平成17年度 岩手県立総合教育センター長期研修生(1年) 研究発表資料集 

 「平成17年度岩手県立総合教育センター長期研修生(1年)研究発表資料集」は、平成18年1月12日〜13日に開催しました岩手県教育研究発表会で発表した長期研修生の研究20主題をまとめたものです。それぞれの研究は、各教科や領域、分野における教育課題を直視しながら、その解決の道筋を明らかにするとともに、実態調査等で得られた問題点を整理し、手だての試案等の作成や実践結果の分析を行ってその成果と課題を明確にしました。この「研究発表資料集」を各学校等で活用され、研究についてのご意見、ご感想を当センターにお寄せいただければ幸いです。
研究主題をクリックすると、ファイル(PDF形式)が開きます。
No 領域 研 究 主 題 及 び 概 要
h17_01d7 国語科指導
小学校国語科における書こうとする事の中心を明確にして書く力を高める指導に関する研究
−調べた事をまとめる段階的な指導をとおして−


宮古市立千徳小学校  今西 顕隆
研究の概要
 この研究は、調べた事をまとめる活動をとおして、書こうとする事の中心を明確にして書く力を高める指導について明らかにし、小学校国語科における学習指導の充実に役立てようとするものである。調べた事をまとめる活動において、段階的な指導を取り入れた手だての試案を作成し、それを基にした授業実践を行い、その結果の分析と考察から、手だての試案は有効であることが明らかになった。
キーワード
小学校国語科,書くこと,中心,段階的な指導
h17_01d8 国語科指導
小学校低学年国語科において叙述に即して確かに読む力を育む学習指導に関する研究
―「イメージ構成シート」の活用をとおして―


奥州市立常盤小学校  早川 真美
研究の概要
 この研究は、書かれている内容とイメージをつなぐ「イメージ構成シート」の活用をとおして、叙述に即して確かに読む力を育む学習指導について明らかにし、小学校低学年国語科の学習指導の改善に役立てようとするものである。「イメージ構成シート」を活用した学習活動を取り入れた手だての試案を作成し、それに基づいた授業実践を行い、その結果を分析・考察することで、試案の有効性と仮説の妥当性を確認することができた。
キーワード
小学校国語科,低学年,叙述に即して,イメージ
h17_02b3 社会科指導
小学校社会科における資料活用の力を高める学習指導に関する研究
−単元を通じて学び方を学ぶ「ナビカード」の活用を通じて−


北上市立鬼柳小学校  佐々木 修
研究の概要
 この研究は、単元を通じて学び方を学ぶ「ナビカード」の活用を取り入れることによって、小学校社会科における資料活用の力を高める学習指導について明らかにし、社会科の学習指導の改善に役立てようとするものである。小学校第5学年の工業単元において、資料の読み取り方や資料を基に自分の考えをまとめる方法など、資料活用にかかわる学び方を学ぶ「ナビカード」を作成し、授業実践を行い、その結果の分析と考察をとおして、「ナビカード」の活用を取り入れた学習指導は有効であることが明らかになった。
キーワード
小学校社会科,ナビカード,学び方を学ぶ ,資料活用
h17_02b4 社会科指導
小学校社会科の歴史学習における考える力を育てる学習指導に関する研究
−資料提示と発問の工夫をとおして−


大槌町立大槌小学校  高田公明
研究の概要
 この研究は、小学校社会科の歴史学習において、資料提示と発問の工夫をとおして、考える力を育てる学習指導について明らかにし、小学校社会科の歴史学習における指導の充実と向上に役立てようとするものである。小学校社会科の歴史学習における考える力を育てるための手だての試案を作成し、それに基づいた授業実践を行い、その結果の分析と考察から、手だての試案の有効性と仮説の妥当性を確かめることができた。
キーワード
小学校社会科,歴史学習,考える力,資料提示,発問
h17_02b5 社会科指導
中学校社会科の公民的分野における考える力を育てる学習指導に関する研究
−地域の将来を考える条例づくりをとおして−


