教育センターニュース第117号 2018.08.23|岩手県立総合教育センターメールマガジン
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117
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2018.08.23 お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]
■1〔研究紹介〕平成30年度調査・研究のテーマ及び概要について

■2〔コラム〕 受け継がれるもの 

[本文]
■1〔研究紹介〕平成30年度調査・研究のテーマ及び概要について

【所員の調査・研究】

○コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成を目指す小学校外国語科指導
 の在り方に関する研究
 -単元のゴールを児童と共有するWE-CANシートの開発・活用を通して-
                         [平成30年度からの2年研究]
                            (担当:教科領域教育)
 本研究は、小学校外国語科において育成を目指すコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を正確に捉え、第5学年及び第6学年それぞれにおける五つの領域別の目標を明確にするとともに、それらを単元など内容や時間のまとまりにおいて育成する指導の在り方について研究し、小学校教員が小学校外国語科における基本的な指導についての理解を深めることに役立てようとするものです。

○小・中・高等学校理科における資質・能力の育成を目指した理科授業の在り方に関す
 る研究
 -学習内容と日常生活とのつながりを図る工夫を通して-
                              (担当:理科教育)
 本研究は、小・中・高等学校理科における資質・能力の育成を目指した理科授業の在り方について実践を通して提案するものです。資質・能力の育成を図る観点から、学習内容と日常生活のつながりを意識した教材の開発や単元構想、授業展開を研究し、理科教員の指導に役立つものにしたいと考えています。

○論理的思考力を育むプログラミングの体験の在り方に関する研究
 -小学校における総合的な学習の時間の指導を通して-
                           (担当:情報・産業教育)
 本研究では、小学校の総合的な学習の時間において、探究的な学習課題の解決のための論理的思考力を育むプログラミングの体験の在り方について実践を通して明らかにするものです。また、「プログラミングの体験」ガイドブックを作成し、小学校でのプログラミングの体験の指導に役立てていきたいと考えています。

○高等学校における特別支援教育推進に関する研究
 -校内研修プログラムの作成及び各校のニーズに応じた活用を通して-
                            (担当:教育支援相談)
 本研究は、各校の特別支援教育推進に役立つ研修プログラムを作成し、各校のニーズ
をもとに校内研修で活用し、生徒への指導・支援を実践することによって、高等学校に
おける特別支援教育の充実を図ることを目的とするものです。
 高等学校の特別支援教育推進の現状や課題を先行研究によって明らかにし、推進のた
めに必要な校内研修プログラムを作成し、それを活用した研修及び生徒への指導・支援
の実践を通して、校内における特別支援教育推進の在り方を明らかにしていきます。

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【長期研修生の調査・研究】

○幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の具現化に関する研究  
 -子供の発達と学びをつなぐ生活科を中心としたカリキュラムの作成と実施を通して-
                            (担当:教科領域教育)
 新小学校学習指導要領の総則には、幼児期の教育を通して育まれた資質・能力を踏まえて教育活動を実施することについて記されています。そのためには、各校で作成されている接続期及び低学年のカリキュラムを実効性のあるものとし、子供の育ちと学びがつながっていくための資質・能力の考え方を幼小で共有していくことが必要です。本研究は、実践を通してカリキュラムの見直しを図るとともに、幼小の組織としての接続の在り方について明らかにしていくものです。

○高等学校生物「遺伝子とその働き」における観察・実験に関する研究
 -遺伝子を扱う教材・教具の開発と活用方法の構築を通して-
                              (担当:理科教育)
 高等学校理科の学習指導要領では、観察、実験の一層の充実が求められていますが、高等学校「生物」の遺伝子に関する分野においては、その高度な内容故に学校現場での観察、実験の対応が困難な状況にあります。本研究では、こうした状況を踏まえ、学校現場で実施できる教材、教具を開発し、工夫することで、生徒の探究活動の充実に資する観察、実験の在り方を明らかにしていきます。

○高等学校における通級による指導の充実に関する研究
 -キャリア発達を支援する自立活動を通して-
                            (担当:教育支援相談)
 平成30年度からの高等学校における通級による指導にかかわる制度改正がなされ、運用が可能となります。そこで、高等学校における通級による指導の充実に向け、自立活動に相当する指導について、キャリア発達の視点から、対象生徒の困難さや、目指す姿を踏まえた指導内容の選定、実践を通して高等学校における通級による指導の充実に向けた取組の在り方を明らかにする研究を行います。

○特別支援教育コーディネーター業務の推進に関する研究
 -多様なニーズをもつ一人一人の子供の育ちを支える関係機関連携を目指して-
                            (担当:教育支援相談)
 特別支援教育がスタートして10年が経過し、相談内容が多様化する中、小・中学校のコーディネーターの資質向上を図り、各校の相談機能がさらに充実させていくことが求められます。
 本研究は、小・中学校等における特別支援教育コーディネーター業務の推進にかかわる現状と課題を調査・分析するとともに、特別支援学校コーディネーターによる地域資源や他機関と連携した相談実践を通し、特別支援教育コーディネーターの業務推進の充実の在り方を明らかにするものです。
 

■2〔コラム〕 受け継がれるもの

 風薫る5月のこと。実家に立ち寄ると、今年、傘寿を迎える父が庭の一角へと手招きしている。何か手伝いかと思いきや、庭木の葉をちぎって手渡され、匂いを嗅ぐようにと言われた。
 独特の匂いがした庭木は、その枝葉が抹香の原料となる樒(しきみ)だという。25年前に苗木を植え、高さ2メートル程に生長した樒(しきみ)は、今年初めてたくさんの花を咲かせたそうだ。
 父曰く、樒(しきみ)のいわれは、昔は土葬中心で、狼などに掘り起こされるのを防ぐため、動物が嫌がる香気を放つ樒(しきみ)を埋葬場所の周りに植える風習があったのだという。併せて、木偏に仏の旧字体「●」と書く国字(和字)もあるのだと教えてくれた。
 おかげで、抹香や焼香の香りの意味など考えもせず、ボーっと生きてきた無知な息子(小職)は、新たな知識を得ることができた。
 学校、企業、団体等の組織体において、ベテランから若手への技術・知識の継承が緊急の課題と言われて久しい。継承の度合いはどうあれ、いつの時代も先人の教えは、見えない思いを込めて、次の世代へと受け継がれているのだろう。
(●は、木偏に佛)

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