文部科学省では、新学習指導要領における「情報教育」や「教科指導におけるICT活用」、「校務の情報化」についての具体的な進め方等とともに、その実現に必要な「教員のICT活用指導力の向上」と「学校におけるICT環境整備」、また、「特別支援教育における教育の情報化」についても解説し、さらに、こうした教育の情報化に関わる取組み全体をサポートする教育委員会・学校の推進体制について解説しています。

文部科学省は、平成23年４月、平成32年度に向けた教育の情報化に関する総合的な推進方策「教育の情報化ビジョン」をまとめました。これは、21世紀を生きる児童生徒に求められる力を踏まえ、教育の情報化の果たす役割として、児童生徒の情報活用能力の育成、教科指導におけるICTの活用、校務の情報化の在り方、特別支援教育におけるICTの活用、教員への支援の在り方などについて示したものです。
　この中で、ICTを活用した授業の姿として、学力の３要素である「基礎的・基本的な知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」「主体的に学習に取り組む態度の育成」に対応した授業像の例や、21世紀にふさわしい学びの環境とそれに基づく学びの姿の例が示されました。

教育の情報化に関しては、平成25年６月14日に、「第２期教育振興基本計画」等が閣議決定され、新たな政府方針が示されました。
　教育振興基本計画は教育基本法に基づき政府が策定する教育に関する総合計画です。「第２期教育振興基本計画」（計画期間は平成25年度〜平成29年度）では30の施策をまとめ、教育の情報化に関して、これからの学習の在り方として、一方向・一斉型の授業だけでなく、ICTなども活用しつつ、個々の能力や特性に応じた学びを通じた基礎的な知識・技能の確実な修得や、児童生徒の学び合い、身近な地域や外国に至るまで学校内外の様々な人々との協働学習や多様な体験を通じた課題探求型学習など、学習者の生活意欲、学習意欲、知的好奇心を引き出すような新たな形態の学習を推進することが示されました。また、確かな学力を効果的に育成するため、ICTの積極的な活用をはじめとする指導方法・指導体制の工夫改善を通じた協働型・双方向型の授業革新を推進することが示されました。さらに、各学校における教育環境に関し、教育用コンピュータ１台当たりの児童生徒数3.6人を目指すこと、教材整備指針に基づく電子黒板・実物投影機の整備、ICT支援員の配置を促すことなどが示されました。

学びのイノベーション事業は、21世紀を生きる児童生徒に求められる力を育む教育の実現を目的として、総務省の「フューチャースクール推進事業」と連携して小学校10校、中学校８校、特別支援学校２校の計20校の実証校において平成23年度から平成25年度まで取り組まれたものです。
　内容としては、児童生徒に一人１台の情報端末、全ての普通教室に電子黒板や無線LAN等を整備、ICTを活用した教育の効果・影響の検証、効果的な指導方法の開発、モデルコンテンツの開発等を行う実証研究です。

文部科学省では、「IT新改革戦略」に掲げられた教育の情報化の目標の達成状況等について把握するため、次の調査を実施して公表しています。

この調査結果から、岩手県の学校に関する部分を抜粋し以下のとおりまとめました。