたちに一つの答えで満足させないこと」と話されていました。大人がこうして遊んで欲しいと物事をセッティングしていく遊びは、子どもにとっては不自由な遊びなのだと考えさせられました。 新学習指導要領では、未来の創り手となるために必要な資質・能力を育むため「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善が求められています。じっくり一人一人が課題に向き合う時間を与え、分かったこと、できるようになったことから更に自分たちで新たな課題を見つけ出していく、そんな授業づくりをしていきたいと思いました。 余談となりますが、先日は知らない間に積み木を3段積んでニコニコ笑っていました。 |
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教育センターニュース 第116号/発行元 岩手県立総合教育センター |