一関市立弥栄中学校  浅野始央
研究の概要
 本研究は、公民的分野の地方自治の学習の中で、地域の将来を考える条例づくりの体験をとおして、公民的分野における考える力を育てる学習指導の進め方を明らかにし、中学校社会科公民的分野の指導の改善に役立てようとするものである。地域の将来を考える条例づくりの体験を取り入れた学習指導の手だての試案を作成し、それに基づいた授業実践を行い、その結果の分析と考察から、手だての試案の有効性と仮説の妥当性を確かめることができた。
キーワード
中学校社会科,公民的分野,条例づくり,考える力
h17_15b1 社会科指導
小学校社会科歴史学習において児童の考える力を高める指導に関する研究
―コンピュータ教材の開発・活用をとおして―


紫波町立片寄小学校  今渕 哲哉
研究の概要
 本研究において、複数の歴史資料を切り替えながら並べて表示したり、着眼点や語句の意味を表示したりするコンピュータ教材を開発し、歴史的事象や人物について調べさせる授業実践を行った。その結果、児童は、歴史的事象の事実をとらえ、相互の関連を見いだすことができ、生起した要因や社会に与えた影響を類推することができるようになった。このことにより、本研究における指導の手だては、児童の考える力を高めることに有効であった。
キーワード
小学校社会科 歴史学習 考える力 コンピュータ教材 情報教育
情報教育
h17_15b2 社会科指導
小学校第3・4学年社会科地域学習において社会的事象の特色や相互の関連をとらえさせる指導の在り方に関する研究
−マルチメディア教材の開発・活用をとおして−


大船渡市立綾里小学校  市村康之
研究の概要
 本研究では、地域素材を生かしたマルチメディア教材を開発し、それを見学の事前と事後に児童が個別に活用した授業実践を行った。
 その結果、児童は、見学の事前の活用において、見学先の様子を具体的に調べ、見学で調べる対象や目的を明確にもつことができた。また、見学の事後の活用において、調べたことを整理・補充することにより、社会的事象の特色や相互の関連をとらえることができた。
キーワード
小学校社会科 地域学習 社会的事象 情報教育 マルチメディア教材
情報教育
h17_04a2 理科指導
小学校理科「土地のつくりと変化」の学習において、児童の探究心を高める学習展開に関する研究
−二戸地域の地学的素材の特色を生かした教材化と活用をとおして−


二戸市立福岡小学校  平  幸
研究の概要
 二戸地域の地学的素材について,文献調査及び野外調査を実施した.地学的素材を成因別に分類・整理し,児童の追究の段階に応じて提示できるように教材化した.教材化した郷土の露頭や景観,化石や火山灰を活用し,児童が見いだした疑問を解決する活動を取り入れた学習を展開した.その結果,児童は,身近な土地のつくりと変化に対して関心・興味をもつようになり,探究心を高めることができた.
キーワード
小学校理科,探究心,地学的素材の教材化
h17_15c3 体育科指導
高等学校体育「マット運動」において自己の能力に応じて技の向上を図る指導に関する研究
−コンピュータ教材の活用をとおして−


岩手県立平舘高等学校  瀬川 美佐子
研究の概要
 この研究は、高等学校体育「マット運動」において、コンピュータ教材を活用した自己の能力に応じて技の向上を図る指導を明らかにし、授業の充実に役立てようとするものである。マット運動は短い時間のなかにいくつもの体の動きを行わなければならない特質がある。技の習得に必要なポイントを説明できる教材を作成し、授業実践を行った。その結果、技の向上を図る指導に有効であることが明らかになった。
キーワード
高等学校体育科、情報教育、マット運動、コンテンツ
情報教育
h17_08a2 家庭科
高等学校家庭科の「乳幼児の発達と保育・福祉」における子どもとのかかわり方の理解を
 深める学習展開に関する研究
 −課題解決的な学習を取り入れた教材の工夫と活用をとおして−


