ある地域で生活する同種の個体の集まりは、個体群とよばれる。
個体群における個体の分布には、ランダム分布、集中分布、一様分布などの様式がある。
個体群のうち、複数の個体を捕獲して標識をつけたものを個体群に戻す。そして機関をおいて再度、捕獲した複数の個体から個体群の全個数を推定する方法を区画法という。
短時間で個体群内に分散する動物の個体数の推定に用いられるのが、標識再捕法である。
個体群における個体数の増加を個体群の成長といい、成長のようすをグラフにしたものを成長曲線という。
ある生物が生活する単位空間当たりの個体数は、個体群密度と呼ばれる。
個体群を構成する個体は、食物や生活空間のような生存と繁殖に必要な資源に制限がなければ、際限なく増えていく。しかし、資源には限りがあることが多く、維持できる個体数には上限がある。この維持できる最大の個体数は、環境収容力と呼ばれる。
個体群密度が個体や個体群の成長、個体の生理的・形態的な性質を変化させることを、密度効果という。
単位面積当たりの最終的な植物の収量は、個体群密度が異なってもほぼ一定の値を示す。これは、最終収量一定の法則と呼ばれる。
個体群密度に応じて、同一種の形態や行動に著しい違いが生じることを、相変異という。