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このメールマガジンは、岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校へ、教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けするために発行しています。 | |||||||||
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■1〔特集〕平成30年度(第62回)岩手県教育研究発表会 ■2〔コラム〕明るい未来に送り出すために |
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■1〔特集〕平成30年度(第62回)岩手県教育研究発表会 去る2月7日,8日の2日間,平成30年度(第62回)岩手県教育研究発表会を開催しま した。2日間でのべ 2,500名を超える参加者を得ての開催となりました。 研究発表会の3年間の継続テーマである「確かな学び,豊かな学びをつなぐ」を受け て,資質・能力を育む教育課程と授業改善をサブテーマとしました。3年間継続テーマの 最終年度である今年度は,総合教育センターによる中学校第1学年を対象とした国語の提 案授業,そして,千葉大学教育学部 特任教授 天笠 茂 氏による講演会で構成しま した。 1日目全体会の概要を紹介します。 ○総合教育センター提案授業 授業者:総合教育センター 研修指導主事 早川 貴之 生 徒:矢巾町立矢巾中学校 1年3組 単元名:田沢湖のクニマス問題を考えよう ~どうなることが『問題解決』と言えるのか~ 教材名:「幻の魚は生きていた」 中坊 徹次 (光村図書 国語1) 総合教育センターでは,平成28年度から29年度の2年にわたり,「資質・能力の『三つ の柱』を総合的に育む授業の在り方に関する研究」(中学校及び高等学校の国語,数学, 理科,社会,地理歴史・公民,外国語)を進めてきました。今年度は全体会において,2 年間の研究成果を具体的に示す機会とし,矢巾町立矢巾中学校1年3組の生徒を会場に招 き,中学校国語の提案授業を実施しました。 提案授業の単元展開にあたっては,「学習の道しるべ」と名付けたシートを開発し,何 単位時間の単元なのか,各単位時間の学習課題は何なのか,各単位時間においてどんな姿 を目指していくのか,といった単元全体の学習の見通しを,授業者と学習者が共有しなが ら進めるようにしました。また,本研究のもう一つの柱であるパフォーマンス評価を位置 付け,「田沢湖のクニマス問題のあらましと筆者の提言についての解釈を記述し,自分の 考え(共感・納得・疑問・反論)をまとめる」という言語活動に向けて,ルーブリック (評価のものさし)を授業者と学習者で共有しながら進めるようにしました。 提案授業では,「少しずつ歩いていかなければならない」と結んだ筆者の提言につい て,矢巾中学校の生徒は,絶滅の経緯やクニマスを守る条件,筆者の捉えた絶滅の意味, 人々の願いに着目し,グループで吟味・検討し,全体で意見交流しながら,提言の意味を 具体的に捉え直していきました。言語活動に向けて,文章と対峙し,言葉に込められた意 味を検討し合いながら,自分の考えを深めていく,矢巾中学校生徒の価値ある学びが展開 されました。 ○講演会(千葉大学教育学部 特任教授 天笠 茂 氏) 千葉大学 特任教授 天笠 茂 氏をお招きし,新たな時代を切り拓く資質・能力の 育成に向けて,新学習指導要領において示された「カリキュラム・マネジメント」の趣旨 と実現に向けた方策について講演をいただきました。 講演では,中央教育審議会において議論されたことを基に,「カリキュラム・マネジメ ント」とは何なのか,なぜ「カリキュラム・マネジメント」が必要なのかといった,学習 指導要領改訂のグランドデザインについて分かりやすく解説してくださいました。さら に,本提案授業を例に挙げて,一単位時間だけではなく,単元や題材のまとまりとして授 業改善を行っていくことの重要性について触れながら,「主体的・対話的で深い学びに向 けた授業改善」と「カリキュラム・マネジメント」の2つは別々なものではなく両輪とし て進めるべきものであること,学校の教育課程は管理職だけでなく全教職員で一緒に創り 上げることが重要であること等について,明快にご示唆いただきました。 天笠 氏の講演により,「主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善」と「カリキュ ラム・マネジメント」の二つのキーワードが結び付き,「社会に開かれた教育課程」の実 現を目指す「学びの地図」として示された新学習指導要領の趣旨について理解を深める全 体会となりました。 ★平成30年度(第62回)岩手県教育研究発表会資料の公開 http://www1.iwate-ed.jp/kenkyu/siryou/index_30.html 3月下旬に,分科会で発表された県内の先生方の発表資料(希望された方のみ)につい ても,公開いたします。 ★来年度の岩手県教育研究発表会のお知らせ 平成31年度(第63回)岩手県教育研究発表会 ・期 日 2020年2月13日(木)~14日(金) ・会 場 花巻温泉,岩手県立総合教育センター,岩手県立生涯学習推進センター ・テーマ 新たなテーマ設定に向けて検討中 来年度も,多くの方々の参加をお待ちしております。 |
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■2〔コラム〕明るい未来に送り出すために 今年の9月,釜石会場も含めた全国12都市を会場として,ラグビーワールドカップが開 催されます。世界のトップレベルの選手のプレーを間近で見ることができる絶好の機会で あり,今から楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。新聞報道でもあったよう に,釜石鵜住居復興スタジアムで行われる2試合については,人気が高く観戦チケットも 入手困難な状況であるとか。試合当日は両チームの激闘にスタンドから大きな歓声が沸き 上がり,多くの大漁旗がはためくことでしょう。震災から間もなく8年,これまでの世界 各国からの支援に対して感謝を伝えるとともに,復興に向けて力強く歩んでいる姿を見て いただく機会となればと思っています。 さて,ラグビーの発祥は,1823年イングランド北西部にあるパブリックスクールのラグ ビー校に在籍していたエリス少年が,フットボールの試合中にボールを抱えたまま相手ゴ ール目指して走ってしまったというのが始まりだとされていますが,これは定かではない との説もあります。ともあれ,ラグビーに限らずこれまで新しい競技が生まれてきた背景 には,既存のルールに囚われず自由な発想,創造力を持った人々の存在があったに違いあ りません。 2011年,ニューヨーク市立大学大学院センター教授キャシー・デビットソン氏が「2011 年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は,大学卒業時に今は存在していない 職業に就くだろう」との予測を語り話題になりました。この予測を決して悲観的に受け止 めるのではなく,将来は65%もの子供たちが,今は存在しない新しい職業に就くことがで きる,新しい職業を創り出す余地があるとも捉えることができます。すると今の子供たち には,創造力,行動力を育む教育が大切となってくるでしょう。尚更,指導する立場であ る我々教師は創造力を働かせ,教育活動,授業づくりに取り組んでいくことが求められる のだとひしひしと感じています。 アルベルト・アインシュタインは「教育者の最高の技術とは,若者に創造的表現と知識 の喜びを発見させることです。」といっております。日々の授業を見つめ直し,胸を張っ て子供たちを明るい未来に送り出したいと思っています。 |
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