岩手県立一関第一高等学校  川地 里美
研究の概要
 保育学等の文献調査を行い、子どもとのかかわり方の理解を深める基本的な考え方を検討するとともに、課題解決的な学習を取り入れた「子どもとのかかわり方学習」教材セットを作成した。作成した教材セットを活用して、課題把握では訪問保育実習等、課題追求ではケーススタディ、課題改善では保育ロールプレイングの発表と相互評価という学習を展開した。その結果、生徒は受容的・共感的・応答的かかわりを把握し、子どもとのかかわり方の理解を深めることができた。
キーワード
高等学校家庭科 子どもとのかかわり方 課題解決的な学習  訪問保育実習 保育ロールプレイング ケーススタディ
h17_15c4 商業科指導
携帯電話を活用した自ら学ぶ意欲を高める学習支援システムの開発に関する研究
−高等学校商業科「情報処理」の学習指導をとおして−


岩手県立盛岡商業高等学校  千葉 幸也
研究の概要
 この研究は、生徒の自ら学ぶ意欲を高めようとするために、生徒は携帯電話を用いて授業や学習に役立つ情報や自動採点式の演習問題が利用でき、教師は生徒の疑問や演習問題への取組状況の情報が容易に収集・利用できるシステムを開発したものである。システムを用いた実践結果の分析から、生徒は情報の確認だけでなく家庭学習量が増えるなど授業理解に向けた行動に変化があらわれ、開発したシステムの有用性を確認することできた。
キーワード
高等学校商業科、情報機器、学習支援、自ら学ぶ
情報教育
h17_10b1 道徳指導
道徳的心情をはぐくむ道徳の時間の指導に関する研究
−家庭の協力を生かした指導の工夫をとおして−


大船渡市立大船渡北小学校  細谷 恵美
研究の概要
 この研究は、家庭の協力を生かした指導方法について明らかにし、 道徳的心情をはぐくむ道徳の時間の指導の充実に役立てようとするものである。家庭の協力を生かした指導の工夫として、「家庭における事前の話合い」と「子どもへの願いや思い」を指導過程に取り入れた手だての試案に基づき授業実践を行った。その結果の分析と考察をとおして、手だての試案の有効性と仮説の妥当性を明らかにすることができた。
キーワード
小学校道徳、心情をはぐくむ, 家庭の協力
h17_10b4 道徳指導
低学年における道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の指導に関する研究
−体験活動を組み入れた指導過程の工夫をとおして−


山形村立山形小学校  柏木 路子
研究の概要
 この本研究は、体験活動を組み入れた指導過程の工夫をとおして、道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の指導について明らかにし、低学年における道徳の時間の指導の改善に役立てようとするものである。体験活動を組み入れた指導過程の工夫を取り入れた手だて試案を作成し、それを基づいた授業実践を行い、その結果の分析と考察から、試案の有効性と仮説の妥当性を確かめることができた。
キーワード
小学校道徳,低学年,価値の自覚を深める,体験活動
h17_13a2 教育評価
児童の思考力、判断力をはぐくむ指導における評価方法の研究

一関市立田河津小学校  菊地 桂子
研究の概要
 この研究は、各教科の指導において、児童の「思考・判断」の実現状況を把握する評価方法を取り入れることによって、児童の思考力、判断力をはぐくむ指導について明らかにし、指導の改善に役立てようとするものである。小学校体育科「ハードル走」の単元の指導と評価の計画を作成し、授業実践を行い、その結果の分析と考察をとおして、手だての試案の有効性と仮説の妥当性を確かめることができた。
キーワード
教育評価、思考力、判断力、評価方法
h17_16b5 小規模・複式指導
複式学級における学び合う力を育む学習指導に関する研究
−かかわり合う学習活動を進める手引を活用した指導方法の工夫をとおして−


花巻市立笹間第二小学校  盛合 修二
研究の概要
 この研究は、かかわり合う学習活動を進める手引を活用した指導方法の工夫をとおして、学び合う力を育む学習指導について明らかにし、複式学級の学習指導の改善に役立てようとするものである。小学校算数科におけるかかわり合う学習活動を進める手引を活用した指導方法を取り入れた試案を作成し、授業実践を行い、その結果の分析・考察をとおして、手引の段階的な活用とかかわり合う学習活動の形態の工夫を取り入れた試案は有効であることが明らかになった。
キーワード
複式学級,間接指導,学び合い
h17_18a1 特別支援教育
小学校の特殊学級における一人一人に応じた校内交流の展開に関する研究
― 小グループ編成した交流学級との共同活動をとおして―


