教育センターニュース
第69号
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岩手県立総合教育センター
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岩手県内の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校へ、教育センターの研修・支援・研究に関する情報を迅速にお届けします。
2012.12.07 お問合せ:ml-maga@center.iwate-ed.jp

[目次]
■1 〔コラム〕     『披露宴』
■2 〔お知らせ〕 岩手県教育研究発表会について

[本文]

■1 『披露宴』

 先日、苦楽を共にした元同僚がめでたく同業者の伴侶を得、その披露宴に招かれました。招待者が 220名を超える大披露宴に驚きつつ、一つ一つ丁寧に進められるプログラムとおいしい料理を堪能いたしました。さらには高校に進学した教え子達の手作りウエディングケーキまで振る舞われるなど、多くの方々から祝福され、うらやましい限りでした。
 披露宴の結びに、一枚の学級通信ならぬ「○○家通信」が手渡されました。タイトルに「全ての『つながり』にありがとう」と記されたその通信には・・「今日から私たちは新しいスタートを切ります。『全身で教師をしています』と胸を張っていえる自分を目指し、一人の人間、一人の教師として、誰からも認められるように二人で励まし合いながら頑張っていこうと思います。」と。
 そこには、感謝の気持ちと二人の教職にかける熱い思いが綴られ、あえて、多くの方々を招待した理由を知ることができました。
 この披露宴を通して、多くの人をつなげることのできる職が教師であり、そのつながりが様々なものを生み出す原動力となること。そして、その職がいかにやりがいのあるものかということを再認識することができました。
 平成25年2月14日、15日に第56回目の岩手県教育研究発表会が開催されます。この会がたくさんの先生方をつなげつつ、多くの成果を確認しあい、互いに高めあう場となるよう準備していきたいと考えています。(正)


■2 岩手県教育研究発表会について

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平成25年2月14日(木)、15日(金)の2日間にわたり、本年度の岩手県教育研究発表会を開催します。全体テーマを「教育の復興」とし、全体会「校種間連携と岩手の人材育成」「いわての復興教育〜この1年の取り組み〜」 および5つの特設分科会、14の分科会を設定いたします。
 申込は、先日各校・園に送付した開催要項または下記URLをご覧のうえ平成24年12月7日(金)〜12月21日(金)の期限内にお願いします。多くの方々のご参加をお待ちしております。
★岩手県教育研究発表会についての詳細はこちら
http://www1.iwate-ed.jp/kenkyu/happyoukai/h24/index.html
★岩手県教育研究発表会の申込みはこちら(岩手教育情報交流ネット)
https://www2.iwate-school.jp/common/
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◆ 全体会要旨

 復興元年の本年度、全体テーマを「教育の復興」としました。「教育の復興」とは、震災を契機にもう一度岩手の子どもたちに必要な教育とは何かを考え、原点に立ち返ることであるととらえています。県内の教育関係者が一堂に会し、自分たちの足下を捉え直す場としたいと考えます。
 平成21年度は、本県の学力向上について「校内研修」と「家庭学習」の視点から協議しました。登壇者の方々から、それぞれ各種調査結果をもとにした本県児童生徒の学習の定着状況、家庭学習状況(一人勉強ノートの問題点等)、教員研修の在り方等について、課題解決に向けて取り組むうえでの考え方、視点についてお話しいただきました。
 平成22年度は、「家庭学習の在り方と部活動等の関わり」ついて協議しました。協議の中で、部活動からスポーツ少年団活動へと続く長時間にわたる練習の見直しの必要性が確認されました。また、発表会をとおし、学力向上における学校改革の必要性、学校経営の重要性が改めて認識されました。
 平成22年度のシンポジウムの内容については、教育センターが発刊した「教育研究岩手第99号」に掲載されています。(※なお、教育研究岩手は県内各学校に配布されています。)
 平成23年度は、「学力向上と組織マネジメント」をテーマに、シンポジウムを開催しました。学力向上のために、市町村教育委員会が学校に対してどのように働きかけていけばいいのか、具体的な例を元に論議を深めるとともに、指導行政の果たす役割の重要性について、再確認する場となりました。午後は学校教育室義務教育課長が、「いわての復興教育」の概要を説明し、本県の復興教育の在り方と目指す姿について共通理解を図りました。

 さて、今年度は、「教育の復興」の一つの視点として校種間連携を取り上げ、シンポジウム「校種間連携と岩手の人材育成」を開催します。普代村教育委員会熊坂伸子教育長と陸前高田市教育委員会山田市雄教育長にシンポジストとして、岩手県立大学相澤徹理事長にコーディネーターとしてご登壇いただきます。大震災津波により、ますます幼小、小中、中高、高大のそれぞれの校種間での連携が喫緊の課題となっています。お二人の教育長からは、現在また過去に取り組んだ成果をご紹介いただき、明日の岩手を担う人材育成を考える機会としたいと考えます。
 午前中の終わりは、学校教育室特命課長(復興教育)が、復興教育のこの1年の取り組みについて紹介します。
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◆ 特設分科会の紹介

■特設1【いわての復興教育〜この1年の実践とこれから〜】
 東日本大震災津波を乗り越え、郷土を愛し、その復興・発展を支える人材を育成するために、県では「いわての復興教育」を推進しています。本分科会では、「いわての復興教育」推進校による実践発表を行い、実践からの学びや気付きを参会者で共有し、これからの「いわての復興教育」について考えます。
 講師には、阪神淡路大震災時に、神戸市の防災教育の開発にかかわった鳴門教育大学教職大学院教授の村川雅弘氏を迎え、講評とこれからの方向性についてお話をいただきます。

■特設2【効果的な校内研究推進マネジメント】
 教員一人一人の「授業力」を向上させるための校内研究の在り方を探る分科会です。「授業改革」で有名な東京都東村山市立大岱小学校の前校長西留安雄氏による講演や、宮古市立花輪小学校と盛岡市立下橋中学校より、新しい視点からの校内研究の進め方に関する基調提案があります。講演と基調提案の後はそこでの学びを基に、参会者全員によるワークショップにより、校内研究改善の方向性を共に考える機会とします。

■特設3【地域と共に歩む教育をめざして】
 午前のシンポジウム「校種間連携と岩手の人材育成」を受けて、具体的な実践例を紹介する分科会です。普代村の地域密着型教育の保育園及び小中一貫校の取り組みの様子の紹介、一関第一高等学校附属中学校の設立から今までの経過及び将来の展望について、それぞれの学校の園長先生・校長先生に語っていただきます。さらに、3歳から65歳までが在籍する地域とのつながりを大切にした総合的な支援学校としての一関清明支援学校の取り組みについても紹介していただきます。
 これらの学校の発表を基に、地域と共に歩む岩手の教育の在り方を一緒に考える機会とします。

■特設4【学校ぐるみで取り組む中学生の学力向上〜「いわてスタンダード」「Gアップシート」 を活用して〜】
 分科会構成は3部構成です。第1部では、「いわてスタンダード」「Gアップシート」の説明と活用方法の提案を行います。第2部では、実践協力校として活用に取り組んだ4校が発表します。第3部では、3名の校長先生がテーマに沿ってパネルディスカッションを行います。「Gアップシート」は、国数英の3教科ですが、管理職や他教科の先生方にもご参加いただき、学力向上に学校全体でどう取り組めばよいか、協議を深めたいと考えています。中学生の学力向上について関心のある高等学校や小学校の先生方もご参加ください。

■特設5【こころのサポート】
 岩手県では、「幼児児童生徒のこころのサポート」を推進しています。その取り組みの例として、心とからだの健康観察の実施、それを活用した心理教育や心のサポート授業、表現活動が挙げられます。本分科会で、児童生徒の心のサポートにつながる実践をご報告いただき、参加された先生方がその取り組みについて考える機会とします。
 講評では、兵庫教育大学大学院冨永良喜教授から、「幼児児童生徒のこころのサポート」についての今年度の総括と次年度に向けた提言をいただきます。
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◆分科会の紹介

■1 国語---(2/15午前午後)
 今年度の国語分科会は、6本の研究発表に加え、千葉大学の寺井正憲教授から「言語活動を通した授業づくり」と題したご講演をいただきます。
 また、小・中・高の古典指導の関連をテーマとした実践発表、シンポジウムを開催いたします。

■2 社会/地理歴史・公民---(2/15午後)
 今年度は、「校種間連携」をキーワードにした発表を、小中学校から合わせて3本いただき、社会科の授業における望ましい校種間連携の形を探っていくことをねらいにしています。また、その発表をもとに、参加された先生方どうしで意見を交流しあうことも考えています。

■3 算数/数学---(2/15午前午後)
 「算数・数学科における指導の充実」に資する4つの研究発表、Gアップシートについての発表を行います。また、秋田県教育庁義務教育課学力向上推進班主幹兼班長の佐藤俊之先生をお招きし、「秋田の算数・数学科における学力向上の取組」と題してご講演をいただきます。

■4 理科---(2/15午前午後)
 新学習指導要領のねらいに沿った理科教育のありかたがテーマです。午前中は小学校3校からの発表とパネルディスカッション、午後は高校・中学校、各2校からの研究発表です。
 教材展や学生科学賞入賞作品展も見どころ満載です。どうぞふるってご参加ください。

■5 音楽---(2/15午後)
 日々の音楽の授業を一層充実する観点から、『音楽科、芸術科(音楽)については、思いや意図をもって表現したり味わって聴いたりする力を育成する〜(中略)〜このため表現と鑑賞の活動の支えとなる指導内容を〔共通事項〕として示し、音や音楽を知覚し、そのよさや特質を感じ取り、思考・判断する力を一層重視する。』(中央教育審議会答申(学習指導要領等の改善について)より)と述べられています。
 本分科会では、このような趣旨を踏まえた授業実践研究を通して、音楽の授業改善の在り方を学び合う場とします。