一関市立大原小学校  伊藤 淳一
研究の概要
 この研究は、特殊学級全員と小グループ編成した交流学級児童との共同活動をとおして、一人一人に応じた校内交流の展開の仕方を明らかにしようとするものである。児童相互の人間関係を把握する「交流生活班選択のためのカード」と学習活動状況を把握する「活動選択のためのカード」を作成し、これらのカードをまとめた「連携シート」を基に実践を行った。その結果、特殊学級児童の主体的なかかわりを促進していく上で有効であることが確かめられた。
キーワード
特別支援教育,交流教育,共同学習,交流学級,連携,実態把握
h17_18b2 特別支援教育
肢体不自由養護学校高等部自立活動の時間におけるコミュニケーション能力を育む指導の在り方に関する研究
−一人一人に応じた代替コミュニケーション手段の活用をとおして−


岩手県立盛岡養護学校  菊池 裕志
研究の概要
 この研究は、肢体不自由養護学校生徒のコミュニケーション能力を育む指導の在り方を明らかにし、自立活動の指導の充実に役立てようとするものである。生徒一人一人の実態をとらえるための「実態把握のためのシート」と、実態に応じてコミュニケーション手段を選択できる「代替コミュニケーション手段選択表」を作成し、それを基に授業実践を行った。その結果、手だての試案がコミュニケーション能力を育む指導を行う上で有効であることが確かめられた。
キーワード
特別支援教育,肢体不自由、コミュニケーション手段、重度重複、選択、AAC
h17_19c4 教育相談
学校不適応児童の自己受容を促す指導・援助に関する研究
−自分を見つめる活動をとおして−


花巻市立花巻小学校  久保田 葉子
研究の概要
 この研究は、自分のよさに目が向きにくくなっている学校不適応児童が、過去を振り返りながら自分の気持ちを整理する自分を見つめる活動をとおして、自己受容を促す指導・援助の在り方を明らかにし、学校不適応児童の指導・援助に役立てようとするものである。実践をとおして、自分について意識していなかったことを確かめ、自分のよさに気付いていくことは、学校不適応児童の自己受容を促すうえで効果があることが認められた。
キーワード
教育相談 受容・共感 支持 リフレイミング
h17_19c5 教育相談
学校不適応児童の肯定的な認知を促す指導・援助に関する研究
−段階的な表現活動の振り返りをとおして−

北上市立和賀西小学校  伊藤 美香子
研究の概要
 この研究は、否定的な認知に傾いている児童が、段階的な表現活動の振り返りをとおして、肯定的な認知を促す指導・援助の在り方を事例によって明らかにし、学校不適応児童の指導・援助に役立てようとするものである。児童がうれしい、楽しいといった快の感情に気付き、快の感情を増やしていく中で、うまくいく喜びを自分のよいところと結びつけていくことにより、肯定的な認知が促されていくことが認められた。
キーワード
認知、感情、表現活動
h17_19d1 教育相談
学校不適応生徒の自己肯定感を高める指導・援助に関する研究
−生徒のリソースを生かした体験活動をとおして−


滝沢村立滝沢中学校  今野 明
研究の概要
 本研究は、自分のいいところに目が向きにくくなって、自分を肯定的に受けとめることができにくくなっている不適応生徒に対して、生徒のリソースを生かした体験活動をとおして、自己肯定感を高める指導・援助について事例的に明らかにし、学校不適応生徒の指導・援助に役立てようとするものである。研究の結果、リソースを明確化し、振り返りをおこなうことで、自分のうまくいっていることに目を向けていくことは、学校不適応生徒の自己肯定感を高める上で効果があることが認められた。
キーワード
教育相談、不適応生徒、自己肯定感、リソース

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