■6 体育/保健体育/健康教育(2/15午後)
・前半は、各校の実践発表を通して、学習指導要領の趣旨を踏まえた体育・保健体育授業の指導の在り方や、危機管理における養護教諭の取組を学び合いましょう。
・後半は、「小学校」「中学校・高等学校」「健康教育」の3グループに分かれて、参加者同士の意見交流を行います。

■7 家庭/技術・家庭---(2/15午前)
 「過去の経験にとらわれない、新しい学習指導の視点をつかもう!」
 家庭や社会事象を学習課題に設定し、身に付けた知識と技能を家庭での実践につなげる学習指導の研究発表と教材・教具紹介展のキーワードを以下に紹介します。小・高等学校家庭、中学校技術・家庭科の学習指導について考える分科会です。
「情報モラルとメタ認知能力の関連」、「作物の接木栽培と袋栽培の指導」、「不要衣料を活用した生活に役立つ物の工夫を考えさせる題材構成」、「東日本大震災津波に学ぶ高等学校家庭の防災教育」、「防災教育と関連付けた小中高等学校家庭科指導資料」

■8 外国語活動/外国語---(2/15午前午後)
・午前の部 テーマ 小中連携
 タイプの違う小学校の外国語活動実践発表と、中学校も交えたパネルディスカッションで、連携のイメージがより具体的になります。
・午後の部 テーマ 中高連携
 学力向上を実現している中高の事例を紹介します。またGアップシート改訂への思いや、地域単位での英語の取組状況も大いに参考になるはずです。

■9 道徳/特別活動/総合的な学習の時間---(2/15午前)
 道徳教育のねらいや、特別活動、総合的な学習の時間の目標には、共通する部分が多くあります。本分科会では、地域の題材を取り上げた実践発表を基に3つの領域で大切にしていきたいところを再確認します。復興教育の視点にも通ずる内容がここにあります。

■10 情報教育---(2/15午後)
 小学校社会科の地域社会に関する学習で使える写真、動画を集めた「デジタルコンテンツ集の活用」、中学校国語科における「電子黒板を活用した授業」、緊急連絡用としても利用できる「学校情報共有サイトの活用」の3研究の発表をします。

■11 小規模・複式指導---(2/15午後)
 少人数指導、複式指導には、一工夫すれば児童の力をさらに伸ばし、豊にする手がかりがたくさん含まれています。その手がかりを3校の実践に学び、今後の授業改善に生かす視点をワークショップを通してみんなで模索しませんか。
 目指す子ども像は、「生き生きと表現する子ども」、「自分の考えをもち進んで表現する子ども」「主体的に学ぶ子ども」です。
 協議の視点は、@言語活動を通した指導 A思考を助けるノート指導 B複式学級の特性を生かした指導です。みなさん、どうぞふるってご参加ください。

■12 幼児教育/幼小接続---(2/14午後)
 今までの分科会名に「幼小接続」を加え、「幼児教育の充実」と「幼児期の育ちを小学校につなぐ」ことを目指し、保育関係者と小学校の先生方が一緒に学び合う分科会にしたいと思います。各協議会等から推薦いただいた幼稚園と保育所の発表に加え、幼稚園と小学校の共同研究の発表もあります。
 午前中の全体会のテーマ「校種間連携」を受けて、分科会では、幼小連携・接続についてお互いに学び合う機会にしましょう。

■13 教育相談---(2/15午前)
 「学校不適応に対する援助事例の報告」〔9事例、ポスター口頭発表〕様々な問題状況を抱え苦戦している子どもたちやその保護者、そして先生方への援助実践事例から得られた多くの学びを参会者の皆さんとともに共有します。
 明日からの実践に活かせるヒントが見つかります。是非ご参加ください。

■14 特別支援教育---(2/15午前)
 〇 支援学校の特別支援教育コーディネーターに求められる資質や技能
 〇 支援学校における校内研究推進
 〇 小・中学校特別支援学級の個別の指導計画の作成・活用
 分科会に参加して、一緒に考えてみませんか。
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◆フォーラムの紹介
 未来につなぐ いわての教育相談---(2/15午後)
 岩手県では、中長期的な教育相談体制の整備・充実による学校支援へのため、教育相談コーディネーターの養成を進めています。行政施策や配置となっている学校の取組例、今年度実施した復興教育支援事業による研修、沿岸部支援をきっかけとした取組の現状等を共有しながら、いわての教育相談の課題、方向性について考えます。フォーラムの最後に大阪市立大学森田洋司名誉教授記念講演が行われます。なお、このフォーラムは、一般社団法人学校心理士認定運営機構と岩手県立総合教育センターによる文部科学省復興教育支援事業枠として実施します。


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